47 大樹で修行
その足で精霊の館へ。館の主メンチョに大樹で狩りをしたいと話す。彼女は料金が書かれたボードを我々に見せた。
食料の輸送をしてくれるサービス、これは持ち込みの非常食ではなく新鮮な食材を常に供給してくれるそうだ。更に食料を買いに戻らなくてもずっと狩りを続けられる。もちろんその分かなり取られる。
それから寝る場所の提供。テントより寝心地の良い眠りをあなたへ。
食材、食料供給、寝場所の提供、両方契約することにした。ずっと狩り続けられるのは大きい。寝場所もテントに慣れているから別にいいのだがせっかくだからということで頼むことに。どんな物か気にはなるしね。
それを4人分。1年いても余裕でお金が余る計算だ。全財産の10分の1を使うくらいかな。国から出た大金が大きいな。
途中で合流しても大丈夫と聞き、契約。とりあえず3人分で。
精霊が馬代わりの精霊馬車に乗り、大樹へ向かう。森に囲まれた街道を走っていくと途中道がなくなっていて、進めない。
「お仕事ごくろうさん」
メンチョがそう言うと木々が動き出した。正体は精霊だった。いくつかの場所でそのやり取りを。途中道が別れていたりした。これは迷路だな、俺1人ならたどり着けない自信がある。
精霊馬車はさらに奥へ。同じように道がなくなっているところで精霊馬車が止まる。
「精霊よ、大樹への道を指し示せ」
『グルゥォーゥ』
メンチョさんが森に向かって話しかけると獣だが優しい声が聞こえてきた。そして前方に半円状の光が。さあいくよと精霊馬車に声をかけるメンチョさん。
精霊馬車で光の中へ入っていく。そしてそこには超巨大な木が。
「到着だよ。これが精霊の大樹だ。どうだ大きいだろう」
メンチョさんの言う通りとにかくデカイ。でもそうか、雲まで伸びているのなら根本はこのくらい太くなるのかも。
大樹の近くにある建物から1人の女性が出てきてこちらへ。
「はじめまして、わたしは大樹を守る会会長のオキノです」
「彼らはここで狩りをしたいと」
「ふむふむ、実力は?」
女性2人は1人でエルダードラゴンを倒せる、と伝える。
「わかりました。そうなると最上層ね」
敵の強さによっていくつかに分けられており、上の層ほど敵が強いのだとか。上の敵が強いのは味が良い新しい若葉が上の方が多く、それを取り合い強い魔物がそれを独占するからだという。
最上層はオーガドラゴンクラス、更にその上の魔物も居るようだ。
緊急用の発煙筒をもらい、大樹を登っていく俺たち。枝がたくさんあり、階段のようになっていたりするため簡単に昇ることが出来る。大きな葉を杖で叩いてみる、金属音がする。変わった樹木だ。
各層に担当者が居るようでその人に話してアドバイスを貰いながら上へと登っていく。途中魔物とも遭遇する。昆虫系の魔物が多いかな。獣系もたくさんいるけど。それから食べ物が美味しい。酒、肉、山のものと、海のもの以外は一通り持ってきてくれる。
そして寝る場所。これが最高だった。厚くてとても柔らかい葉、その中に水が含まれており、ウォーターベッドのようなものになっていた。ここだけに自生する水葉の木というものらしい。木に木が生えているのか。いや、これだけのスケールならそのくらいあっても不思議ではないな。
登り続けて3日、ようやく最上層に。そこには1人の女の子が。
「ハッハー大変だったでしょう。お疲れ様、ここが最上層だよ。私はライム、よろしくね」
狩場の説明を受け、今日のところは終了。かなり高いところまで登ってきた。景色を見るのにお勧めの場所があるとのことでそちらへ。正に絶景。大陸が一望できた。そして星もまた美しい。ここで食べる食事は最高に身にしみた。
1泊して狩りを開始。「レインボーワーム」、「フェアリーウッド」とオーガクラスの魔物が多数。更に強力な魔物は大きく黒い実のようになっている中に封じ込めてあるという。
「強すぎる魔物が出た場合、要はコイツラより1段上の魔物だね、その魔物は粘着の実の中に封じ込めてしまうんだ」
実演してくれた。強い魔物がこちらへ。実の先端を魔物に向けて切る。すると高速で先端が飛んでいく。その先端を捕食する魔物。その実の後ろに粘着物質が大量にくっついていて、魔物がそれを浴び徐々に動けなくなっていく。そして実本体を魔物にかぶせ封じ込め完成。粘着物質には、魔物を麻痺させたり眠らせたりする物質が含まれているとのこと。これを放っておくと枝が実を再度持ち上げ、実が成っているように見えるようになるという。
ただ、これくらいでは魔物は死なないため、たまに駆除が必要になる。




