↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地雷パーティになりました。  作者: 滝津原
鍵を求めて
PR
59/62

空き地の猫

 シオと別れ、ペンデュラムが示した空き地を目指しカマセーヌの先導で路地を歩いていく3人。彼らの話題は町で時折耳にする言葉のことだ。


「この大地に新たな力をなんちゃらかんちゃら言ってるのがあるじゃないですか。あれってどういう意味があるんですかね」

「なんちゃらかんちゃらって……。別れの挨拶みたいなものだと思ってるけど」

「まあそうだな。この大地にって部分だけ固定でほかの部分は店によって違うな。あと町の人間から冒険者に向けての挨拶だから飲食店なんかでは使われない」


 カマセーヌの言葉で思い返せば、今日立ち寄った酒場やカフェでは確かに言われなかった。


「店やってるプレイヤーは使うやつ使わないやつ半々ってとこらしいな。うちの町では大体使ってるイメージだが」

「さすがイトリス……」


 ロールプレイ推奨と呼ばれるだけあって雰囲気づくりに余念がないイトリスの住人達。その元凶ともいえるカマセーヌはどこか満足気であった。




 他愛もない話をしているうちに目的地の空き地に辿り着いた3人。空き地にはところどころに草が生えてはいるが、ある程度は整備されているようで生い茂っているというほどではない。右奥には大きめの木が2本生えており、端には建築資材のようなものが積まれている。

 しかし、今はそれよりも格段に目を惹くものが広場の中心にあるのだった。


「……あれ、何?」

「……猫だとは思いますけど」


 空き地の真ん中、少し土の盛り上がった日当たりのいい場所に10匹以上の猫が集まって毛玉のようになっているのである。猫たちは一か所に固まっているが、その場で毛づくろいをしたり丸まっていたりとリラックスしているように見える。


「……真ん中にいるの、人、だよね?」


 フローデの指摘によくよく目を凝らせば、その猫の集団の中心部で寝ている人間がいることに気づく。離れている上に猫に集(たか)られているためよく見えないが、丸くなって眠っているのは女性キャラのようだ。


「多分あの人に聞くのが早い気はするんですけど」

「気は進まないねえ……」


 ゲームのシステム上、寝落ちした場合は自動的にログアウトするようになっているので、完全に眠ってはいないはずだが、あれだけ猫に群がられて寝転がっているのは奇人変人の類に違いない。そんなことを考えているケイディアを尻目にカマセーヌはズンズンと近づいていく。


「あ、ちょっとカマセーヌ様……」

「おい、あんた」


 カマセーヌが近づきながら声をかけるが、寝転がっている当人からの応答はない。カマセーヌが近づくにつれ、集まっていた猫は方々に逃げて行った。それを見てケイディアとフローデも駆け寄る。

 そこに寝ていたのは見立て通り女性キャラだった。だが、遠目ではわからなかった部分もある。


「獣人……?」


 ぽつりと呟いたフローデの言葉の通り、寝転がっている女性には猫のような耳と尻尾が生えていた。背中側が大きくあいた服を着ており、そこから健康的な褐色の肌が見えている。髪色は赤茶色で、同じ色合いの耳が頭から突き出ていた。

 そして彼女はケイディアの予想に反して完全に眠っているように見える。


「猫逃げちゃいましたけど」

「逃げた中にはそれっぽい黒猫はいなかったぞ……おーい!」

「に゛ゃっ!?」


 カマセーヌが少し大きな声で呼びかけると、猫に囲まれていた猫耳娘は猫のような悲鳴を上げて飛び上がった。そしてその拍子に、抱えるようにしていたのか、ケイディア達からは死角になっていた懐から黒い毛玉が飛び出した。


「「あっ!!」」


 身構える間もなく、飛び出した黒猫はあっという間に走り去り、建物の影へと消えてしまう。呆然とする3人に起き上がった猫耳娘は瞼をこすりながらつぶやいた。


「にゃんにゃぁ、あんたら」

前回投稿から丸2年経ってる・・・と戦慄しながら続きを投げてみた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。