燃え上がる闘志
リップオフだらけの中、1人の女性が目の前を通り過ぎ、だいぶ離されてしまった元女性に銃弾を浴びせた。それがヴィンディッシュだと気付くのに、ダイアンは少し手間取ってしまった。救出しようと体を動かしたが間に合わず、骨の砕ける音を響かせながら、ヴィンディッシュは蹴飛ばされた。それを目撃した掃討班メンバーが叫んだ。
「ヴィンディッシュ!!!」
ダイアン、クロエ、アイリスが駆け寄り、医療班のクリスが駆けつけてヴィンディッシュに手当てを施した。
ダイアンはヴィンディシュをそっと抱き起こした。
「お前・・・なんでここに来たんだよ?あいつに勝てるとでも思ったのか!?」
ヴィンディッシュは乱れた息をなんとか整えながら掠れた声で答えた。
「ごめんなさい。ダイアンが傷つくの・・見たくなかった。いつも助けて貰ってたから・・・力になりたかったの。」
「もういい、喋るな!傷に障ったらマズい!クロエ、ヴィンディッシュの側にいてやってくれ。」
クロエは強く頷いた。
「わかった。」
ダイアンは頷き返すと、元女性の方に向かっていった。クロエとアイリスに抱き抱えられたヴィンディシュは、弱々しくクロエの顔を見つめて名前を呼んだ。
「クロエ・・・・」
クロエは半狂乱気味になって叫んだ。
「喋ったら体に毒よ!ダイアンにも言われたでしょう?!今は体を休めて!!」
アイリスも声を裏返らせた。
「ダイアンやクロエの言う通りよ、ヴィンディッシュ。あなたはまだ天国に行くには早すぎる!だからお願い!安静にしてちょうだい!!」
「・・これだけは、言わせて下さい、アイリスさん。クロエ、勝負はあなたの勝ちみたい。負けちゃったけど、なぜか悔しくないの。それは心の底から、あなたを認めたからだと思うわ。あなたは顔も心も、綺麗な女の子よ。あなたになら、ダイアンを奪われても悔しくないかも・・・」
そこまで言うと、ヴィンディッシュは目を閉じ、動かなくなった。
クリスが焦った。
「脈が乱れての気絶はヤバい状況だ!!」
クロエとアイリスは必死に声をかけた。
「嫌よ!ヴィンディッシュ、起きて!!」
「ここで死ぬなんてダメよ!帰ってきなさい!!」
クロエ達の悲しむ姿を、元女性は嘲笑うように言った。
「馬鹿ナオンナダ。己ヲ犠牲にスレバ、ワタシヲ倒セルトデモ思ッタノカ?」
「その通りだ。・・・お前はここで終わりだ!」
そう叫ぶとダイアンは一瞬、血に飢えた獣のような目で睨みつけると、出せる限りの力を使って速く動いた。敵の殺気に身の危険を感じ、元女性はダイアンの消えた位置を穴が開く程じろじろと見つめた。すると、いきなり目の前にダイアンが現れ、回し蹴りを首筋に決め込もうとしていた。
突然現れた敵と身の危険に驚いた元女性は慌てて首を捻って避けたものの、間に合わず首筋に蹴りを軽く食らって後ずさった。それを見たダイアンは舌打ちして低い声で呟いた。
「避けるなよ、楽に逝けたのに。」




