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25 鎧の美学

 気になっていた情報が手に入る。ドラゴンに襲われたエステンの街のお話。あれから魔物たちはおとなしく、街の周辺は平和らしいが、隣国の1つの街が同じ様に襲われ、壊滅してしまったらしい。現在はドラゴンを退治し復興中とのこと。

 結局どうしてドラゴンが現れたのかは未だにわからないとか。


 サイゴに変装をしてチャンピオンファイトの件を聞きに闘技場へ。ここでは人対人の対戦をおこなっているようだった。お、団体戦もあるな。

 受付へ行き教えてもらった。2年後に王の気分次第でどんな対戦になるかはわからないというお話だった。


 用事を済ませ2人と合流。


「エルフの村?」

「そうだ。特殊な防具の製作者がそこにいるらしいんだ」

「面白そうね、行こうか」


 モンスターラインへ行く前にエルフの村へ行くことに。

 王都から出て3日、小さな村に到着。エルフの村は此処から先にあり、エルフ以外は入れない。そのため客用、交渉用として作られた村のようだ。


 村に入ってからエルフを何人か見た。この村にも結構居るようだ。

 村の人に「御用所」という場所でエルフと交渉できるということを聞き早速そこへ。


「いらっしゃいませ。鍛冶屋のパトマ様ですか。エルフの村ではなく、この村の外れに住んでいますね」


 この村なら面倒がなさそうで良かった。

 情報を聞き街の外れの一軒家へ。店に入ると若そうな女エルフがそこに。女性というのは以外だった。


「この鎧か。好きな男性を落とすために艶やかな鎧を作って、と要望があってね。それから「コレは戦闘用だから!」って言いたいから実戦で使えるように、そんなこんなでこの鎧が出来上がったのさ。女の子としては落とすためというより、たまたまこの装備だったというところを演出したかったわけだね」


 なるほどね、男性向けというよりも女性の応援のために作られた鎧だったのか。

 店の中には様々なアイテムが。局部鎧だけじゃないようだな。そこで1つ思いつく、コレを武器に出来ないかと。答えは可能。ただ強力な武器にはならないらしい。強さで言うと、ブルーストラタムから黒鋼の間くらいだとか。それでも十分強いため1本作ってもらうことに。普通の魔術士とは使い方が違うため特注で。


 だが、ここで1つ問題が。渡せるのは半年後。予定が詰まっていて、どうしても遅くなるようだ。制作自体は3日もあれば出来上がるらしいが。

 ふむ、かなり人気の鍛冶屋さんのようだからな。そこは仕方がないか。それでも一応早く作れないか、交渉をする俺。


「俺ならこの鎧を更に強化することが出来る」

「なんだって?」


 ここで作られている局部鎧は胸と股間を大きく覆っているだけの鎧。そうまだまだ改良の余地は残されていたのだ。

 まずは横乳、基本ですね。そして下乳、良いものですね。

 絵心なし、デザイン力も当然なしの俺だが、その情熱でなんとか彼女に伝わったようだった。


「これはこれは。まだ先があったのか」


 感心しているパトマ。そう、いつの時代も大切なのは情熱、俺はそう思うんですよ。

 アイデア料として明日から杖を作ってもらえることになった。交渉は大成功だ。4日後にまた訪れる約束をして店から出た。

 その間は観光。近くに森、湖があり、そこで採れた魚と果物が美味しかった。エルフの村に行けないのは少々残念だがこの村にもエルフはいるし充分ではあった。

 杖の受け取りの日、パトマの店へ。


「はいよ、インビジブルロッド。注文通り、先端がハンマーのようになっていて、そのすぐ下と杖の石づき部は握れるようになっている。支柱とハンマー部に魔力膜が。こう言っちゃなんだが、変な杖だな」


 ハンマー部は攻撃用、支柱の魔力膜で攻撃を受ける。魔力、SPを大量に食うが俺なら余りまくっているので常に魔力を通しても1日くらい持ちそうだ。良い買い物をした。しかし弱点が。装備ができなかった。まあこれからステ上げ、修行するから装備できるようにはなるだろう。


「ふふ、それからこんなデザインを考えたのだが」


 嬉々として俺に鎧のデザインを見せるパトマ。そこに描かれていたのはいわゆる「マイクロビキニアーマー」、それを更に発展させ、ほぼ紐だけのものだった。


「これではいけない」

「なぜ!?」

「局部鎧は下着からの発想だよね」

「そうだけど」

「海川に入ったり泳いだりするときは下着さ。その格好を外で見かけることはある、水場の近くはね。つまり外でもその格好の場合があるわけだ。ではほぼ裸のこの鎧はどうだろう」

「どうって……、ハッ!」


 どうやら気がついたようだ。この鎧はほぼ裸。そして裸で外をうろつく女性はいない。主に外で使う戦闘用として、認めるわけにはいかなかった。

 気落ちし落胆するパトマ。俺はそんな未来の巨匠の肩を叩き、笑顔でうなずき心から励ました。

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