第3話 「鉱魔獣討伐者管理局アイン・ソフ・オウル」
「父さん、母さんおはよう!今日は図書館行ってくるね!」
一夜明けて図書館に行く日になったためいつもよりも早起きをして家を出る準備を始める。
神様からガントレットを授かったときは、望んでいた剣じゃなくて少し落ち込んだ。
でも、昨日二人と話したおかげで気持ちに整理がついたこともあり、起きたときには昨日の不安は期待に変わっていた。
「おーマヌス今日は朝から元気だな!気持ちはわかるが落ち着いて朝ご飯は食べるんだぞー」
「そうよ、図書館は逃げないんだからまずはしっかり栄養を取って頭が働くようにするのよ」
「大丈夫、ちゃんとわかってるよ!」
それから母さんが食事を準備してくれている間に洗顔や服の着替えなどを済ませて席に座る。
「「「神よ、恵みに感謝を」」」
神様への感謝の言葉を口にし、手のひらを合わせてミレア母さんが作ってくれた食事に手をつける。
美味しい朝食を食べて元気充分になったあと、「いってきます!」と両親に声を掛けてから家を出て、俺が得た力について調べるために図書館へ向けて足を進めた。
今俺が向かっているのは俺が住んでいる国にある図書館のなかで一番大きく、国中の知識が集まると言われている国立図書館だ。
まず、俺が住んでいる国は『自由国 ラグス・フール』という自由と想像力を求める者が多く集まる国だ。
ラグス・フール最大の特徴は多くの種族が入り乱れて生活をともにしていること。そして、鉱魔獣討伐者管理局『アイン・ソフ・オウル 通称000...トリプルゼロ』の総本部があるということだ。
000の理念は『鉱魔獣に害されることの無い終わりなき光の創造』であり、所属する討伐者には鉱魔獣の討伐が義務付けられているがその変わりにどの国にでも市民権を持つことが許されている。
また、討伐数や依頼達成数に応じて討伐者ランクが上がっていき高いランクになるほど信用と信頼を得ることができ、高位の討伐者になればどの国でもある程度の歓待を受けれるとか。
この制度があるからこそ、俺がこれから多くの国を旅をするためにも討伐者にならなければいけない。一応、行商人やサーカス劇団に入って国を回ることは可能だとは思うがそれは目的と結果が逆になるため選択肢から外れる。
俺が求めるのは世界を回り、自由を求めて冒険の旅をすること。
その為には鉱魔獣が多く生息している地域に問題無く行ける程度の力も求められる。
この条件に一番合致してるのが討伐者という職業なのだ。
討伐者には成人である15歳になれば、所属試験を受け、合格することで登録することができる。
所属試験は討伐者になるために必要な知識を持っているかを判別する学科試験と今の状態で鉱魔獣討伐を依頼して達成できるかを確認する戦闘力試験がある。
勉強は得意で、既に試験勉強を始めているため学科試験は問題ない。だが、戦闘力試験では神導武器を用いた戦闘を見られるらしい。
なので、15歳になるまでの二年間で俺の神導武器であるガントレットを扱えるようになり、力を付けなければいけない。
また、000は所属していなくても利用することができる公共施設や娯楽施設などが用意されており俺が今日向かう国立図書館も000の施設のひとつだ。
総本部ということもあり、自由国ラグス・フールには討伐者関連の情報が他の国よりも多く集まっていると聞いたことがある。
だからこそ、ガントレットや他の授かった力について、知ることができるかもしれないと期待している。
「父さんに連れられて昔来たことがあるけどやっぱり大きいなぁ......」
000総司令部の見た目はその場に存在しているだけで威圧感を感じる。
ラグス・フールの象徴であることを示すかのように堂々と建っている金属製の城のような風貌をした総司令部の正面には過去、この世界が鉱魔獣に満たされたことで多種族が滅びかけた際に全てを纏め、蹴散らし世界に平和を齎した《もたらした》英雄フールを表す紋章である巨大な両翼が刻印されている。
その紋章を守るようにパイプと動く歯車が張り巡らされた塔が連なり、その堅牢さが伺える作りなのがわかる。
どんな障害をも跳ね返すことを目的として作られたとされる000総本部はこの国が堕ちることは未来永劫訪れないという安心を感じさせる程である。
重厚な扉を開き、なかに入ると討伐者たちが喧騒響かせておりあちこちから鉱魔獣の討伐数を張り合う声や自身の武勇伝を語る声などが聞こえてくる。
そんな非日常的な会話を耳にしながら、図書館の利用許可を貰うために『施設案内はこちら』と書かれた案内板の下にいる受付にいるお姉さんの元へ向かう。
「000にようこそ総合受付を担当しています、アルジェントです。本日はどのような御用でしょうか」
「アルジェントさんですね、俺はマヌスと言います!今日は図書館を利用したくて来たのですが...」
「はい、図書館のご利用ですね。利用時の規則などはご存じでしょうか?」
「いえ、初めて図書館に来ましたので規則はわかりません......」
どうしよう、厳しい規則だったら怖いな......
そんな思いが顔に出ていたのかアルジェントさんは苦笑しながら説明してくれる。
「そんな不安そうにしなくて大丈夫ですよ!ちゃんと説明させていただきます。簡単なことなので心配しないでくださいね!まず、図書館での大きな声での会話や走り回るなど他の利用者の方にご迷惑がかかることはお控えください。また、読んだ本や資料は元の場所に返していただくか、借りたい場合は図書館司書にお申し付けくださいね。最後に資料の汚損を防ぐために原則飲食は禁止となっていますのでご注意ください。この規則を守っていただければ大丈夫です」
アルジェントさんは俺に資料説明を口頭でした後に同じ内容が書いた紙を渡してくれる。
良かった、変なことをしなければ大丈夫なようだ。
まだどんな資料があるかわからないけどガントレットについての資料があれば借りるのもありだな。
「わかりました!質問なのですが司書さんに探している資料があるかを聞くことはご迷惑にならないでしょうか」
「大丈夫ですよ!迷惑だなんてことは無いので安心して聞いてください。ただ、少し変わっている方なので無理に話しかけたりはしないであげてください」
アルジェントさんは「マヌスさんは大丈夫だと思いますが」と笑顔でこちらにウインクした後、図書館までの道を教えてくれた。
「では、お探しの資料が見つかるといいですね。神の導きがありますように祈っております」
そんな優しい言葉をかけてくれたアルジェントさんに頭を下げて図書館へ向かう道を進んでいった。
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