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69 魔術士の里

「ここまでだ! 彼、サイゴの身柄はこの「魔術七星」が預かる! ショウロウ王よ、近々貴様には裁きの時が訪れよう、楽しみに待っているが良い!」

「魔術士集団魔術七星だ! 彼らが動いたとなると……」


 どうやら俺の応援のようだ。ローブを羽織った人たちが俺の近くに。リーダーらしき人がフードを外しこちらに話しかけてきた。


「済まなかったな。本当はもっとはやく助ける予定だったが力を見ておきたくてね。アルベル王と付き合いがあるから安心してついてきてくれ。それからシェム、俺達はお前を最強と認めない。政治闘争、口だけで成り上がった貴様などにな。罪なき魔術師たちを引きずり落としたり闇に葬ったりと、貴様はやりすぎた」

「ぬぐ」


 色々事情がありそうだ。

 彼らは煙幕を張りだした。辺りが煙に包まれる。


「行こうか、俺たちの隠れ里へ」


 彼の後についていき、闘技場から抜け出した。。そのまま王都から出て、用意してあった馬車に乗る。

 広大な平原を走行、外をちらりと見てまだこの先も草原だな、と思っていたが少しして急に風景が変り、気がついたら地下道を走っていた。この辺りはすでに彼らの領域で関係者以外が入れないよう細工してあるとのこと。精霊の大樹のところと同じようなことをしているのかな。


 更にしばらく馬車で地下道を走り、出口が見えてきた。周りには山、森、湖が。


「見えてきたぞ、あれが俺たちが住んでいる場所、魔術士の隠れ里だ」


 巨大な湖の中心に何軒か建物が建っているのが見えた。あそこか? しかしどうやって馬車で。湖の前で一旦止まる馬車。1人の魔術士がスキルを使った。すると湖の一部がせり上がり道ができた。


「難攻不落の魔術士の隠れ里よ。どれだけの兵で攻めようとも攻め落とせないさ。この道の作り方? それは当然教えられないな」


 俺の肩を叩きながら大声で笑うワイサ。ふと気になり地図を見る。そんな場所は書かれていない。まさに隠れ里か。また馬車に乗り込み村へと。馬車が走り抜けるとまた湖に戻った。


 隠れ里に到着。馬車から降りここで1番立派で大きな建物に入る。

 ワイサが家にある豪華な椅子に座る。


「俺はここで長をしている。お疲れ様サイゴ。色々面倒をかけたな。さて、どこから話したものか」


 今回の件が終わるまで俺をここで匿ってくれるようだ。

 ショウロウ王は、これまでも怪しい動きをしていたが、最近になって更におかしな動きを見せ始めたようだった。その原因はアルベル王に対しての嫉妬。セリア王女に恋をしていたようで、しつこく迫るも玉砕。それ以来政治は滅茶苦茶、己のためだけに国を利用し始めた。そういった情報が多数こちらに入るようになり調べるようになったとか。現状はもはや王の座から引きずり下ろすしか手はないくらいになっているという。


 どうやら偽サイゴを作り出し、罪を侵させ、俺になすりつけようとしていたようだ。偽サイゴは処分されそうになった時に、協力者が殺したように見せ、死んだと報告したようだった。


 シェムは昔から成り上がるため、ライバルたちを蹴落としてきた人間。実力ではなく罪をかぶせたり、大人数で囲って殺したりと何でもありの狂人。神器は本物、才能はあるが己を全く鍛えていないためあの体たらくだったようだ。


 結局の所、俺の件がきっかけというわけでもなく2人とも昔からマークされていたようだ。

 だなぁ、悪党はそうなる運命だよな。


 女で狂うってのは本当にあるんだな。もちろんセリア王女はこれっぽっちも悪くないわけだけど。まあ、しつこくって話の時点でお察しか。


 村は大昔からあり、強い魔術士を育てるため、各国への牽制のため、ここに収められた魔王のためと、いくつか存在理由があるようだった。


 まずは強い魔術士を育てるため。魔神たちとの戦闘で隠れ里の魔術士たちはかなりの活躍を見せた。当時はこの場所ではなかったようだが。


 こうして強い魔術士の必要性を各国が認知、積極的に魔術士の育成をするよう今日まで続いてきたようだ。世界各国にスカウトする人がいるらしく、有望な魔術士を見つけるとすぐに誘いここへ連れてくるのだとか。もちろん強制ではない。


 この湖の周りは非常にステータス上げがしやすいようだった。ただし序盤中盤特化なので強くなるとここでは物足りなくなるようだ。


 カイネ、リラオガ、リアル、風魔法の使い手はここの出身者だとか。もはや教えることはないとして、残るかさらなる修行かどちらかを選ぶ際に、彼らはさらなる強さを求めここを去ったそうだ。


 各国への牽制、これは今回のように王の乱心、スクアのように国の崩壊などの時に、平常に戻すために動くというもの。簡単に言えば、おかしなやつが上に立たないよう見張っているってところか。その場合ここ出身の魔術士に要請、色々動いて貰ったりするようだ。

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