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神様の端末としてのんびりまったり縁を結びます  作者: 愚true
第2章 幼少期編
35/67

(34)  教導院(4)


「「「さようなら~」」」


お昼前になり、教導院に居た子どもたちが帰りの挨拶をして一人ひとり家へと帰っていく。彼らはこの後自宅で昼食を摂ることだろう。

以前であればヴァルトとミルカが来ていた日は、午後に街の近くの森へと採取に行くのに参加するメンバーがお弁当を持ってきて教導院に残ることもあったのだが、今日はヴァルトたちが来ると知らされていなかったこともあり、教導院に残る子どもたちは一人もいないようだった。


「なぁ、ヴァルト!ヴァルトたちは、午後はどうすんだ?

 もし予定が無いならメシ食ったら遊ぼうぜ!エミナのやつも誘ってさ!!」


そんな子どもたちが帰宅の途につく中、ヴァルトが教導院から出ていこうとしないのを見たリクがそう声をかけてくる。


「うーん、遊びたいのはやまやまなんだけど、今日はこの後、ちょっとミッシェル導師にいろいろと教えてもらいたいことがあってね。

 今週からは以前と同じように来る予定だから、ごめん、今日は無理だと思う」


「ちぇー。ま、ミッシェル導師に話があるっていうんならしょうがないか。

 けど、今週からは普通に来るっていうならいっか。じゃあ、次回は遊ぶの約束だぜ!」


ヴァルトがある目的のために導師にこれから話があるということで断りを入れると、リクは途端に残念そうにしたものの、すぐに二カッと大きな笑顔を見せて気を取り直した。そしてヴァルトに次回の約束を取り付けた後、そそそ……と近寄って小声で彼に問いかけてくる。


「な、なぁ……次回からは、あの子ももちろん一緒に来るんだよな?な??」


そう言って明るくいつも大きな声で話すのが自然なリクにしては珍しく、周囲に聞こえないようにして尋ねてくる様子にヴァルトは一瞬面食らってしまったが、そう尋ねながらチラチラと彼がティアナのことを見ているのを見て彼が誰のことを気にしているのかはすぐにわかった。


「あぁ、ティア……」


「げほんげほん!」


ヴァルトが普通に答えようとしたら、リクがなんともわざとらしい咳をして遮る。あ、小声で答えろということか、とそこでヴァルトも気が付いた。

一方でリクのわざとらしい咳でこっちの様子に気づいたティアナとミルカが「?」と疑問符を浮かべたような表情をしたのにも気が付いたので、そちらには手を振ってなんでもないと伝えておく。


「……あー、ティアナなら、うん、形式的にはウチの家でだけど、実質的には僕が保護してる形だから、ここに僕が来るときにはたいていティアナも一緒に来ると思うよ?」


ティアナとミルカが子どもたちに帰りのあいさつをされて、彼女たちの意識がそちらに向いたのを見計らってヴァルトがそうリクに伝えると、リクが小さくガッツポーズをしながら「そ、そうか!」と明るい声を挙げる。


「まぁ、たまに母様がかまってる時とかは別行動になるかと思うから、そういう時はこっちに来るのは僕だけになるけどね」


ヴァルトが念のためにそう付け加えておいたが、その声はどうもテンションがなぜか上がった様子のリクには伝わっていない気がした。

が、まぁ気にすることでもないか、とヴァルトは放置しておくことにした。


そうしてしばらくしてヴァルトとティアナ、ミルカ以外が全員帰ったのを見計らって、ヴァルトはミッシェル導師に話しかけに行くことにした。

なお、先にティアナとミルカにはミッシェル導師にこの後で話があるということを伝えてあるので、彼女たちは部屋の隅で雑談して待っていてくれることになっている。




「すみません、ミッシェル導師。時間外ではあるのですが、導師に少しお教え願いたいことがあるのですが構わないでしょうか?」


ヴァルトが近づいてそう尋ねると、子どもたちの今日の書き取りをチェックしていたミッシェル導師が穏やかな顔を上げて「ふぉふぉ、かまわんぞ」と答えてくれる。

「さて、いったい何についてじゃな」と、ヴァルトに教卓の側の椅子に座るようにと促しながらの導師の問いかけに、ヴァルトは今日、教導院へとやってきたヴァルトとしての本来の目的を口にした。


「導師にお尋ねしたいのは、この世界における神々について、のことです」



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