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キルロイド  作者: 武嶌剛
第二章 約束
20/51

賭け (2/2)

 三人はそれぞれの姿勢で祈るように座っていた――


「……いっとくけど、力が戻った瞬間、ズドン! とか止めろよ。せめてこう、前振りくらいは置けよ? 懺悔の時間とか」


 秀一がそうお願いすると、


「保証できないって言ったじゃん。ま、なるべくは頑張ってみるけど?」

 少し離れたところで、ノインはそんな風にそっぽを向いていた。

「二人とも。時間になるわよ」


 春香が、冷静な声でカウントダウンを始める。

 そうして数字を読み上げて――


 ――――――――――――。


「ど、どうだ……?」


 秀一が尋ねると、ノインはつかつかと彼のもとへ歩き出した。

 ふわりと金髪を揺らし、傲岸に顎を突き上げて、彼女はにっと笑った。


「……つくづくバカね。アンタって」


 掲げる右手。

 小さな白い光の粒子が、そこへ急速に収束していく――


「おい、お前……!」


 後ずさりする秀一。

 だが、もう遅かった。

 まばゆいばかりの閃光が、秀一の顔面一杯に放たれていく――


(――ッッ――――――)


 ……そして。


 そのまばゆいばかりの閃光は、ずっと垂れ流しだった。

 っていうか、ただのLEDっぽい強い光だった。

 いったい、なんのための隠れ機能なのだろう。


「おい……。すごく、まぶしいんだけど、それ……」


 秀一が咎めると、ノインは手の平を折り畳んで、その光を消してみせた。


(め、目が……)


 強い光を直接浴びたせいで、視界がぼんやりと濁ってしまう。

 秀一が目を閉じて、暗闇に馴染ませようとしていると――


 その耳元で、彼女はささやいた。


「……ありがとね」


 たぶん、笑っていたのだろう。

 秀一はそれを悔しがった。


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