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【更新停止中】ガントレットは青空を掴む ー旅は導き、世は助けー  作者: いさな
第一章 導きのエルフと自由の栞

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第32話 「国外の村で鉱魔獣を見たという届けあり 調査のために討伐者求む」

 依頼を受けた俺は少し準備をした後に国を出て外れにある村へと向かっていた。


 今回の依頼はいつもよりも遠くにあることと、問題の解決が難航する可能性があるからルミナさんに帰るのが遅くなるかもしれないことを両親に伝えて欲しいとお願いしておいた。


 依頼主のいる村は鉱魔獣を見たことが無い村人が居るほど危険が無い場所にあるらしい。だから、鉱魔獣を見たと村人から報告された村長が000に依頼したということが依頼書に記載されていた。


 ただ、報告があった鉱魔獣はアイアンゴブリンだったのでFランクの募集依頼に貼られていたのだろう。


 図書館でも調べたがアイアンゴブリンは同種で集まって多くても5体の団体で動くことがほとんどなので危険性は少ない調査らしい。


 イレギュラーに注意しながらにはなるだろうが何も起こらないで調査終了ということもありえるかな。


 そんなことを考えながら道に沿って簡単に移動速度を出せる魔蒸ボードに乗っていると視界の先に村が見えてきた。


 入口に着く前にボードからは降りて歩いていくと『シーテラ村』と書かれた看板とその横にいる門番がいる場所に着いた。


「村長からの依頼を受けて来ました。Fランク討伐者のマヌスです」


 門番へ村へ来た理由を伝えた後、討伐者カードを手渡した。


 カードを受け取った門番の男性はカードが本物か確かめるように表裏を見た後に俺に返してきた。


「確認しました、依頼を受けていただきありがとうございます。これから村長の元へご案内しますので着いてきてください」


「わかりました、よろしくお願いします!」


 俺は門を開けて塀で囲まれた村のなかへと歩いていく門番の後ろを着いていく。村のなかは様々な種類の店があり、飲食店や服屋、生活用の魔蒸器具を売っている店まである。


「――村には初めて来ましたが結構栄えてるんですね。国内にある街と遜色ありません」


「そう言って貰えるのは村に住む者としては嬉しいですね。ここまで栄えているのは国に近い村であることと鉱魔獣の危険が少ない土地ということが理由だと思います。物流もある程度あり、安心して過ごせていますからね。だからこそ、今回アイアンゴブリンの目撃情報に慎重になっているのです」


 なるほどな、心に余裕があるからこそ小さな情報でも依頼を出すことにしたんだろう。逆に言えばそこまで裕福ではない村は危険な場合が多そうだな。


 自分たちの生活に精一杯になっていたら危険な状態になるきっかけを見逃すこともあるだろうし。


「討伐者様、着きました。ここが村長の家です」


 門番は少し古めかしい家の扉をノックして「村長、討伐者様が到着しました」と声を掛けた。


 すると、扉の奥から「入ってくれ」という声が聞こえてくる。門番は頷いたあと、扉を開いて中へと入っていく。


 その後ろをついていき、入った俺の前に優しそうな目をした白髪の老人が椅子に座っていた。


「この度は依頼を受けていただいて感謝する、討伐者殿。私はシーテラ村の村長であるマーチス・シーテラというものじゃ」


 村長が席を立ち、握手を求めてきたので俺も迷わず手を出してから質問をする。


「ご挨拶ありがとうございます。今回依頼を受けたマヌス・カエリです。依頼概要は聞いていますが、他に変わったことはありましたか?」


「......そうじゃな、特に変わりは無いがひとつだけ気になっていることがある。アイアンゴブリンは村から少し離れた草原で見たと報告を受けたが、そいつはどこから来たのか、とな」


 草原か、俺がアイアンゴブリンを討伐した場所も始まりの草原という場所だったがそれは元々始まりの草原の奥にある森で生活しているアイアンゴブリンが外に出てきているからだった。


「マーチス村長、目撃現場の草原の近くに森はありますか?」


「いや、その草原は本当に開けた場所でな。森どころか隠れる岩も無いくらい見通しが良い場所なんじゃ。だが、見つけた村人が報告してから草原へ戻るとアイアンゴブリンはいなくなっていたらしいの」


「じゃあ、アイアンゴブリンはどこに行ったんだろう......」


 見えなくなるくらい奥に進んでいったのか、あるいは――


「住処に帰ったのか......でも、そうだとしたら何でこんな離れた場所に来たのかがわからないな」


「まあ、鉱魔獣の考えることなど儂たちにはわからんのでな。そこで、討伐者殿にはある程度戦える村人たちと一緒に目撃現場の草原を見て来てほしいんじゃ。感じたことや違和感などなんでもいいから一度調べてみて欲しいというのが今回の依頼になる」


 それくらいなら俺でも出来そうだな。ソルさんとの弾幕訓練のおかげか魔力の変化には敏感になれたから期待されている働きはしてみせる。


「わかりました。まずは、現地での魔力探知や足跡などは残っていないかなどを確認してきます。ですが、もう日も落ちてきたので安全のために調査は明日からでいいでしょうか」


「もちろん大丈夫じゃ。この村には宿屋もあるのでそこでゆっくりと休んで明日の朝から調査をお願いしたい。宿代は儂が話を通しておくので心配しなくても良いぞ」


 宿代まで払ってくれるなんて、俺としては凄い助かるな。気持ちのいいやり取りをしてくれる人だ。


「ご配慮いただきありがとうございます。それでは明日の朝8時に村長の家の前に来るようにするので同行する村人の方にお伝えください」


 そうして俺は外装の整備と調査に必要な道具を買い揃えたあと、宿屋でゆっくりとした時間を過ごすのであった。



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