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炭鉱の魔法師  作者: 祷幸崇


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4/7

余計なこと


 今日もルシアンは炭鉱にやって来ていた。

 長椅子に腰かけ、足をプラプラ揺らす。


「ノクスはいつからここにいるんですか?」


 最早、ノルマのようになった告白の後、ふとルシアンはそう切り出した。


「⋯⋯何、急に」

「世間話ですよ、世間話。それに、好きな人のことは知りたいものなんです」


 胡乱げにノクスはルシアンを見る。いつもニコニコと楽しそうに笑っていて、何を考えているのかよく分からない。

 毎日こんな薄暗い、熱気がこもった場所に来て、何が楽しいのやら。

 長い髪がルシアンの動きに合わせて揺れている。


「商会長から聞いているんじゃないの」


 ノクスの名前を本人ではなくセヴェランから聞いたのだ。その時に聞いていると考えてもおかしくはない。

 ルシアンはきょとん、としてノクスを見つめた。


「聞いてないですよ? だって、本人から聞きたいじゃないですか」


 名前を本人から聞いていないくせに何を今更、そんなことを言っているのか。ノクスは心底不思議に思う。


「何歳なんですか?」

「さあ。百は超えてるんじゃない?」


 何年生きているのかなど、考えなくなって久しい。

 ルシアンは適当に答えたが、実際、百年以上は生きている。


「⋯⋯おばあちゃんだったんですね」

「シバくぞ、このクソガキ」


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