第30話 「初めての報酬」
「無事に帰ってこれたね~......後は依頼完了報告をして終わりかな~......」
「ですね!総合受付に行きましょうか」
俺たちはアイアンゴブリン討伐の依頼を終えて000に戻ってきていた。
初めての鉱魔獣との戦闘だったこともあり少し疲れてはいるが、報告をするまでが依頼だしな。最後まで頑張ろう。
依頼の報告のために受付へ向かうとアルジェントさんがまだ受付をしていた。
アルジェントさんも俺たちのことを見つけたのか顔に笑みを浮かべたあと、こちらへ手を振ってくれる。
「アルジェントさん、無事依頼が終わったので報告に来ました!」
「マヌス君お疲れ様です。怪我も無く戻って来れたようですね。――今回の依頼はアイアンゴブリン討伐の常設依頼だったので討伐証明部位の鉄で覆われた部位の提出をお願いします。その際にカードも一緒に出していただけるとスムーズに進みます」
「わかりました」
アルジェントさんに言われた通り、背負っていたバッグからアイアンゴブリンから剝ぎ取った部位を入れていた革袋を取り出す。
その後、体内に意識を向けてカードを取り出すイメージを作って手元に討伐者カードを出現させてからカウンターの上に両方置いた。
アルジェントさんが革袋を持ち上げて中を確認してから、後ろの計測装置に置いた。
すると、装置から謎の光線が射出されて革袋を何往復かした後に上部の液晶に15という数値が表示された。
「15体ですか、初めての依頼でここまで狩ってくることは珍しいですよ。これも事前に相当な修行を積んだ結果でしょうが素晴らしいです」
「ありがとうございます。でも、これはルミナさんが選んでくれた依頼だったというのもあると思います。地上戦に持ち込めるアイアンゴブリンだから落ち着いて狩れました」
「そうだよ~......マヌス君もよくわかってるね~......」
俺の横にいたルミナさんがいつものように俺の頭を撫でて褒めてくれる。少し前なら恥ずかしさが前面に出てきていたが流石に慣れてきたな。
「ルミナもありがとうございます。討伐者になって一番危ないのが最初の依頼ですからね。経験のあるベテランが一緒に依頼を見てくれると管理局としても安心して依頼をお願いできます。ただ、マヌス君は安心と油断をはき違えないようにだけはしてくださいね」
「ですね、俺は常に誰かに支えられています。そのことにあぐらをかいてしまうと皆の期待を裏切ることになるので油断はしません。でも、ルミナさんが着いてきてくれるだけで嬉しかったですよ!」
俺とアルジェントさんに褒められたルミナさんは少し恥ずかしそうに頬を染めながら、顔の前で手を振って誤魔化すように「見ないで~......」と言っている。
そんなルミナさんの姿を微笑ましそうに眺めたアルジェントさんは咳払いを軽くしてから口を開く。
「まずは報酬についてお話しましょうか。今回お渡しする金額は2500ジェルとなります。内訳としては達成報酬で1000ジェル、そこに討伐数に100ジェルをかけた1500ジェルになります」
2500ジェルか。うちの宿屋に一日泊まると500ジェルかかるのを考えると結構稼げるんだな。
「わかりました、ありがとうございます。結構貰えるんですね!」
「討伐者には出費が多い職業ですからね。命を懸けて戦っていただいている以上、後悔をさせるわけにはいきません。一昔前は命の価値が今よりも安く考えられていたので一日に500ジェル稼げれば良かったらしいですから改善されて良かったです」
たしかに、今回は食事くらいしか消費しないで依頼を達成することが出来たがもっと時間のかかる依頼だったり、罠をかける必要があればそれだけお金はかかっていくだろう。
あと考えられる出費は外装が壊れることかな。俺の場合はモーチラスさんに凄い外装を貰った分修理代が高くなりそうだしある程度お金を稼げるまでは無理な討伐は控えるべきだな。
「最後に討伐者カードをお返しします」
アルジェントさんから受け取ったカードを見ると、ランクを表すFの横に1/10という数字が書かれていた。
「マヌス君は後9回常設依頼を達成するか、募集依頼を受けていけばEランクになれるでしょう。まずは常設依頼で多くの鉱魔獣と戦ったあとに募集依頼を受けてみることをお勧めします」
「焦る理由も無いので安定を目指して頑張っていこうと思います。――よし、今日は終わりかな!」
「お疲れ様だよ~......どっかで食事してから帰ろうか~......」
これから何かする元気も無いしそれがいいかな。落ち着いた場所でルミナさんから見た改善点とかも聞きたいし。
「あら、じゃあ私もお邪魔してもいいかしら。今日はもう上がりだから帰るところだったのよね」
「そうなんですか!もちろんアルジェントさんも一緒に行きましょう」
「アルジェントにもマヌス君の頑張りを伝えてあげるよ~......ちゃんと複数戦もしてたんだからね~......」
「それも含めて食事をしながらゆっくりと聞かせて貰おうかしら」
それから俺たちはアルジェントさんの準備が終わるまで図書館で少し時間を潰したあとに000を後にした。
三人で外に出ると空はすっかり暗くなっていて綺麗な星が俺たちの上で輝いていた。
【作者からお願い】
もし少しでも、
「面白い」
「続きが読みたい!」
と思っていただけましたら、
下にある☆をタップして
★★★★★にしていただけると嬉しいです!
応援、感想お待ちしております!!!




