毎日来る
「ノクス、好きです」
また来ると宣言されてから一週間。ルシアンはあれから毎日、炭鉱に顔を出しては、水色と赤色が混ざった、独特な瞳を輝かせ、ノクスに告白していた。
いつの間にかセヴェランからノクスの名前を聞いたらしく、数日後にはこうして平然と名前を呼ぶようになった。
こうも毎日毎日、告白されていては慣れるというもので、ノクスは最早うんざりした顔をするだけで無視をし続けている。他の鉱夫達もすっかりルシアンの訪問と告白に順応し、ニコニコとその様子を見守っていた。
「父上が言っていたんですが、ここの皆さんはとても優秀なんですね。いつもありがとうございます」
「いやぁ、それほどでも~⋯⋯あるかの!」
「ガッハッハッハ! ちびすけも口が上手いなぁ!」
「こいつぁ、色男になるで!」
「そうですか? ノクスがお嫁さんになるくらいですか?」
「はっはっは! それは難しいぞぉ、小僧」
鉱夫達はルシアンが自分達の雇い主の息子であることを忘れたらしい。あっという間に打ち解け、ルシアンのことを『ちびすけ』やら『小僧』やら、随分気安く呼ぶようになった。
ちらちら、とノクスに向けられる鉱夫達の視線が鬱陶しい。
まるで自分達がルシアンのおじいさんだとでも思っているようだ。
ルシアンが家に帰った後も鉱夫達がノクスにルシアンを勧めてくる始末だ。本当にやりづらい。
「ノクス、俺と結婚してくれますか?」
どこで覚えたのか、ルシアンは上目遣いでノクスを見つめてくる。
「しない」
「おいおい、ノクス。それはないだろう」
「ノクスも頑固だなぁ」
即答するノクスの肩を冷たい奴だと、鉱夫達が次々と叩く。
ルシアンの可愛さに鉱夫達の顔はデレデレと緩んでいる。
――その顔を掴んで地面に叩きつけてやりたい。




