第18話 「前日の食事会」
「皆、今日まで修行を見てくれてありがとうございました!明日、合格することを祈って乾杯~!」
「「「「「乾杯~!!!!」」」」」
討伐者試験に向けて頑張っていた最後の修行が終わりを迎えた。
この2年間で俺の身長も伸びて160cm後半程になり、筋肉も付いてきたことで引き締まった身体になった。
成長期だからか、ぐんぐん変化していく体格の影響で攻撃のリーチがおかしくなったり、重心を安定させることが難しくなることもあった。
他にも魔法の訓練や本に載っていなかった崩魔拳術の開拓、ガントレットを用いた戦闘に神導武器の切り替えについて模索した日々――苦しくも楽しく、実りがあった二年の成果が明日出るのか。
そんな感慨深い二年間を思い出しながら、俺は今までの感謝を伝えるために個室がある飲食店にてルミナさんと氷龍の煌めきの皆、そして成長するたびに外装について相談していたモーチラスさんと一緒にご飯を食べていた。
幸い、宿屋の手伝いをしていたことで手持ちのお金は問題なかったので、遠慮する皆に無理を言って俺からご馳走させてほしいとお願いした。
「マヌス君、お疲れ様~......ここまで挫けずによく頑張ったね~......」
「俺がここまで頑張れたのもルミナさんが最初に俺の道を示すために必要な知識をくれたからです!」
俺の隣に座っていたルミナさんが頭を撫でながら祝ってくれた。ルミナさんが俺のことを気にかけてくれなければガントレットの使い方も、成長の方向性も全てわからなかったかもしれない。
もちろん、俺の修行を手伝ってくれた皆に感謝の気持ちはあるがその中でも特にお世話になったのはルミナさんだ。
それは技術面でも精神面でも支えられた自覚があるからこそ心からそう思えるのだろう。
「マヌス、お疲れ様。学術試験も戦闘試験も今のマヌスなら合格できるだろう。君が討伐者になることができたら一緒に依頼を受けてみるのも面白いかもしれないな」
「最初は下手だった盾の扱い方も最終的には及第点くらいにはなったからな。後は油断しなければ問題無い」
「二人とも硬いね~!でも、ソルちゃんも今のマヌス君なら絶対討伐者になれると思うよ!私たちが教えたんだからだいじょ~ぶ!!」
「ルーカスさん、カレンさん、ソルさん!!氷龍の煌めきの皆のおかげで戦闘の幅も広がって知らなかった世界を知ることができました。」
氷龍の煌めきの皆のおかげで鉱魔獣と戦うことの本質を知ることができたし、副産物ではあるが絆を結べたことで新しい力を手に入れることができた。俺の頼みを三人が快諾してくれたおかげで今の俺がある。
「討伐者になったらまず俺の店に来いよ!お前のための蒸気装甲筐体の構想はバッチリだからな。後は明日しっかりと合格してこい!」
「モーチラスさんには今までより更にお世話になると思います。絶対に討伐者になるのでよろしくお願いします!」
モーチラスさんに初めて会ったときにした蒸気装甲筐体を作って貰う約束を果たすためにも討伐者にならなければ。
「さて、注文した食事が用意されるまで時間があるだろう。一度、マヌスのステータスを確認しておかないか?」
確かに!ルーカスさんの言う通り、修行が一区切り付いた今だからこそ皆にも成果としてステータスを見てもらいたい。
「わかりました!皆にも見れるようにしますね『オープンステータス』」
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名前:マヌス・カエリ
年齢:15歳
種族:人族
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【神導武器】
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【Ⅰ進化】原初のガントレット
└ 使用者の心身の成長と経験値によって姿を変える
└ 中心の窪みに魔鉱石を入れることで特殊な蒸気を内部に発生させる
【特殊変化】氷鏡鱗のガントレット
└絆が結ぶ世界の効果により変化した
└ 右手に鋭い歯車の爪、左手に鏡鱗の盾を併せ持つ
└ 鏡鱗の盾に魔鉱石を吸収させることで氷の蒸気を生み出し操ることができる
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【スキル】
