第19話:神域のディナータイム
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第19話は、窓拭きの副産物で得た「エリクサー」を贅沢に食すディナータイム。
国を滅ぼす価値がある神薬を、ただの「シャキシャキした野菜」として味わう二人の温度差が見どころです。
究極の自給自足がもたらす、神々しすぎる食卓の風景をお楽しみください!
窓から差し込む星光を浴びて、七色に発光する庭。フェイトは手慣れた動作で「神薬」へと進化した薬草の葉を摘み取り、ボウルいっぱいに詰め込んでキッチンへ戻ってきた。
「よし、エルシア。鮮度が落ちないうちにこれを和えてくれ。根っこの部分は硬いから【分解】して、出汁の代わりにスープへ放り込んでおいたぞ」
「……世界中の王族が寿命を延ばすために国を傾けて欲しがるエリクサーを、出汁にするなんて。もう、驚くのを通り越して清々しい気分です」
エルシアは苦笑しながら、フェイトが再構築した「次元の刃」を持つ包丁を握った。触れるだけで細胞レベルの浄化が始まるサラダボウルの中で、エリクサーの葉はシャキシャキと心地よい音を立てて刻まれていく。ドレッシングは、フェイトが以前「酸性スライムの核」を分解して酸味だけを抽出し、聖樹のオイルと混ぜ合わせた特製のものだ。
やがてテーブルに並べられたのは、神々しい光を放つサラダと、一口飲めば死者すら蘇ると言われる黄金色のスープ、そして主食として出されたのは、昨日フェイトが「地層の奥で見つけた古い種」を分解・結合させて作った、伝説の古代米のパンだった。
「いただきます」
二人が同時に手を合わせ、エリクサーサラダを口に運ぶ。その瞬間、エルシアの全身を衝撃が駆け抜けた。
「……っ!? 美味しい……なんてレベルじゃありません。細胞の一つ一つが歓喜して、魔力回路が勝手に『再編』されていくのがわかります。フェイト様、これ、食べるだけで聖女としての位階が三段階くらい上がっていませんか?」
「そうか? 少しシャキシャキ感が強すぎる気がするな。次はもう少し窓の磨き方を加減して、光の収束率を落とさないと。食べ終わるたびに魔力があふれて服が弾け飛んだりしても困るしな」
フェイトは淡々とパンをスープに浸しながら答えた。彼にとって、食卓の料理がどれほど神話的な価値を持っていようと、それは「自給自足の家事」の結果でしかない。
食事が進むにつれ、二人の体からは隠しきれない神聖なオーラが漏れ出し、リビングを優しく照らしていく。磨き上げられた窓から見える星空と、食卓から溢れる光。それは地上では決して見ることのできない、静謐で贅沢な、そして究極に「片付いた」光景だった。
「ごちそうさまでした。……さて、腹も膨れたし、寝る前に玄関の『ゴミ箱』をチェックしてくるか。さっきから特使たちの置いていった雑念が、少しだけ発酵し始めてる気がするんだ」
フェイトは立ち上がり、再び掃除用具を手に取った。神の食事を終えた後の、いつもの夜のルーティン。地上の人々が神と崇める存在になろうとも、フェイトの「掃除屋」としての魂が揺らぐことはないのであった。
第19話をお読みいただきありがとうございました!
「食べるだけでクラスアップ」という衝撃のサラダでしたが、フェイトにとっては窓の磨きすぎによる「要改善ポイント」でしかないのが彼らしいですね。
さて、しっかり栄養を蓄えたところで、次回は特使たちが残していった「ゴミ」の始末。
放置された雑念がどのようなトラブルを引き起こすのか……お楽しみに!
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