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転生したらネズミ獣人でした。戦争帰りの仲間とロバのジョンで、今日も辺境へ物資を運びます  作者: ケロン藤野


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第1話 クソみたいな戦争が終わった

イメージと違ったので作り直しいたします。


クソみたいな戦争が終わった。


私――真白は、瓦礫の多い九州の町に立っていた。


周囲には、崩れた建物。


焼け焦げた車両。


砲撃で抉られた道路。


そこら中に残る弾痕。


つい数日前まで、ここでは殺し合いが続いていた。


1999年から2019年まで、20年続いた戦争が終わった。


降魔戦争の終了である。


真白は2年九州で戦った。


長い2年であった。


真白の記憶をたどるとこの小さいネズミは4年ほど戦場にいる。


私たち三人――茶々、黒音、そして私。


三人とも、この戦争を生き残った。


そして最後まで戦っていた。


九州に残ったディープワンの残党は、最後までしぶとかった。


南大隅町。


そして指宿市。


そこに築かれた要塞へ立て籠もった。


敵の数は、およそ三万人。


三万人。


最後まで、それだけの兵力が残っていた。


しかも、ただの魚人の集団ではなかった。


地下陣地が何重にも張り巡らされていた。


地上から攻撃すれば、地下から反撃される。


地下陣地からはウォーターカッターが飛んできた。


鋼鉄すら切り裂くような水圧の刃。


さらに電気銃。


感電させ、動きを止める武器。


そして――。


洗脳された邪神眷属直属の魔法使い。


魔力砲台。


中型邪神眷属。


それらを組み合わせた、複数の中型邪神眷属によるパンツァーカイル。


まるで巨大な装甲車列のように、邪神眷属たちが隊列を組んで突撃してくる。


何度も。


何度も。


私たちは、それを止めた。


撃った。


逃げた。


また撃った。


仲間が倒れた。


助けられる者は助けた。


助けられなかった者もいた。


そして――。


最後の要塞が陥落した。


九州に残った敵残存兵力は、一掃された。


戦争が終わった。


          ◆


私たちが所属していたのは、第301師団。


その主力となる第1連隊。


定数は――4,750名。


第2連隊も4,750名。


師団司令部が400名。


補給部隊が500名。


野戦病院のスタッフが100名。


合わせて、1万人を超える大きな師団だった。


その中で、私たちの第1連隊は4,750名がいた。


それが――。


半分近くが負傷した。


そして、戦死者は2,000名を超えた。


さらに最後の戦闘で、多くの兵士が倒れた。


終戦時。


第1連隊の前に整列できた兵士は、わずか325人だった。


「……325人」


誰かが、小さく呟いた。


4,750人いたはずなのに。


目の前にいるのは、たった325人。


残りの兵士たちは、


後方の病院。


あるいは――。


もう、この世にはいない。


第301師団司令部も、最後の敵の突撃で壊滅した。


師団長も戦死。


野戦病院にも敵が攻撃を仕掛けてきた。


補給部隊が可能な限り負傷者をトラックへ積み込み、後方


へ送り出した。


補給部隊のトラック運転手たちも、自衛用の武器を手にし


て駆けつけてくれた。


500人いた補給部隊は――。


ほとんどが帰ってこなかった。


第2連隊も壊滅。


第2連隊で生き残ったのはおよそ150人だった。


それが。


第301師団の最後だった。


そして。


私たちが今、ここに立っている。


私は隣を見る。


茶々がいた。


小柄なチワワ獣人。


泥と煤で汚れている。


黒音もいる。


黒い猫獣人。


こちらも傷だらけ。


二人とも黙っていた。


誰も話さない。


何を話していいのか、分からない。


そのとき。


遠くから車列が近づいてきた。


国旗を掲げた軍用車両。


その中央に、九州方面軍司令官が乗っていた。


司令官が降りる。


私たちの前まで歩いてくる。


第1連隊長が敬礼する。


私たちも一斉に敬礼した。


九州方面軍司令官は、整列した私たちを見渡した。


そして――。


少し驚いたような顔をした。


「……他の兵士は?」


誰も答えなかった。


生き残った大隊長が静かに答える。


「これで、立てる兵士は全部です」


司令官の顔が曇る。


「……そうか」


大隊長は続けた。


「他は、後方の病院です」


一拍。


「……あるいは、戦死しました」


