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14/80

14 予想外

 それから4人ほど声をかけたがこれまた全員に断られてしまった。街は夕日に染まってきている。こんな日もあるさと今日は諦めた。明日以降がんばろう。

 一夜明け、ライバルたちの動向を伺いながら声をかけていく。今日もなかなか捕まらない。それでもライバルたちの戦闘をじっくり見ることが出来ている。準備は万端、いつでも戦える!


 そして審査の日、結果は……。

 0戦0勝0敗! 50までの人全員に勝負を持ちかけたが受けてもらえなかった。考えられる原因としては試験の結果だろうか。やりすぎたなと思うところはある。


 とりあえず朝食を。食事中に運営の人がこちらへ。この後受付までくるよう言われた。

食後受付へと向かう。建物の前に順位表が貼ってあった。順位が変わった人は運営から番号札を貰っている。手続きはこれで終わりのようだな。その後はまたいつものように戦いを。俺のように何かあった人は呼び出されるようだ。


 建物の中に入り受付へ。少し待っていてくれと言われ空いている席に座った。

 そういえば俺と同時期に入った人に街の人が頻繁に声をかけていたような。戦いを通じて友情が芽生えたとか先輩からのアドバイスとか、当時はそんなような話をしているのかなと思っていたけど。そうか、情報を得ていたのかな。それから街の人間に漏れ、戦ってもらえなくなったのかも。


 そうかー。落ちないために頑張ったんだけどそれが裏目にね。

 とはいえ仮面をつけているし、仮面、装備、髪型を変えればバレずにまた入れるのではないだろうか。ふむ、少々よろしくない方法かもしれないがそれでいこうかな。すぐ来ると勘付かれそうだから間を開けて。

 企みごとをしていると受付の人に名前を呼ばれた。はー、街を抜ける手続きかな。


「勝負を全て断られたようですね。特殊な条件をクリアしたので街を去る以外の選択肢も追加されました。100位以内の人たちに挑戦する権利が与えられます」

「おー?」


 おお、そんな抜け道のようなものが。受付の人の話だと極々まれに強すぎて相手にされない場合があり、これはその救済措置だそうだ。

 王子もこの救済措置が当てはめられたらしい。この救済措置を取ったのは今までに俺と王子ともう1人の3人だけとのこと。やはり強いんだな、王子様。


「どうしますか?」

「それでお願いします」


 当然、100位以内の人に挑戦することにした。

 それから3日後の朝、運営から連絡が入る。朝食後指定された場所へ向かった。指定された場所は前に見た100位以内の街の中にあった。


「サイゴさんですね。対戦相手の方がもうじきここへ来られると思うのでもうしばらくお待ち下さい」


 受付を済ませ近くのテーブルに付いた。内部は彫像や絵画など高級そうなものが多数置いてある。

 椅子から離れ、それらを鑑賞していると先程の受付の子に呼ばれた。彼女の隣には貴族風の服を着ている男が。


「私はナキ、よろしくおねがいします。ここで勧誘されましてね、そちらで仕事をすることに。もうじきここを引退することになっているんですよ。本当はもっと上位の人と戦いたかったのですがね。ですから最後に強そうな人と戦っておきたいなと思いまして」


 終始笑顔で話をするナキ。丁寧な言葉使いに物腰、好人物のようだ。空いているテーブルにつき3人で話をする。5日後に試合をすることになった。

 そして5日後。指定された場所に行くとすでにナキが来ていた。服装はそのまま、武器はショートソードを2本。2刀流か。審判員を呼び試合の準備を。


「特例者とはいえ運がないな、あの新人」

「化け物じみた強さって噂だが、その相手もまた化け物なんだよな。あいつは「2人目」。王子や新人と同じ特例者」

「同じ化け物なら魔術士である新人が断然不利だろう」


 観客側から同情の声が。彼も特例で上がってきた人だったのか。

 賭けが終わり審判員の号令で戦いが始まった。

 ナキがこちらににじり寄る。間合いに入った瞬間、右腕で掲げている剣を振り降ろす、と少しずらして左腕で斜めに切り上げてきた。初撃を杖で受けると2撃目を食らうと判断、後ろに飛び退く。そのすぐ後、前に出て左側から杖を振り回し攻撃。2刀で受け少し吹っ飛びながらも攻撃を受けきった。


(冗談でしょ、この世界にここまでの強者が。しかも手加減をしている。本気を出す? いや、ここで本気を出したらここまでの行動が全て台無しになってしまう。それにボスにも怒られてしまいますからね)


「やりますね」と穏やかに笑うナキ。それから数度斬合った後、「降参です」とナキが審判員を見ながら武器をしまい手を上げた。俺にもわかった、彼は本気を出していない。なにか事情があるのだろう、俺もそうだからな。


「お強いですね、また機会があればいずれ」


 お互い挨拶をする。

 観客側からは悲鳴にも似た声が。察するにほとんどの人がナキに賭けていたようだ、9割位の人がうつむき、落胆の声をこぼしている。

 あ、ミアとイリスは満面の笑みだ。これは俺に儲けたに違いない。ちなみに参加者も賭けは出来る。

 その場で別れ、俺はその足で受付へ。


「おめでとうございます。特例試験に見事合格なさいましたサイゴ様は次回審査以後、こちらの100位以内の参加者が居る街で戦うことになります。少しだけルールも変わりますのでそれをここで説明します」


 100以内では30上の相手まで戦えるとのこと。それから順位はまだ確定していないようだ。

 そして審査の日、俺は運営から「100」の番号を受け取った。

次回の投稿は20日です

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