賭け (2/2)
三人はそれぞれの姿勢で祈るように座っていた――
「……いっとくけど、力が戻った瞬間、ズドン! とか止めろよ。せめてこう、前振りくらいは置けよ? 懺悔の時間とか」
秀一がそうお願いすると、
「保証できないって言ったじゃん。ま、なるべくは頑張ってみるけど?」
少し離れたところで、ノインはそんな風にそっぽを向いていた。
「二人とも。時間になるわよ」
春香が、冷静な声でカウントダウンを始める。
そうして数字を読み上げて――
――――――――――――。
「ど、どうだ……?」
秀一が尋ねると、ノインはつかつかと彼のもとへ歩き出した。
ふわりと金髪を揺らし、傲岸に顎を突き上げて、彼女はにっと笑った。
「……つくづくバカね。アンタって」
掲げる右手。
小さな白い光の粒子が、そこへ急速に収束していく――
「おい、お前……!」
後ずさりする秀一。
だが、もう遅かった。
まばゆいばかりの閃光が、秀一の顔面一杯に放たれていく――
(――ッッ――――――)
……そして。
そのまばゆいばかりの閃光は、ずっと垂れ流しだった。
っていうか、ただのLEDっぽい強い光だった。
いったい、なんのための隠れ機能なのだろう。
「おい……。すごく、まぶしいんだけど、それ……」
秀一が咎めると、ノインは手の平を折り畳んで、その光を消してみせた。
(め、目が……)
強い光を直接浴びたせいで、視界がぼんやりと濁ってしまう。
秀一が目を閉じて、暗闇に馴染ませようとしていると――
その耳元で、彼女はささやいた。
「……ありがとね」
たぶん、笑っていたのだろう。
秀一はそれを悔しがった。




