63 海の王と山の王
国境を超え、予定通りニドウの王都リブラザーへ向かう。長い馬車旅を経て王都リブラザーに到着。
なんとこの街、セブンエデンよりもさらに大きい。その規模2倍はあるだろうか。
「初めてここへ来た人は皆口を揃えてそういうね、「でかい」と」
宿屋の大将から聞いた話では、エニス国以外は海を使うが直接行き来出来るため、貿易が盛んなんだそうだ。その資産は世界1、との話。そして街の規模も世界1。この街を見ると納得できる。
世界とつながっているためか街の店でも見たこともないような珍しいものがたくさんあった。こうしてしばらく観光した後、そろそろ約束の日になるためサイゴになり城へ。
「サイゴ様ですね。お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
城の中へ通される。それにしてもすごい数の兵士たちが動きまわっている。5カ国の王がここへ集結しているわけだから当然といえば当然だが。「ここでお待ち下さい」と個室で待つことに。部屋の中は高価そうな物品だらけ。本当に儲けているんだなー。
しばらく待っていると先程の兵士が。
「王たちが会いたがっているようです。お会いしますか?」
そう言われたら行くしかないな。「いく」と伝え、また兵士の後ろをついて歩く。
水棲系、魚人系の亜人たちが多数いる区画に到着。城の中だが水が流れており、この辺はひんやりしている。
そして1つの部屋の中にはいる。奥の方に王らしき人物が、王座に座ってこちらの様子を伺っていた。
「おぉ、お前がチャンピオンファイト優勝者サイゴか。こちらへ」
むむ、彼は。いやこの方は。サメをベースに、そこに手足が生えているような形状の亜人か。
サメ。海の王者という言葉がこれほど当てはまる生物は他に居ないだろう。見た目も最強、口の中を見た者たちは思わず絶叫するだろう。しかしかわいい。彼ら――。
「どうした? サイゴとやら(何だか奇妙な気配を感じた。前回優勝者もそうだった、強者は得体のしれない力を持っているのだろうか)」
「いえ。なんでもありません」
おおっといけない。サメがちょっとだけ好きで、サメの話になると時間を忘れて妄想、語ってしまうくせを持っているんだった。しかも今回は実物にファンタジー要素が加わったサメではあるが人語を話す。心躍らずにはいられなかったようだ。気をつけねば。
彼の前で片膝をつき頭を下げ挨拶を。
「顔を上げてくれ。俺はダイム国の王、アロだ。顔を上げてくれ」
世界地図で北東に位置する国。群島が多く、様々な水棲系の亜人が住んでいるとのこと。海の幸がうまく、景色が非常に良い国だそうだ。暇なときにでも来てくれとアロ王。
「あー、人間さんだー」
「これ、客に対して失礼な振る舞いをしてはならん」
「ごめんなさいー」
小さなサメ人の子供が。どうやら王子のようだ。更に王の近くに3人ほど居る。カワイイ。1人欲しい。
話をして挨拶後、次の王へ。
今度は高い塔を登る。ようやくたどり着いた頂上には翼が生えた亜人たちが。部屋も改良されているようでここから飛び立つことも可能のようだった。王の前に行き片膝を付き挨拶を。
「私はカコン国国王、アーサ。よく来たなサイゴよ、噂はかねがね」
ダイム国の北にある国で、山だらけなため飛べる亜人だらけになったとか。
アーサ王と軽く話をして、今度はニドウ国国王マルーチと会話を。
話が終わり先程の部屋に通された。
「3日後、王たちとともに会議に参加していただきます。会議と言っても各国の現状報告くらいです。サイゴ様は居ていただくだけで」
3日後、王たちと会議。スクア国崩壊以外は特に大きな話はないようだった。
その後は大広間でチャンピオンファイト優勝の勲章の授与式が。
「後は今夜晩餐会に出席していただきます。それまではここでごゆるりとお過ごしください」
晩餐会に出席。警備が一段と厳重に。
「よくぞ集まってくれた、各国の王よ。今後さらなる発展を願い、乾杯としよう」
マルーチ王の挨拶で晩餐会が始まる。
宝石、金銀を散りばめた豪華な晩餐会会場。なんとも高そうな美術品、絵画、小物も高そうなものばかり。貧乏性だからだろうか、ちょっと目眩がする。
「どうしたサイゴ。もっと強そうに振る舞ってくれ」
とはアルベル王。
そういえば他の2国はと聞いたところ、いつもならこちらに来るんだが、不穏な影があるから今回はやめておくとの話になったそうだ。
王が揃ってもし皆死んだら大変なことになると。そうだな、ルアンのような得体のしれないやつが他にも居る可能性はあるし慎重に、か。




