第35話
「ただいま、ミーユちゃん」
「ただいまなのです〜〜」
「おかえりなさいませ、エミリー様、グウェン様」
エミリーとグウェンは街に戻ってランラプトルをギルドに預けてそのまま家に帰って来た。
「ご主人様はもうすぐ戻られるかと思います。
お風呂の準備はしてありますがすぐに入られますか?」
「お風呂だー、ありがとうミーユちゃん。グウェン、入ろう!!」
「ありがとうなのです、ミーユちゃん。私達の実家には流石にお風呂は無いのです〜。準備ありがとうなのです〜」
「どうぞごゆっくり。食事の準備ももうすぐ終わりますので」
「「はーい」」
元気良く返事をしたエミリーとグウェンはバタバタと風呂へと向かっていった。
二人が風呂から上がる前にハルキも家に戻った。
「ただいま、ミーユ。二人は?」
「おかえりなさいませ、ご主人様。エミリー様とグウェン様は先程戻られて、今お風呂です。
もうそろそろ出られるかと」
「そうか。出たら食事にしよう」
「かしこまりました、ご主人様」
しばらくすると二人も風呂から上がり、久しぶりにこの家の住人が揃っての食事が始まった。
「で、エミリー、グウェン。久しぶりの実家はゆっくり出来たかい?」
「そうなのです、ハルキ。私達がDランクに上がってみんなびっくりしていたのです。ね、エミリー!」
「そうそう。ハルキのおかげで稼げてるからお土産もいっぱいだったし、自分達のランラプトルに乗って帰って来たからそりゃもう〜〜」
その後もしばらくの間は自分達がいかに実家の村の人々を驚かせたかを楽しそうに話す二人。
散々話してやっと落ち着いたのかエミリーがハルキに聞いた。
「そういえば、一応何回か連絡はもらったけどそっちはどうだったの?」
「ああ、その事なんだが。
これから先は二人もサノの街と俺の実家の方の二拠点で生活する事になると思っててくれ。
手紙に書いたサバンナの探索と村作りを同時に進めるつもりだ」
「サノの街で新しい家を探してるのに今度はハルキの実家に住むのですか?」
「うーん、俺の実家に住むのは本当に最初だけだな。サバンナの入口に道が出来たらすぐにそこに家を建てるつもりだよ。
実家というよりはその家がもう一つの拠点になると思ってて」
「でも、そんなにすぐに家とか建つですか?」
「そこはドーラさんや領主の力も借りようかと。もちろん、俺も全力で手伝うし、お金も出す事になる。
とにかく信頼出来る人と奴隷である程度村っぽくなるまでは一気に進めたいんだよね」
「まぁ、ハルキが言うなら出来るんでしょ。心配する事ないんじゃない? グウェン」
「確かにエミリーの言う通りなのです。私達が心配しても始まらないです〜」
「とりあえず稼がなくても問題無い程度には売れる素材は集めたよ。
テイムしたのは一番多いのはスライムだけど飛竜や地竜、他の魔物も相当数がいる。ワイバーンはまだ見つけられてないけどね。
それ以外にバニラの配下の魔物や動物、全部合わせたら俺達の配下はもう数千頭になる。
二人と、サヤちゃんとシオリちゃんにはサバンナの探索と同時に出来るだけテイムしてもらう。
そのままワイバーンに辿り着きたい」
「なんか、とんでもない事言ってるのにハルキが言うとなんとかなりそうな気がするですね、エミリー」
「そうだね、グウェン。でも私達にそこまでテイム出来るもんなのかな、ハルキ?」
「その事なんだけど、多分大丈夫だ。ミーユは半分はスライムだけどテイムしてる魔物の数がとっくに千は超えてる。
二人もすぐに慣れるよ」
「千って…」
「ミーユちゃんももう人外になったですね」
「エミリー様、グウェン様。
ご主人様の側で過ごしたせいか魔力そのものもかなり上がってます。
お二人やサヤ様やシオリ様もすぐに同じようになると思いますよ」
「そうだよ、二人共。ミーユの言う通りだと思う。
それに二人にはテイム以外にも道作りの指揮や地図作りなんかもしてもらうつもりだからね。
大変だとは思うけど、よろしく頼むよ。なるべく早く人を用意するからさ」
「慣れたつもりだったけどハルキの行動の無茶苦茶さにはまだまだ驚かされてばっかりだね。
仕方ない、頑張ろう、グウェン」
「う、うー。やるしかないですね〜。そして私達もいつかは通り名のつく様な冒険者になるです〜〜」
そして次の日、ハルキは奴隷商のアンディの元を訪れていた。




