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イーダは人間の精気を食料とする、古代から生き延びている魔王。部下たちも精気を食料とする。現在のコウモリが本体。このコウモリの生命活動が停止した場合は他の魔王と同じ様に像になるようだ。
今回は俺の力試しをするために、闘技場に居る人間の精気を吸い取った。命に別状はなく、放っておいても半日も経てば全快するだろうとのこと。
元々魔王は8人いた。彼女が裏切り魔王は7人に。この国が保管している像はまた別にある。
記録として残っているものは魔王は7人と記載されている。こうしたのは人間が彼女に危害を加えないための処置であったという。いくら仲間だとはいえ魔王の名前だけでも脅威だからな。しかもその魔王がまだ生き残っているわけだから。
そのため国家機密の中でも更に機密事項とされ、彼女の正体を知っている人は指折り数えるくらいだという。
彼女が魔神を裏切った理由は、食事の問題が3分の1、陰湿な魔神、魔王たちが気に入らないが3分の1、勇者ああああああを気に入ったが3分の1。
当時人が減り続け、自分たちの食料が目に見えて減っていったという。そして人間の扱い。陽気な彼女らからして見ていて腹が立つようなことをしていたようだ。
「勇者ああああああはどんな人だった?」
「不思議なやつでの。殺しても殺しても復活してまた私の前に来た。戦いを重ねるうちに気に入っての。はぁ、やつほどの男はなかなか現れないのぉ」
おおっと、これは。個人的に、ですかね。敵だが恋に落ちる、嫌いじゃないシチュエーションだ。俺の妄想だけど。
「さてと、次は剣だが」
イーダの話では今まで神器が壊れた、なんて話は聞いたことがなかったそうだ。これに関してはアルベル王のほうが詳しいだろうということでこの件はここで終い。
魔神は強すぎて封印するのがやっとだったという。その際に勇者ああああああは命を落としたようだ。
「お前ならもしかして、いや、それでも可能性は低いか」
余程魔神は強いようだ。
これからしばらくイーダは隠れ暮らすという。今回の大暴れは予定外で、アルベル王たちからお仕置きを食らう可能性があるからだそうだ。
そりゃ数万人を行動不能にしたらね。
「それではさらばだ!」
ピンク色のコウモリは山の方へと飛んでいった。
闘技場に戻る。大分倒れている人の回収はすんでいるようだった。これからどうしようかと周りを見渡しているとサマトリ王子の使いと名乗る人から声をかけられた。
「ゆっくりお休みいただき、明日もう1度優勝のお祝いを。このままでは締まりませんしね」
国が用意した宿泊施設で1泊。翌日の朝、闘技場へ。勝ち残り上位陣も闘技場に来ていた。
閉会式が始まる。闘技場の中心にサマトリ王子が立った。昨日は催し物をやろうとして少々失敗した等、苦しい説明をしているサマトリ王子。数万人倒れているからね。彼の血管が力強く脈動しているのが見えた。ふむ、イーダさん、ほとぼりが冷めるまで隠れるのは正解かも。
名を呼ばれサマトリ王子の近くへ。
「大陸1はサイゴだー!!」
俺の腕を持ち上げ勝利を称えるサマトリ王子。そして凄まじい歓声が。色々あったが正直嬉しい。俺も男の子だからな。
サマトリ王子が10年後のチャンピオンファイト開催を約束し、激しい歓声と曲とともにチャンピオンファイトは閉会した。
その日は参加者の上位者が城に呼ばれ晩餐会が。そろそろアルベル王に神器の件を伝えないと思い、サマトリ王子にアルベル王に話があると伝えた。だが、アルベル王は今居ないという。
「ニドウに北東の国から王が2人、来るんだ。兄さんはそれに参加するためにもう出発したわけさ」
あらら。タイミングが悪かったな。サマトリ王子もそれに参加、それから俺も強制的に参加することになっているようだ。
なんでも恒例行事で、チャンピオンファイト優勝者もその王たちの会議に参加しなくてはならないとか。まあ、アルベル王に用事があるし丁度いいか。世界に関わる大事な用だからね。
好成績を残した戦士たちよ、今後の活躍も期待しているぞ、とサマトリ王子の挨拶で晩餐会は終了。俺たちは城から出ていった。
「来たか。シード、カイネ、リラオガ。済まなかったな、3人とも神器を持っているくらいだからわざと負けるのは辛かったろう」
「カッカッカ、仕方ねーさ、サマトリ王子。ただ暴れたりないのは確かにあるな。そうさな、今度世界大会でも開いちゃくれねーか」
「はっはっは、面白そうだ、考えておくよ。うむ、闇で動く者たちに我々の戦力を見せたくなかったんでね。では予定通り君たちにはさらなる力をつけてもらう。この国特別の狩場を提供しよう」




