夜会の次の日 レイドside
レイド視点です!
普段は冷静ですが、ミーナの事になるとへたれです。
フリース公爵家の執務室で夜会の間に溜まった仕事を素早くこなしていると、扉をノックされた。
レイドが呼ばない時にここへ来るのは
我が家では家令しか許していない。
いちいち入る許可も出すのも面倒なためノックをした後勝手に入って良いことにしている。
「旦那様。コルガ男爵家よりルーク様がお見えです。」
「来たか...すぐに談話室へ。」
「そう仰ると思い、勝手ながら既にご案内しております。」
「わかった。これからもルークの時はその対応で良い。」
仕事を中断し、真剣な面持ちで談話室へ向かう。
今回は非常に気後れしたが令嬢に触れてまでミーナへ意識させたのだ。
どのような成果があったのか早急に確認せねば。
「やあ、レイド。前触れも出さずに来てごめんね。」
「いや、ルークならいい。将来の..お、お義兄様だからな。」
ルークは学生時代に同級生だったこともあり、男爵家と公爵家で家格はかなり異なるが、砕けた言葉で話して貰うように僕がお願いしている。
「寒気がするから、それ二度とやらないで。
それにミーナが頷かなきゃ絶対に結婚させないからね?」
くっ...、痛いところを突いてくる。
絶対にミーナが嫌がる人とは結婚させないと、コルガ家(特にルーク)から言われているので、ミーナが頷くことが僕に課せられた結婚の条件だ。
「...で、今回はどうだったんだ?
体まで売ったんだ、さすがに成果があって欲しいぞ。」
「言い方がすごく気にあるけど...。
残念ながら嫉妬のしの字もしていなかったよ。
『嫉妬とは恋心を持った相手にするものよ。
フリース様は推しだもの。』...だそうだ。」
流石に気の毒だったのかルークから苦い顔をしながら告げられる。
頭が真っ白になる。
何度もミーナからの視線を感じていたし、ルークからもずっと見ていると言う話を聞いていた。
だから、少しは恋心を抱いていてくれていると思っていたのに、まさかここまでとは。
「...っ僕はミーナに推しとしてじゃなくて、
恋愛対象として見て欲しいのに!」
僕はミーナを小さい時に一目見てからずっと好きだ。
絵に書いたような一目惚れで、あの日からミーナへの思いは深まっていくばかりなのに...。
ミーナときたら、社交界デビューをして、やっと僕のことを見てくれたと思いきや、推し活?なるものの対象としてしか見てくれない。
今回も、ミーナに推しじゃなくて恋愛対象として見て貰えるように、ルークが提案した他の令嬢に触れることで嫉妬してもらう作戦だった。
もちろんミーナ以外の令嬢に触れることは断固拒否なので、令嬢役は変装した僕の妹にしてもらった。
「今回も上手くいかなかったか...。
ミーナもすこし意思が固いところがあるからな。
1度推しとしてしまったらもうレイドのことを恋愛対象として見ないかもしれないな。」
「それは困る!
もう僕の両親も君の家の両親も陛下さえ認めてくれているんだ。あとはミーナが頷いてさえくれればいつでも結婚できるのに!」
「俺は次期当主としてこの事を喜ぶべきか、ミーナの兄として止めるべきか非常に悩ましいな。
...ん?そもそもレイド。
君、ミーナと話したことあった?」
「...........あるよ。小さい頃は。」
「レイド、君はもしかして最近、ミーナに話しかけていないのか?」
「...........はい。」
ミーナが社交界デビューしてからはあまりに美しくて、緊張して話しかけられなかったのだ。
だから、夜会ではそんな女神みたいなミーナが自分のことをずっと見つめてくれているだけで満足していた。
「........嘘だろう?
...よし、レイド。次の夜会での目標が決まったな。
『ミーナと会話をすること』だ。
今から、俺が婚約者のローサにアプローチした時の事を教えてあげるよ。
へたれな君には難題かもしれないけど頑張ろう。」
こうして、ルークの体験談を聞きながらミーナにどんな言葉を伝えるかの作戦会議が始まった。
それなのに、次の夜会でミーナがあんなことするなんて。
面白かったら評価ポチッとお願いします!




