第5話 「本に記された情報」
「まずは『神導武器大全 出力=ガントレット』から読んでみるか」
そう考えて机の上にあった一冊を手に取る。
ページを捲り内容を読んでいくと神導武器とは何か、からガントレットの説明・修行方法まで深いことまで書いてあった。
そこから特に必要そうな情報をメモ帳に纏めていく。
メモに書いた内容は、
『神導武器は13歳を迎えたものに司祭様から与えられる』
『授かる武器は自身にとって最適解であり、その判断は光と闇の二神が行っている』
『教会で神導武器を授かることが出来ない状況下にいるものには神による厳しい審査があるが乗り越えたものには強力な神導武器が渡される』
『神導武器の始まりの名前は自由度が高いものほど成長先の性質も変化する』
『授かる際の武器の認識により神導武器は姿を変える 例えば今より昔の時代だと獣の牙、今だと金属』
『ガントレットは近接武器でリーチも短いため鍛錬の内容は技術をメインに筋肉増強、精神修行がおすすめ』
となった。
「んーこれだったら、まずは父さんに修行をつけてもらいながらガントレットに慣れていくのが理想か......?幸い、剣の修行をしてたおかげで筋力はある方だし、一番の問題は技術面だな。誰かと殴り合いとかもやったこと無いし」
でも、本当にこの本は凄いな。欲しい情報だけを抽出した流し読みなのにここまでの情報量があるとは......!こんな凄い本は今まで読んだことが無い。
他の二冊も今の俺に必要な情報だけ読み進めることになると思うがそれだけでも閉館時間が来てしまいそうだ。
焦る気持ちを抑えつつ二冊目である『属性魔法・魔術指南書 出力=土魔法』
に手をかけて読み始めた。
魔法に関してはミレア母さんがよく使うのを見ていたからなんとなくはわかるけど想像力が大切だと教えてもらった記憶がある。
想像力と言われてもピンとはこなかったけど、それが理解できるような本だといいな。
――さっきと同じように情報を抜き出し纏める作業を進める。
神様から力を授かるまでは魔法は使えないって聞いてたから全然知らない情報ばかりで軽く眩暈がしてきた......これはちょっと大変だな。
魔術に関してはいつも宿屋で使っている自動昇降機も、普段から使っている水も魔術があるから使えていて、生活の根幹は魔術によって支えられていると。何となくは知っていたけど何故自動昇降機は動くのかとか、蛇口から水はどんな働きで出てくるとかは知らなかったな。
何となく物知りになった気持ちを後にして、情報量が多い魔法についてメモ帳に書き出していく。
今回のメモには
『魔法の発現には想像力と発想力』
『体内の魔力を用いて魔法を使う』
『五大属性=火・水・風・土・無と希少属性=光・闇、霧や雷といった複合属性がある』
『ステータスに最初から表記されていた魔法は一番相性がいいが努力次第で他の属性も追加される』
『土魔法は土を操り、生成も可能であるが強度を上げたり鉱石にも効果範囲を及ぼすには練度と理解度の上達が必要である』
『無魔法は単純な魔法強化である』
といった内容を書いた。
魔法には想像力と発想力、か。文字通りに受け取るなら魔法には決まった形は無くてアレンジし放題!みたいなことかな?とりあえずその認識で修行して、違ったら修正しよう。
後は土魔法は頑張ったら鉱石も操れることと無魔法でそれを強化できると。
「ふむふむ......魔法の修行は少し後回しにしてもいいかなぁ。ガントレットが上手く使えるようになった後に鍛錬しないとどっちつかずになりそうかも」
原初のガントレットは魔法の威力が上がるような神導武器でも無いし、あくまで補助として魔法を使うことを想定しておいた方が良さそうだ。
魔法について自己完結したあと、最後の『スキルについての理解と解釈 出力=写し身・固有スキル』を読んでいく。
メモ帳に纏めるのも慣れてきた。ざっと必要な要素を書き出すとこんな感じか。
『スキルは修練の先に芽生えるものであり、ステータスの横の数字が上がっていくにつれて強化されていく』
『数字の上昇方法は何度も使用していくことと正しい形で修行することが求められる』
『写し身スキルは対象の動きをなぞり、力に昇華する。進化した先に本当の形がある』
『固有スキルはよくわかってはいないが、進化することがある』
「なるほど、スキルの横にあったⅠにはそんな意味があったのか。これは修行中に効果があったのかを確認できる指標にも使えるかも」
写し身スキルは動きをなぞって力にする、と。これは試してみなきゃ何もわからないな。でも進化した先が凄いみたいだから期待ができるのは素直に嬉しいかも。
あと、固有スキルはこれだけの本があっても情報が無いんだな。ちょっと残念だけどここまで情報が集まったことに感謝しなきゃだ!
他にも有益そうな情報が書かれているが家に帰ってからまた本を読みなおすことにしようかな。
全ての要点を纏め終えた俺は体のこわばりをほぐすようにその場で大きく背を伸ばした。
「ふぅ......なんとか読み終わったな。疲れはしたけど今日だけでここまでの知識を得られたのはルミナさんのおかげだな」
窓の外を見てみると俺が思っていたよりも時間が経っていたようで、魔光ランプの街灯の光が見えるほど暗くなっていた。
「結構集中してたんだな......少し休憩して頭の整理をしてからルミナさんにお礼を言いに行こう」
疲れてた頭を落ち着けるように一度目を閉じてからゆっくり深呼吸をしてルミナの居るカウンターへと向かうために席を立った。
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