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 しばらく談笑後、ブルウ王子が立ち上がり、水浴びしてくるからこっちに来るなよ、と言われる。いってらっしゃいと手をふる俺。それにしてもきれいな水だな。近くで湧いているのだろうか。


「キャッ」


 ブルウ王子の行った先から女の子の声が。もしかして他にお客さんがいてハプニングエロスにでも出くわしたかな。ここは水が綺麗で魚もいる、バーベキューするには最高の場所だろう、そんな場所を放っておくわけもないよな。


 まてよ? となると女の子は裸。くっ、行かなくちゃ! 裸を見たいのではなく2人とも裸で困っているかもしれないから!

 服を渡すために全力で駆けつける俺。

 そこには女の子が1人、しかも裸で。


「なんて速さで! く、来るなって言ったろ!」


 モロに見ました! 僥倖僥倖! ヒョーー!

 流石にずっと見ているわけにはいかないので背を向け彼女に話す。


「お召し物にお困りでしたら適当なものを用意しますよ」

「……いい」


 後ろで女の子が湖から上がる音がした。ところでブルウ王子はどこに行ったのだろう。近くには森がある。そこへ逃げていったのかな。


「み、見たのか、全部」


 女の子がこちらに話しかけてきた。ふむ、誤魔化しようがない。しばらく見ていたからな。ここは正直に答えよう。


「申し訳ないけど全部見えた」

「そうか。それならば仕方がない。不慮の事故ではあるからな、サイゴ」


 あれ、俺の名前を知っている? んー? そういえばあの女の子の顔、どこかで。

 あーー!!


「僕が女だということは秘密にしておいてくれよ」

「さっきの声は」

「僕だ、水が思ったより冷たくてね」


 先程の場所へ戻り、俺たちは魚をとって食事を。食後、彼女が何故男装をしているのかを教えてくれた。


 昔のエニス王がある悪者を倒した時、「生まれた女児は死ぬ呪い」をかけられてしまった。最初は冗談だと思っていたが、後に生まれた3人の王女全員が全員原因不明の病で死亡。次の世代、その次の世代でも王女は死んでしまう。解呪の方法を探したがみつからなかった。


 事態を重く見た王は、色々試した末に生き残ることが出来る2つの方法を見つける。1つは野にはなってしまう方法。つまり王女ではなく一般人にしてしまえば死ぬことはない。もう1つは「男装」をして王子となっていれば死なないという方法。

 中には男装、中身は「女」で王になった者もいるとのこと。女しか生まれなかったため仕方がなかったとはいえその時は本当に大変だったようだ。


 現エニスの王は後者を選んだ。しかしそろそろ王族から離れようとしているブルウ。サマトリがエニスの王となったくらいで王族を離れ1人で生きていくことを考えていた。2人の王子はそれを理解したうえで節介を焼いていたのだった。

 中身が女だから色々ややこしい、いつまでも王子でいる訳にはいかないってのもあるようだ。


「永遠の別れってわけではないけど少しさみしいかな」


 王女の気遣いに王子の愛か。やれやれ、俺はこういう話には弱いのよ。

 特にゲームで。ドラマやアニメなんかだとそんなにこないんだけど、ゲームでは涙腺が破壊されてしまう。

 それだけ感情移入しているってことだろうか。

 仮面を取りブルウ王子に話しかける。


「良かったら俺と一緒に旅をしないか?」

「ふふ、いいよ」


 ブルウ王子には俺の正体を明かし、一通り話を。


「なるほどね。はは、なんか僕に似てるね」


 素性を隠してきたことかな。生まれたときから隠し続けてきた彼女には敵わないけど。

 それからアルベル王子にも俺の正体を明かす必要があるかな。どんなに変装していても彼女を見れば兄弟だから誰かはわかってしまうだろう。そうなると俺の正体もわかるわけだ。


 曲者ではあるが結局俺を悪いようにはしなかったからな。リクの存在が知られても問題ないか。

 その後王子に会い、正体を明かした。


 それから3日後、ブルウ王子とギルドで会う約束をしていた。「ほほぉ、腕が立つと」とイリスが早速食いついてきた。もちろんミアも。


「おまたせ。ハハ、準備に手間取ってね」


 女の子の声が聞こえた。隣の冒険者に向けてかな。


「おいおい、無視しないでくれよ」


 ん? あ、こっちにむかって話を。誰? あーー! 王子か!


 女は化けると言うが、これでは別人だ。ブルウ王子の面影はない。そのほうが都合は良いけれども。

 それから装備も一新したようだ。袴に似た下装備、レザーアーマーに鉄板を散りばめ和風に仕上がっている上装備。


「名前はどうしよう」

「女になったときはこの名前と決めていた名前があるんだ。「ルモナ」。ルモナと呼んでくれ」

「ルモナか。良い名だ」

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