絵馬
アイデアが湧かない。
気分転換に散歩する。
近所の神社へお参りした。
沢山の絵馬が奉納されていた。
そういえば学校が近く、中高生の多い地域だ。
えーなになに、
「志望校合格祈願、と巻き込まれ系高校生活希望」
「高校受験で猫耳少女が貴族の馬車に轢かれそうになりますように」
「とりあえずスキル合成とアイテムボックスお願いします」
途中で回れ右してしまったけれど、一万枚程は絵馬があったように思う。
私は気分転換に散歩を続ける。
風に消えるほどわずかな声がした。
路地裏の方からである。
「くく、そんな事言って、良いんだろ?」
「良くなんてないよ」
「・・・・・・妹・・・魔王・・・・・・」
「はぅん」
「くくく、体は正直なようだ」
「はぁはぁ、もぅ、よしてよ」
「ツンデレ・エルフ」
「はぁひぃい」
「ふふ、包丁を持つピエロ」
「・・・ハァ・・・ハ、え?」
「・・・猫耳モフモフ」
「ほむぅお」
「やはり中学生男子の嬌声は良い」
「お兄さんの、いじ・・・わる」
「また今度遊んでやるよ、じゃあな」
「あ・・・・・・」
たしかあの青年は私と共に、中学生の頃、近所に住むお兄さんから「ドラグスレーブ」やら「デードリッド」やら手ほどきを受けた少年だった。いわゆる同じ釜のミルクをなめた子犬であった。
言葉は言葉を生み、イメージを膨らませ、新しく物語を盛り上げる。栗の花咲き誇る堕落の町の出来上がりって寸法だ。




