17、始祖
旨味15以下のジャンクの中から、後に一大ジャンルへと成長する芽を見つける、むしろ見出す能力と言えよう、どうやって能力を磨くのか。
プロ小説家なら与えられた仕事をこなすだけでも良いけれど、素人が遊びで小説を書く場合にはこういった先見能力をも磨く必要がある。君が、君の小説が、始祖になるのだ。
ゴミ小説群から新しい面白さを見出す為にどうするか、選別。読んで選別、書いて選別、喋ろうと思ったとき我慢して選別。だいたい三分の二を捨てていれば基準が備わる。知性、品性と言ってもいい。スランプにならない為の足腰と言ってもいい。
小説を書いた後、推敲するのは、見出す能力を磨く絶好の機会とも言えましょう。「推敲できないから全部投稿しちゃえ」「面倒臭いデバッグ作業はユーザーに丸投げでいいよね」ではいつまでも新しい芽を見る力が育ちません。私は悲しい。
三分の二を処分する内、残す基準が出来る。事によると誰も気付いていない価値基準かも知れない。豚でも、羊でも、馬でも、そして文章でも。みんなを連れては越冬できない。育てて屠殺するまでが責任だ。
海の波でも良い。石でも良い。大切なのは、コレクションする事ではなく、三分の二を捨てる基準を見出す事だ。綺麗な石を三つ手に入れても、必ずその内二つを選べるまで悩む事。汚い三つの石からマシな一つを残すよう考える事。
「会心の文章が書けたから早速投稿しよう」まぁまだ待ちたまえ、あと二つ会心の文章を書いて、比べて、その内二つを捨てなさい。いつかどこかで流用出来るかも知れないと思ってしまうのは、良し悪しの基準が曖昧だからだ。良い小説の基準を自覚しているなら、沿って再創作できるはずだから、食べ残しのパセリを次の客へ提供しようという発想は浮かばない。
振り返ったとき、あなたは群れを牽引していることに気付くだろう。




