64 船旅
アルベル王とはまた後で会うことに、神器の件を伝えないとな。
「今宵はこのあたりで」
マルーチが締め、晩餐会は終わる。
翌日、アルベル王と会う。壊れた神器を見せた。口を大きく開け、今にも目玉が飛び出しそうになる。本当にすみません。
ミアの件も説明した。
「了解した。どちらの件もサイゴがそれよりも強い武器を持っているわけだから問題はない。絶対に神器でないと勝てないというわけではないからな。ちょっと強い武器防具ってだけだから。しっかし、サイゴと居ると退屈しないな」
苦笑いをするアルベル王。それから仕事を1つ頼まれてしまった。その2つの国へ顔を出してくれとの話だった。優勝者は毎回王たちに挨拶をするのが習わしだという。これは受けることにした。それからここからならそんなにかからないだろうとの話を聞いた。
その勲章を見せれば国の関係者に見せれば大体話しがつくはずだとのこと。身分証明みたいなものか、無くさないようにしないと。
その後の話も。王への挨拶が終わったら、戦うことになるかはわからないが魔神、魔王のことを考えてできるだけ鍛えておくようにと言われる。俺はこれに同意した。
リクに戻り3人と合流。彼女たちに話すと「私達も」と一緒に行くことに。
世界地図を広げ北西側にある縦に細長い大陸に指をさす。この大陸には国が2つ、北側がセサミー、南側がタラテメン。まずは近い方、南側のタラテメンへ。
ここから港町が近く、海路で見てもそんなに距離はなさそうだった。
その後はセサミーへ。セサミーの王都は南側にある。アルベル王の言うとおり、2国訪問はそんなに時間はかからなそうだ。
俺たちはタラテメンへ行くため、各国へ船が出ている港町ギャシーに向かう。
「見えてきた、あそこから船で移動ね」
街に入り馬車から降りる。
ここでは今までなかった海の香が。そして魚介類を焼く香ばしい匂いも。とりあえず本能のまま動く俺たち。魚に貝にワカメのようなものに。目に入るものは買って食べる。
うまい。ここまでまともな海の幸料理は食べられなかった。出たとしてもとてもしょっぱい塩漬けの魚くらいだった。今まで内陸部に居たからだ。当たり前の話だが運んでいる間に腐ってしまうからね。現代の冷蔵技術、運搬技術って凄いんだなーと改めて思い知らせれる。
買い食いを続け、満腹になったところで宿を探す。
宿を取り観光を。海側には沢山の船。街は海を囲むようにつくられていた。
しばらく散策していると夕刻時に。小高くなっている場所にある店に入りそこでお酒を。そこから見える景色は最高だった。夕日に染まる街や海。とても幻想的でお酒が非常に進んだ。
5日ほど観光を楽しんだところで、そろそろ出発しようと船乗り場へ。
「タラテメン行きはと。明日はどこの船も満員ですね。明後日からなら乗れますよ」
明後日の朝に乗れる船で契約。のんびり過ごし、船に乗る日に。契約した船に乗る。予定通りに出港。この世界へ来て船旅は初めてだな。
「おもーかぁじ」
操舵輪を握りまわしている人を見かける。ん、面舵は右側へ移動だったかな。そして彼のからだも右側に反っていた。
ああ、いるいる。特にレースゲームなんかをしている時、車と一緒に身体も曲がってしまう人。そんな人を見ると心優しい気持ちになれるのはここでも同じだな。
「島が見えてきた。我々の国、タラテメンの国だ」
タラテメン国の港町に到着。宿を取り、ギルドに行ってこのあたりの地図を入手。王がいる場所は王都グランスモ、か。
馬車に乗り王都グランスモへ。しばらく馬車に揺られ到着。
街に入るとあちこちで金属を叩く音が。
「タラテメンは世界1と言っていいほど鍛冶が盛んな国なんだ。更にこの王都グランスモにもなると世界から優秀な鍛冶屋や鍛冶向きの亜人が来たりとこの国1の鍛冶場、になるかな」
この国の周りには非常に鉱山が豊富にあるからおかげで発展してきたという。
サイゴになり城へと行く。城前の門には門兵が2人。門兵の1人に話しかけた。
「ここはタラテメン王、アクエルヌ様が住まうお城だ」
勲章を見せる。門兵は首を傾げ少し考えると、思い出したようにぽんと手を叩く。
どうやらこの勲章の意味をなかなか思い出せなかったようだ。10年に1度なら仕方がないだろう。
城の中にはいり、客室へと通される。少し待つと兵士がこちらへ。
「アクエルヌ王がお会いになるそうです」
王座の間へ。王の前で片膝をつき頭を下げる。
「儂がタラテメンの王アクエルヌだ」
王と話しを。本当は行きたかったがまあ聞いての通りの事情でやめた、と。




