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19 強者たち2

 闘技場から出ると何者かに声をかけられた。


「ナンバー10、サイゴ様ですね。私はこういう者でして」


 ある貴族の使いで、そこで護衛をやらないかという話だった。最近この手の話が増えてきた。なかにはこういった「勧誘」が目的でここで名前を売る人もいるようだ。2刀流のナキもそうなのかな。

 俺は全部断っている。もし、仕事を受けてしまうと契約にもよるが大体は年単位でそこから出られなくなってしまうと聞いた。今のところ特に目的がないとはいえ、身動きが取れなくなるのはよろしくないからな。お給料は目眩がするほど良いから毎回少々考えてしまうけど。

 今回も断った。残念そうな顔をして去る使いの人。


 そろそろお昼、昼食を取ろうと街をぶらつき店を探していると魔物を連れている人を見かける。街で魔物? と思ったがよく見ると精霊でその精霊を連れて歩いているのがナンバー6、精霊使いのゴクイだった。彼は弓を装備、精霊は3体召喚している。戦うとなると4対1になるのかな。、精霊1体1体はそこまで強いわけではないから認められているという話を情報屋から聞いている。とはいえ基本1対1のこの街で1人だけ4体なのだからそれだけでも特殊で有利なのではないか。


 それにしても1匹の精霊が大きな猫にしか見えない。かわいい。だけど奴らは凶暴、ゲーマーにとっては強敵。PCゲーをしているとマウスに絡みついたり、キーボに乗ったりしてくる。昔はゲーム機リセット、電源落とし、CDトレイ開放等、とてつもない猛獣だったと聞く。でもかわいいから許される。


 少し後をつけてみたが戦いが起こりそうになかったので、諦めて昼食を取ることにした。


 昼食を。前から聞いていた料理の種類が1つしか無いけどとても美味しいと噂のお店へ。

 注文し店の中を見ていると、ナンバー5、かぶき鳥人族のパラスがお店にいることに気がついた。

 見た瞬間にわかるほど彼は特徴的だった。頭はペンギン、身体は人。王冠のような羽、角が何本が生えている。更に服装も派手。背中から孔雀が羽を広げたようなものが飛び出している。情報屋から聞いていたがここまで派手だとは。


「お待たせしました」


 パラスのもとに料理が届く。魚の焼き物。見ただけで涎が出てしまいそうなほど、うまそうな料理だった。

 店員さんが去ろうとしたところ、隣の客が椅子から立ち上り、握った手をテーブルを叩きつけた。


「おい! 俺が先に頼んだだろう!」


 その客はどうやら後回しにされてしまい怒っているようだった。気持ちはわかるがそのくらいは許してやれよなと思った。そこまでキレながら言わなくてもねー。

 パラスが立ち上がり、料理を持ってそのお客のところへ。


「料理は同じさ。これを食べるといい。それからお代はいらんよ、俺のおごりだ」


 そう言い、その客の領収書を手に取るパラス。


「気持ちはわかるが、短気はいけねえな。楽しく食おうぜ」

「あ、ああ、済まなかった」


 席に戻りながら店員さんに目配せをするパラス。すかさず謝罪する店員さん。お客さんの心は静まっており「気をつけてね」と言っただけで済んだ。

 すげえ、お店だけじゃなくそのお客さんの心まで。この鳥さんかっけえ!


 食後、ナンバー20がパラスに挑戦する。闘技場へ移動、観戦する。

 ナンバー20は斧使い、対してパラスは杖、魔術士か。試合が始まると同時にパラスが動く。体を反らせ腹から地面に飛び込むパラス、そのまま地面を滑り始めた。腹と地面の間に氷が張っている、氷を使う魔術士のようだ。


 自在に滑りながら魔法を放つナンバー5。斧使いは全く近づけない。高機動で魔法を放つ砲台のようだ。終始余裕の試合運び、試合はナンバー5の圧勝で終わる。


 試合を見終え、今度はナンバー4がいるという公園へ。即発見、広場のど真ん中、大の字で寝転がっていた。

 ナンバー4、特殊武器使いのキーマン。ああやって挑戦がくるのを待っているらしい。

 彼が持っている武器は少々変わっている。先端は槍、斧、槌、がくっついており石づきが剣のようになっていて、それが鎖でつながっている。扱いが難しそうな武器だ。

 彼の様子を見る。挑戦者が彼に挑んだが、簡単に蹴散らした。彼もかなりの実力者と見ていいだろう。


 残りはナンバー1だけか。

 彼の居場所も聞いていた。が街に居ないため後回しにしていた。

 彼のところへ向かうことに。街の隣に延々と連ねる岩山があり、そこに自分で戦う場所を作って対戦者を待っているという。彼が作った道を歩き、その場所へ。


 街からしばらく歩くと非常に広くなっている場所に出た。こいつを1人で掘ったのか、感心しながら眺めていると奥の方から男がこちらへ。


「対戦者か?」

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