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15 賭博

 街に出ると、イリスを見かけた。


「465位イリス対、395位ラキーだ。イリス選手は前回全戦全勝の強者! 特別ルール適用で上100位まで戦えるようになりました。さあさあ、今売り出し中の新人だー! 賭けた賭けた!」


 ルールでは状況次第で変わると書いてあったな。

 戦闘はイリスの圧勝だった。見た所まだまだ勝ち続けそうだ。

 俺も戦おう、100位以内の街に戻り相手を探す。道を歩いていると向こう側から全身を鎧で身に包んだ男が。胸元には85番の数字。彼に話しかけたら了承された。審判員を呼んで戦闘準備を。賭けが終わっていよいよ戦闘が始まる。


「はじめ!」

「100番よ。一撃撃たせてやろう。そして鍛え抜かれたこの鋼の体、強力な金属「黒鋼」の前に絶望するが良い」

「あいつは鋼肉のタルラムじゃねえか。いよいよサイゴってやつの快進撃もここまでかな」


 相手は強そうな肩書を持っているようだ。しかも黒鋼はブルーストラタムの1段上の金属。かなりの強敵に違いない。

 前に戦ったナキと同じかそれ以上と考えて、それから硬さに極振りにしているとなるとそこそこ強めに叩かなくては倒せないかもしれないな。

 タルラムは叩きやすそうな位置を指し示して、「いつでもいいぞ」と言っている。ではお言葉に甘えて。

 

 杖を相手の胸元に杖を叩きつける。するとタルラムは吹っ飛び、公園の壁を突き抜け中央にある彫像へ。それにぶつかりようやく止まる。痙攣を起こし起き上がってこない、鉄仮面の下から泡が。

 審判員が止め試合終了。やりすぎたかな、加減が難しい。

 杖を持ち直そうとしたときに違和感を覚えた。見ると飴細工のように杖が曲がっていた。

 

 とりあえず杖を買いに行こう、と武器屋へ。店に入り良い武器がないか探す。しかしこの上はブルーの杖だけだった。

 道具袋になにか良いものはないかと思いつき、店から出て人気の少ないところで袋に手を突っ込み調べてみる。だが良いものは見つからなかった。

 店に戻りスチールロッドを3本購入。それから食事へと。


「賭博場ですっちまった」

「ぜってーイカサマしてるよな、あそこ」


 店の客が大きな声で愚痴をこぼしていた。賭博場か。参加者も出来るんだっけ。そうだ、賭博場の交換品になにか無いかな。

 念の為に仮面と服装を変え、隣の観光客向けの街へ。賭博場をみつけ中へ入る。ちなみに戦闘参加者は街から出ても特に問題はなし。当然、審査のときにいなければそのまま街から追い出されてしまうが。

 

 賭博場の中のアイテム交換所へ。賭博場ではお金を直接扱わず、お金で買った「コイン」を使って賭けをしていくことになる。当然コインを現金に換金することも出来る。交換所はそのコインを使いアイテムと交換する場所。

 

 周りを見渡す。非常に低ランクなアイテムばかり並んでいた。賭け戦闘がメインだからとは言えさすがにもう少し良いアイテムが有るのではないだろうか。盗難防止で奥に隠してあるのかな?

 店員さんにもっと良いものがないか聞くと、もう1つ賭博場があってそちらなら高級なアイテムがあるとの話。場所を聞いてそちらに向かう。


 見た目からして先程の場所より高級感が。ここならありそうと思いながら店の中に入ろうとしたが、店員さんに止められた。


「ここはお前みたいな貧乏人が来るところじゃねえ。帰んな」


 たしかに安っぽ服装ではあるが、なかなかにひどい言われようである。そういえば教えてもらった店員さんが意味ありげに含み笑いをしていたな。知ってて教えなかったのかも。

 俺の隣をお金持ちそうな服を着た男女2人が通り過ぎ店の扉の前へ。そしてカードを店員に見せ店の中に入っていった。

 カード? 持っているかもしれない。一旦ここから去り道具袋の中を漁る。そしてカードをみつけた。もう1度賭博場へ。店の前にいる男にカードを見せた。


「また来、……こ、これはブラックカード!? いや偽物かも。申し訳ありません、少々お時間を」


 カードを持って店の中へ。ブラックカード。ゲームでは賭博場で最高位の客が持っているカードだったな。男が戻ってくる。戻ってきた途端、とにかく平謝り。カードは本物、一応お店には入れるとのこと。ただ服装に関してはひけないようだ。郷にいっては郷に、周りに合わせることもまた必要。了承し服を買いに。

 

 服屋さんで高級そうな服を買い再度賭博場へ。今度こそいれてもらえた。

 中は貴族やお金持ちだらけ。庶民派の俺としてはなんとなく居心地が悪い。

 アイテム交換所を見つける。スチールロッドより頑丈そうな杖があった。手に取り身につける、どうやら装備可能のようだ。他のアイテムも見てみたがとりあえずは必要なアイテムはなさそうだった。コインの枚数を確認、たくさんはないが交換はできそうだ。これを交換し店から出た。


 かくして順調に順位を上げていく俺。審査を2回超え40位まで上がってきていた。


「スキルを覚えたぞ」

「勝者、サイゴ!」


 戦闘でスキルを覚えた。「ポイズンブラッド」、このスキルは必中で、時間とともに徐々にHPが減少していく。術者の魔力が高いほど減り方が速い。戦闘不能まで追い込むが殺すことはない。

 外に出て魔物に試す。毒が乗った状態でしばらく放置してみたが、死ぬことはなかった。ついでに効果時間も見ておいた。

 街に戻って対人でも使ってみた。


「ポイズンブラッド」

「毒だと? この俺にそんな低級な……もの、が……」


 話をしながら膝を付き、そのまま倒れた対戦者。実際ゲームでは使い物にならないから対戦者の気持ちもわかる。

 そろそろスキルが必要になる時が来るかもしれない、そう考えその後の対戦でもスキルを使用した。

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