司令官はしばらく黙っていた。


そして私たちを見た。


一人ずつ。


ゆっくりと。


やがて、口を開いた。


「日本政府の代表として、皆さんに挨拶します」


誰も動かない。


「皆さんの働きで、九州の敵残存兵力を一掃することができました」


「ありがとうございます」


深々と頭を下げた。


私たちは驚いた。


将官が。


私たち兵士に頭を下げている。


司令官は顔を上げる。


「皆さんには、日本政府より手厚い手当などを出させていただきます」


「長い戦いでした」


「皆さんは、十分に戦いました」


そして司令官は――。


私たち一人一人の手を取った。


「ありがとう」


握手。


次の兵士。


「ありがとう」


茶々。


「ありがとう」


黒音。


「ありがとう」


そして私。


司令官の手は、少し震えていた。


私の手も震えていた。


司令官は私の目を見た。


「諸君らが、これから幸せに生きていけることを、私は心より願っています」


「これから大変なこともあるでしょう」


「ですが――」


「皆様が、平穏無事な人生を歩めることを祈っています」


そして最後に。


「獣人兵士諸君」


「ありがとう」


司令官は、もう一度頭を下げた。


そして、私たちの前から去っていった。


          ◆


誰も喋らなかった。


しばらくして。


茶々が顔を伏せた。


肩が震えている。


「……茶々?」


返事がない。


黒音も下を向いている。


「黒音?」


黒音は、目を拭った。


「……なんでだろ」


「……」


「戦争が終わったのに」


「……うん」


私も。


気づいたら泣いていた。


涙が止まらない。


二十年。


長かった。


死んだ仲間。


帰ってこなかった仲間。


昨日まで隣にいた仲間。


みんな。


もういない。


だけど。


私たちは生きている。


生き残った。


それだけだった。


          ◆


しばらくして。


301師団で生き残った最後の一人の大隊長が私たちの前に立った。


その顔にも疲労があった。


けれど、少しだけ笑っている。


「諸君」


私たちは顔を上げる。


「さあ――」


大隊長は言った。


「旅立ちだ!」


誰も動かない。


大隊長は笑う。


「もう戦場へ行く必要はない」


「家に帰れ」


「好きなところへ行け」


「好きな仕事をしろ」


「好きなものを食べろ」


「好きな酒を飲め」


その言葉に、何人かが笑った。


生き残った301師団の将校たちが一人ずつ私たちに声をかけていく。


そして、日本政府から支給される戦争手当。


その手続きに必要な書類を渡された。


紙を受け取る。


それを見つめる。


これが――。


私たちの二十年間の戦争に対する報酬。


お金。


手当。


補償。


でも。


紙を握ったところで、死んだ仲間は戻ってこない。


それでも。


生き残った私たちは、これから生きなければならない。


大隊長が最後に言った。


「諸君」


「はい」


「今度会うときは――」



「どこかの居酒屋で、うまい酒とうまい料理を食べよう」


誰かが、


「約束ですよ!」


と叫んだ。


大隊長は笑った。


「ああ」


「約束だ」


私たちも笑った。


泣きながら。


笑った。


そして――。


一人ずつ。


戦場だった場所を離れていく。


茶々。


黒音。


そして私。


三人で並んで歩く。


瓦礫だらけの町を。


二十年間、戦い続けた場所を。


私は振り返った。


そこには、もう敵はいない。


銃声もない。


砲撃もない。


叫び声もない。


ただ、壊れた町があるだけだった。


「……終わったんだね」


茶々が言った。


黒音が答える。


「うん」


私は二人を見る。


そして前を見る。


私たちの戦争は――。


終わった。


これから何をするのか。


どこへ行くのか。


まだ決まっていない。


ただ一つだけ。


もう戦争は嫌だ。


今度は――。


普通に生きたい。


それだけだった。

余談ですが、戦争が終わる三ヶ月前に

301師団と連携していた。第35軽装甲機甲旅団、第6戦闘ドローン歩兵大隊、第520国民防衛師団、第70師団などが

いましたが、敵邪神眷属など残余2万の機動防衛攻撃で

大打撃を戦力が半壊します。

敵も、戦力の七割消耗して、日本国防軍の機甲部隊増援、砲兵連隊と戦闘ドローン歩兵4個大隊の攻撃を受けて、

九州最後の要塞が陥落します。

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