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【通常】剣術Ⅰ
【通常】写し身Ⅱ
〈ストック:崩魔拳術【基礎】・崩魔拳術【試作動作】・精霊術発動プロセス・氷龍の煌めき連携〉
※他のストックは削除済み
【通常】格闘術Ⅳ
アーツ〈正拳突き・掌底撃ち・ボディーインパクト・ハンマーブロー〉
《ボディーインパクト=拳を胴体に打ち込み衝撃を内臓に響かせる》
《ハンマーブロー=前かがみの対象へ背中に向けて拳を振り下ろす》
【通常】身体操作Ⅲ
アーツ〈過集中・動体視力向上・硬質化〉
《硬質化=意識的に特定の部位を鉄のように硬く変質させる》
【通常】魔力操作Ⅲ
アーツ〈肉体強化・外部放出・魔力形成・属性変換・螺旋操作〉
《螺旋操作=魔力の放出箇所を中心として周囲を回転させる》
【複合】崩魔拳術Ⅲ
└ 魔力と力を混ぜ合わせ相手を内部から破壊する武術
アーツ〈浸透破・属性エンチャント・螺旋一貫〉
《螺旋一貫=回転させた魔力を付与した突きを刺し、内部を崩壊させる》
【固有】絆が結ぶ世界
└ 絆を深めた者の力を少しだけ得ることができる
└ 絆を深めた先に新たな力を得る
└ 神に絆の先の世界を示すことができる
〈追加効果:斧術の可能性・魔法使いの種・精霊術の半球・氷鉄竜の鏡鱗〉
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【魔法】
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【得意】土魔法Ⅱ
【得意】無魔法Ⅱ
【通常】水魔法Ⅰ
【通常】風魔法Ⅰ
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【称号】
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【初期】神導に招かれし者
└ 神導武器の適正が他の者よりも少し高い者に送られる称号
神導武器の成長を微補正
【成長】始まりの足跡
└ 自分の努力で己に課した試練を乗り越えた者に与えられる称号
心が折れにくくなる
【特殊】神に世界を示した者
└ 新たな可能性を神に示した者に送られる称号
神導武器の変化先に補正
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オープンステータスは自分以外の人にもステータスを公開する際に用いるキーワードだ。倒れた日以降のステータスを誰かに見せるのは初めてかな。
「新しく増えたものは少ないですけど順調に成長している感じですかね。氷鏡鱗のガントレットで氷魔法を使用していたおかげで普通の状態でも水と風の魔法が使えるようになったのは良かったです」
「氷属性は水と風の複合属性だからな、適正が無かったとしても格上の属性を用いて修行していたのなら習得できたのは必然だな」
ルーカスさんの言葉の通り、最初氷の魔力を操るのに苦労するほど扱いが難しく、水と風の魔法を手に入れてからは少しではあるが崩魔拳術への応用も出来るようになった。
これから神導武器が変化していくにつれて新しい属性を使用できるようになれば、その魔法の習得を期待していってもいいだろう。
「私としてはマヌスが盾術を習得できなかったのが心残りだな。神導武器の適正範囲外のスキルだから仕方ないのかもしれないがマヌスには是非習得を目指してもらいたい」
「わかりました。剣術を取得することはできたんです。カレンさんに教えてもらえたことを胸に習得してみせます!」
それから、螺旋一貫についてやルミナさんの追加効果がいつの間にか変わっていたことなどを皆に共有しながら修行の成果を確認していると机の上にご飯が揃った。
「食事も揃ったことなので話の続きは食べ終わってからにしましょう。明日は絶対合格します!では、神よ、恵みに感謝を」
「「「「「神よ、恵みに感謝を」」」」」
今までとこれからの未来を語り合った食事会は空の色とともに、ゆっくりと終幕へ向かっていったのだった。
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