第十五話
ーーーとある火山
その生物は紅く染まった鱗に覆われ、炎を纏っていた。
遥か昔、人がまだ争っていなかった頃、その生物は恐れられ、敬われていた。
しかしある時大きな眠りにつく。
次第にその生物は忘れられ、元のただの生物となり、また目覚める。
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「あー、退屈だ。」
俺たちは今船に揺られていた。
実は入学試験の日程がもうすぐだったのだ。
なので、学院のある中立都市シェパニドへ移動のついでに行けるような依頼を受けたのだが、船の荷卸しの依頼なので移動中はとても暇なのだ。
しかも、シュバルツは船酔いとか言ってダウンしているし、悪魔も船酔いするんだなって思ったりしたが、余りにも暇すぎる。
研究をしようにも、今は吸血鬼の研究をしているので、他人に見られると困る。
仕方ないので、船内をぶらぶらしている。
船の甲板に出ると、まばらに人がいるくらいで特に何もない。
ぼーっと見ていると、ある人物に目がつく。
その人物は制服を着て、魔術書を熱心に読んでいる女だった。
「すまない、もしかして今手に持っているその魔術書はアインスヘルン著の『架空魔術論集』では無いのか?」
「確かに、古の賢者様のものですが何か?」
女は怪訝そうにこちらを見る。
実はこの本は前世の俺が書いた本なのだ。
前世ではこういうので研究費を工面していた。
「いや、つい気になったのでな。」
「貴方ももしかして、アルバンヘルム学院の学生ですか?」
「まだだが、入るつもりではある。」
「編入生ですか、私も1年ですので、無事編入出来たら、よろしくお願いしますね。」
なるほど、まだこの本があるのなら分かるかもしれないな。
「すまないが、この本が出たのは何年前くらいなんだ?」
「えーと、確か、大戦争の起きたのが200年前だから」
彼女は可愛い顔の眉間に皺を寄せて、ぶつぶつと呟きながら考えている。
「えーと確か230年前くらいだと思います。」
なるほど、呟きの内容を聞く限り、俺が死んでから何やら大きな戦争があったらしい、それから年号が変わり…だから俺の死んだ後すぐに戦争が起きたようだな。でも、それだと戦争は数年で終わった計算になる。
戦争に何が起きたんだ?そこら辺もしっかりと調べないとな。
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