♬九小節目♬不思議な音の契約結婚生活最終日の夜♬
ーー拝啓。愛しの恋しぃ。因幡君。
アナタを追って私、和栗鼠は、不思議な異世界へとやって来てしまいました。白くて大きな兎の骸骨のような風体をした伽藍堂なポッカリと空いた両の眼窩に底しれぬ闇を抱いた因幡君と良く似た血のように赤き ビードロ玉の如き両の瞳をした御方がー伽藍堂樣ーが、私を見詰め仰ったので御座います『我の婚約を受け入れてくれたならば、ソナタの愛しの因幡とやらの居場所を教えてやろう……』と『彼のことは良く知っている己のことのように……和栗鼠。我はソナタを愛している。ずっととは言わぬ。四十九日の間で良い。我と契約結婚してくれぬだろうか?』そう仰いましたのよ。ですから。ですから。私は、ー伽藍堂樣ーに心音をお捧げし心音と共に契約の婚姻を結びました。全ては因幡君…アナタの為に…私は、己の心音よりも、心臓よりも、アナタの事が、何より大事で御座います。アナタは何処におられるのです?もうすぐアナタに逢えるかも知れません。今宵が最後の不思議な音の契約結婚生活の最終日なので御座いますから。
ーーアナタに逢いたい。……かしこ。和栗鼠ーー。
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……あの世にも恐ろしい音の契約の婚姻を結んでから。
……早、ひと月程が経ちましたが、何と言いますか……。
平和な結婚生活?新婚生活?を過ごせて頂いております。
例えば、ハイカラな水着を着て天の川で川遊びをしたり。
ずっと夜の異世界で夜空を見上げては耀く星座を眺めて星占いしたり。星に愛しぃ、恋しぃ、因幡君とまた逢えるようにと願ったり。夜空からキラキラと綺麗な音を鳴らして降る星の金平糖を蒐めたり。ー伽藍堂樣ーの幽霊屋敷の様な洋館で、不思議な音のお茶会をしたり。とても不思議だけれども平和でキラキラな結婚生活?新婚生活?を過ごしているので御座います。
ー伽藍堂樣ーは、優しく私の事を溺愛しておられます。
相変わらず捧げた心音は聞こえずに心臓は、あの日から止まったままだけれども、、、血の気は引いて、と言うか、血はきっと通っていませんわね……。
だってビスクドールの様に私の腕も足も顔も肌が、真っ白けっけなんですものね……。
体温も感じられませんし本当に「私は人形になってしまったのかしら?」愛しぃ、恋しぃ、因幡君へとしたためた手紙を素麺の様に白い色をした不思議なカササギが天の川の彼方へと運び飛んでゆくのを眺めながら呟けば、キラキラと何時も夜の不思議な異世界の夜空からキラキラと星が音を鳴らして降ってくる。
『ー何だかずっと七夕の様な世界ですわねー』
キラキラとした星の降る異世界で不思議な契約結婚生活?を送る私は、これからどうなってしまうのかしら?
と言うか、私は今、どう言う状態なのかしら?
……生きているのか?死んでしまっているのか?
……はたまた仮死状態なのかしらん????
……本当に元の世界へ戻れるのかしら!?!?
……不安を言えば星の数ほど御座いますが、、、
思いの外に私この不思議な異世界が、嫌いでは御座いませんの……ですけども。此処には、アナタが居ない。
『…因幡君…アナタに、逢いたい……』
和栗鼠の大きな瞳から流星の様な涙が一筋キラキラと流れて落ちた。
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……不思議な音の契約結婚生活最終日の夜、と言うか、このキラキラとした星の降る音と夜に包まれた不思議な異世界は何時だって、夜なのですけれどもね。
「ー愛しの和栗鼠ー今宵は、星と願いの降る七夕の特別な夜だ…天の川で白いカササギの羽根から作られしカササギ素麺を共に食そうぞ…」……と謎に申されておられますので、たぶん、きっと、夜なので御座いましょう。
まぁ、このキラキラとした星の降る音と夜に包まれた不思議な異世界は何時だって、夜なのですけれどもね。
キラキラとした天の川の畔にカフェーの様なテラス席が御座いまして、其処にー伽藍堂樣ーと二人で掛けて謎の白いカササギの羽根から作られしカササギ素麺を食しました。つけ汁もとても不思議で硝子の器をー伽藍堂樣ーが、星降る夜空に掲げてキラキラとした星を掬う様に致しましたならば、あら不思議!硝子の器にキラキラと綺麗な音を立てて夜空色のつけ汁が現れたので御座います。
「ー夜空のつけ汁ーだ。カササギ素麺をつけ食せ♡」
私はー伽藍堂樣ーに言われた通りにー夜空のつけ汁ーにカササギ素麺をつけ食しました。
ーーチュルツル♪ーーチュルツル♪
ーーチュルツル♪ーーチュルツル♪
「まぁ♡美味しい♪何だかほんのり甘じょっぱくてアズキ汁のようですわ❣❣」
私は夢中でー夜空のつけ汁ーにカササギ素麺をつけてーーチュルツル♪ーーチュルツル♪と涼やかな音と共に美味しく頂きましたわ。
ーーキラキラ。*゜+☆彡ーーキラキラ。*゜+☆彡
ーーサラサラ✧*★ミーーサラサラ✧*★ミ
「今宵は良く星が鳴りますわね☆彡とても綺麗だわ★ミ」
ーーキラキラ。*゜+☆彡ーーキラキラ。*゜+☆彡
ーーサラサラ✧*★ミーーサラサラ✧*★ミ
と綺麗な音を鳴らして降る星空を見上げて私が言えばー伽藍堂樣ーが静かな声音で仰いました。
「ー今宵は七夕の特別な夜ーこの世界に降る星は皆、何処かの誰かの願い…此処は、願いが行き着く最期の場所だ…」
「……願いが行き着く最期の場所?」
私が聞き返しましたならばー伽藍堂樣ーは、燕尾服の内ポケットの中から素麺の様に白い短冊と硝子の万年筆を取り出して私に言うのです。
「ー愛しの和栗鼠ー四十九日の間、我の花嫁になってくれて有難う…この短冊に一つ願いを書きなさい…我がソナタの願いを叶えよう♡」
私はー伽藍堂樣ーから素麺の様に白い短冊と硝子の万年筆を受け取って、願い事を一つしたためました。
願い事は勿論『…因幡君の居場所を教えて…』
私は、愛しい、恋しぃ、因幡君に逢いたいのです。
♬九小節目♬不思議な音の契約結婚生活最終日の夜♬終♬




