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♬和栗鼠の不思議な異世界と音の契約婚姻譚♬  作者: ナロージュ•ピクセル


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♬六小節目♬不思議な音の契約結婚♬


 ーー拝啓。愛しの恋しぃ。因幡(イナバ)君。

 アナタを追って私(わたくし)、和栗鼠(ワリス)は、不思議な異世界へとやって来てしまいました。……途方に暮れていた時でした。……白くて大きな兎の骸骨のような風体をした伽藍堂なポッカリと空いた両の眼窩に底しれぬ闇を抱いた因幡(イナバ)君と良く似た血のように赤き ビードロ玉の如き両の瞳(め)をした御方《・・・・》がー伽藍堂(ガランドウ)樣ーが、私(わたくし)を見詰め仰ったので御座います『ー和栗鼠(ワリス)ー我(われ)は君に婚約を申し込む♡ー我(われ)の花嫁となるのだー愛しの和栗鼠(ワリス)よ♡』と……私(わたくし)は、不思議な異世界で求婚されました。……答えは、勿論『……えっ?致しませんけども?』丁重に『私(わたくし)には、愛しぃ、恋しぃ、因幡(イナバ)君がいらっしゃいますもの!何処(どご)ぞの馬の骨?……兎の骨かしら?兎に角!よくわからない御方からの求婚は固くお断り致しますわ!』とーー婚約破棄してやりましたわょッッッ!!そしたらなんと不思議な音の館に招かれオ・モ・テ・ナ・シ晩餐を受けました。そうしたら『我の婚約を受け入れてくれたならば、ソナタの愛しの因幡(イナバ)とやらの居場所を教えてやろう……』と『彼のことは良く知っている己のことのように……和栗鼠(わりす)。我はソナタを愛している。ずっととは言わぬ。四十九日の間で良い。我と契約結婚してくれぬだろうか?』そう仰いましたのよ。因幡(イナバ)君……アナタは何処(いずこ)におられるのです?ーアナタに逢いたい。……かしこ。和栗鼠(わりす)ー。



     ☆。*゜+★*.✧.。*★✧*。☆。*゜+★



 『大体アナタ御名前は?どうして私(わたくし)のことを知っているの?この不思議な異世界はなんなのよ?因幡(イナバ)君は何処に行ったのょ!?』

 質問攻めにしてやりましたらば、よくわからない何処(どご)ぞの馬の骨?……兎の骨かしら?兎に角!よくわからない御方は、伽藍堂なポッカリと空いた両の眼窩に底しれぬ闇を抱いた因幡(イナバ)君と良く似た血のように赤き ビードロ玉の如き両の瞳(め)で私(わたくし)を見詰めて、私(わたくし)の質問に一つ一つ丁寧にお答えになりました。


 『ー此れは申し遅れたー我は兎餓者髑髏伯爵《ウサギガシャドクロはくしゃく》と申す者ー伽藍堂(ガランドウ)ーとお呼びくだされ。此処は現し世と彼の世の間の不思議な異世界…我が治めるー音と夜の世界ーソナタの事は、天の川の水面に映し出された時より見て良く知っている♡我の婚約を受け入れてくれたならば、ソナタの愛しの因幡(イナバ)とやらの居場所を教えてやろう…』ほぼほぼ何を言っているのか正直に言ってわかりませんでしたが、かろうじて、よくわからない何処(どご)ぞの馬の骨?……兎の骨かしら?兎に角!よくわからない御方の御名前が「ー伽藍堂(ガランドウ)ー樣」と言う事と「因幡《イナバ》君の居場所を知っているの?」と言う事がわかりました。


 『ーあゝ(あ)…彼のことは良く知っている己のことのように…和栗鼠(わりす)。我はソナタを愛している。ずっととは言わぬ。四十九日の間で良い。我と契約結婚してくれぬだろうか?』



    ☆。*゜+★*.✧.。*★✧*。☆。*゜+★



 ……私(わたくし)は、不思議な異世界で、不思議な音の館で、三度、求婚されました。……そして答えは、勿論。

 ……えっ?だから致しませんって言ってますけども?と言ってやりたいところではありましたが此処は取り敢えず。


 「…四十九日の間だけ…契約結婚?」

 取り敢えず話を聞くことに致しましたわ。だって、この御方ー伽藍堂(ガランドウ)樣ーは、愛しぃ、恋しぃ、因幡(イナバ)君の居場所を知っているみたいですからね。


 「ーあゝ(あ)。四十九日の間だけ我とこの不思議な異世界で甘い甘い結婚生活を送ってくれ♡さすれば愛しのー和栗鼠(わりす)ーソナタを元いた世界へ現し世へと還そう。その時にソナタの愛しの因幡(イナバ)とやらの居場所を教えてしんぜようー我と結婚の婚姻を結ぶのだー」ー伽藍堂(ガランドウ)樣ーは、燕尾服の内ポケットの中から金色に耀く心臓程の大きさの大きな懐中時計をその骨張ったと言うか骨骨(ほねほね)しぃ手にとって私(わたくし)に掲げて仰るのです。


 「ー契約を結ぶにはーソナタの心音(・・)を此(こ)の懐中時計に刻む必要があるー其(そ)れが此(こ)の契約結婚の証となるーなぁに、案ずるでない…四十九日を過ぎたら婚約は破棄され…ソナタの心音(・・)もソナタの元へと還りて、ソナタも元の世界に還そう」……と。


 心音を懐中時計に刻む!?聞くからに恐ろしく怖い話で御座いました。ですが、私(わたくし)は、己の心音よりも、元の世界へ還ることよりも、ずっと、ずっと、大切な事があるのです。


 「…私(わたくし)の心音を其(そ)の懐中時計とやらに刻めば宜しいのね…さすれば、アナタは、本当に私(わたくし)の愛しぃ、恋しぃ、因幡(イナバ)君の居場所を教えてくださるのね?」


 ……私(わたくし)は念を押して確かめました。

 ……なんせ心音を捧げるのですからね。

 ……此処は慎重に慎重を期さなければいけませんことよ。



 「ーあゝ(あ)勿論だ愛しのー和栗鼠(わりす)ー契約は違わぬと誓おう」


 ……確かにー伽藍堂(ガランドウ)樣ーは、そう仰いました。

 

 「……わかりましたわー伽藍堂(ガランドウ)樣ー」


 ……私(わたくし)の心音如きで、愛しぃ、恋しぃ、因幡(イナバ)君の居場所がわかるのならば、幾らでも……。


 「ー私(わたくし)の心音をアナタにお捧げ致しますー」



    ♬六小節目♬不思議な音の契約結婚♬終♬

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