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27 強くなりました

 あれから1年。俺たちは最高ランクのS-1まで上がっていた。

 そして現在監獄、ミアが「エルダードラゴン」と向かい合っている。相手はドラゴンより1段上の強さを持っている。

 対するミアは装備を一新、スキルもいくつか覚えた。現在装備中の武器防具は「巨人金」という黒鋼の、これまた1段上の金属で作られている。

 エルダードラゴンが炎を吐く。ミアはバフスキルを使用しながら炎をかわした。そしてバフを一通りかけ終わったところで相手に近づき、攻撃スキルを放った。


「フレアウイング」


 拳が当たった瞬間、彼女の前腕から炎で作られた翼のようなものが浮かび上がり、それが羽ばたいたように見えた。と同時にドラゴンは爆発、炎上。拳を殴りつける技ではなく、炎の闘気を拳から放出する技かな? ミアはエルダードラゴンを一撃で倒した。


「バフ全込、スキルポイントをかなり使っだけど、エルダーを1撃で倒せるようになったわ!」


 イリスも1撃ではないが、1人でエルダードラゴンを倒せるほどの強さになった。2人ともかなり成長した。つい最近彼女たちのステータスを見せてもらった。2人ともギマさんを超えている。ということはこの国で10指に入るくらい強いのかも? 2人とも他国の人間のようだけど。


 イリスも巨人金装備、いくつかスキルを覚えた。

 俺はパトマに作ってもらった杖を装備、スキルは3つ覚えた。相手の運を落とす「ラックフォール」、必中、落とす量は魔力依存。霧がかかったように見えにくくする「ミストアイ」、命中魔力依存、かなり見づらくなる。相手の回復を妨害する「ヒールジャミング」、命中魔力依存、回復アイテム、スキルを使用してもHPを回復できなくなる。


 次に自由フィールドに出て狩りをおこなった。一応俺の力試しのために。何匹か魔物を倒したところでエルダードラゴンが現れた。しかも群れで、8匹はいるかな。手を貸そうかと言われるが、いけそうだったので断った。

 

 さあ出番だ。杖に魔力を通すと、ハンマー部、支柱に透明な膜がはる。杖の石づきあたりを両手で持って、エルダードラゴンに攻撃を。攻撃した頭部は破裂、お次のエルダーは心臓あたりを吹き飛ばす。

 炎を避けたり噛みつきをかわしたりしていると、空からドラゴンが爪で攻撃を仕掛けってきた。これを杖で防御、膜が傷ついた。一旦後方へ下がり、膜を一度解除、そして貼り直す。そうするとあら不思議、まっさらきれいな膜がもう一度。

 こうして次々とエルダードラゴンを倒していく。そして逃げようとする最後の一匹の頭部を破壊。エルダードラゴンは全滅した。


 非常に便利な武器だ。膜に傷ついても貼り直せば元通り。金属部分が壊れると膜が貼れなくなってしまうようだが。うまく使いたいね。


「相変わらず凄いわね。それにまさか、まだ成長期だったとはね」

「ステは高いけどナッツで上がった分は別勘定だったようでね」

「低レベル装備はステ隠しの一環だと思っていたが、実際装備できなかったわけだ」

「そゆこと。とはいっても俺は魔術士。力はそんなに上がっていないがな」


 自由フィールドから引きあげ、3人で晩御飯を食べることに。

 店員さんにいつものやつ? と聞かれる。もうここに1年以上居るからね、いくつかのお店の常連になった。


「そろそろかな」

「そうだな。周りの人たちも運が悪くなければバトルタウンで1位を取れるだろうと言っていたな」


 色んな人から話を聞いた所、俺達がバトルタウンへ行ったときは、非常にタイミングが悪い次期だったということがわかった。シードが長いこと1位に居たため、後がつかえてしまっていたらしい。まあ、本人には悪気はないし、ルール上全く問題ないからそこは仕方がないと思うけど。


 そんな訳で、現在は強い人は早くに卒業するから、すぐに1位が入れ替わる状況が続いているようだ。

 最近1位を取っている人の強さは、ドラゴンを1人で狩れるくらいの強さ、という情報が入っている。1人でエルダードラゴンを倒せる2人なら余裕を持って1位を取れるのではないだろうか。


 それから2人では行かず、1人ずつ行くことにした。これはもちろん1位の取り合いを避けるためだ。


「じゃあ私が先に行くわ。えーと、ここから20日かかるとして、その他諸々を入れて最速で70日ってところね。50~60日経ったらアクリミガに来て」

「その間は私と2人旅だな、リク。そうだな私の一族が住んでいるところにでも。里帰りも兼ねて」

「へぇ、イリスの故郷か。行こう」


 ここから出る手続きを終えて、出発前日の夜。お酒を飲んでいるとS-1で狩りをしていた人たちに声をかけられた。


「嬢ちゃんたち、ここ、辞めちゃうんだって?」

「ええ」

「そうか、寂しくなるな。元気で出やれよ」


 俺たちに軽く手を振り、彼らは空いている席に座った。


(才能あるものが数年がかりで何とか卒業といった場所、なのだが彼女たちは1年か)

(大体のやつはA、Bくらいが限界なんだがな)

(それどころかエルダーを1人で倒せるらしい。まだまだ強くなりそうだ。彼女たちは今後、名を馳せるかもな)

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