第33話
家に帰り着くとランラプトルを始め狼や残りのスライム達が一斉に水浴びを始める。
「ミーユ、食事の準備をしてくれるか。風呂は俺が用意するよ」
「はい、ご主人様」
すぐにミーユは食事の用意を始めた。
「ハルキ、私も何か手伝おう」
「いえ、風呂と食事以外は特にする事はないので大丈夫ですよ。スライム達もいますし。
ゆっくりしててください」
「そうか、すまないな」
ドーラは素直に家に入っていった。水浴びを終わらせたスライム達が風呂を沸かし始めてランラプトルの食事も用意しだした。
ハルキは家に入り、ミーユを手伝いに行く。
「ミーユも疲れただろう、簡単な物で良いからね」
「はい、ご主人様。ですが下拵えした食材がかなりありますのですぐに終わります。ご主人様も休んでいてください」
「わかった。お風呂が沸いたらドーラさんから先に入ってもらうよ」
ドーラと共にソファーに座るハルキ。
「ハルキ、あのサバンナは凄いな。辺峡とはいえこの国にまだあの様な場所が有るとは。
地竜まで普通に現れたのはびっくりだよ」
「やはり珍しいんですね」
「ランラプトルも地竜の仲間とされているがな。あの様子だとあの先には肉食の地竜や飛竜もいるだろう。
益々ランクの低い冒険者には近寄らせる訳にはいかなくなる」
「飛竜って、ワイバーンですか?」
「ワイバーンは勿論だがもう少し小型のものも含める。
勿論ワイバーンもいるかも知れない」
「つまり、ドラゴンと飛竜と地竜がいて、飛竜はワイバーンを含め空を飛ぶもの、地竜には肉食と草食がいると言う事ですか?」
「そんな感じだ。ドラゴンも飛竜だとする説もあるが、良く使われるのはドラゴン、飛竜、地竜の三種の分け方だな」
ドラゴンは世界に二一頭だけ存在するとされている。その内の一頭がドーラの仇であり、ハルキが鱗を見つけた双頭の紫龍だ。
「その先に行くとやはりドラゴンがいるんでしょうか?」
「わからないが、あの広さであの生き物の数だ。生息地としては充分だろう」
「そうですか。今日テイムしたトリケラトプス達も含めて育てていけば、きっと辿り着けますよ」
「ああ。だが焦りは禁物だな。あの丘の上まで道を作り、村を作り、少しずつサバンナを探索していく。
年単位の仕事になるだろう。
それをやりながら少しずつでも力をつけないとな」
「はい」
「ワン!」
バニラも配下を増やすつもりの様だ。
「ドーラさん、そろそろ風呂が沸きそうです。先にどうぞ。ミーユも続けて入ると思います」
「ああ、ありがとう」
ドーラが風呂に入るとハルキは再びミーユの元へ向かう。
「もう出来そうか?」
「はい。後は最後の仕上げです」
「それじゃ、ミーユも風呂へ。ドーラさんと一緒に入ってくれ」
「はい、ご主人様」
ミーユもそのまま風呂に行き、先にドーラが出てくる。
「ハルキ、いい湯だったよ。お前ももう入れ」
ドーラもわかっているのかハルキにミーユと入る事を勧めた。
「はい」
ハルキが風呂に向かうとドーラは少しだけ挙動不審になり、近寄って来たバニラとライム、それにチョコを撫で回す。
「クーン」
バニラがドーラを癒す様に鳴いた。
ハルキとミーユも風呂から上がり、食事をしながら今後の話をする。
「とりあえずサバンナの事は私からギルマスのアートと領主には報告する。昨日話した方向で話を進めようと思う。
構わないか?」
「そうですね。サノの街からあの丘に続く道が出来ればここを知られないで人はすぐに増やせますよね。
なので、従魔やバニラの手下にはまずその道を作って貰おうかと思います。
俺はその間にここにたまに来て、従魔を増やしたりバニラの配下を増やしたりしながら、サバンナを探索して行きます」
「そうだな。ハルキも今からまだサノに家を買うんだしな。
同時にエミリーにグウェン、サヤにシオリの底上げもしてもらいたい。
こちらからも必要と思われる人材は派遣出来る様にするよ」
「はい、それでお願いします」
今後の予定が決まり、次の日にはドーラは一人サノに帰って行った。
「ミーユ、俺達はもう数日、サバンナを探索する。
ミーユにも従魔を相当増やして貰うが大丈夫そうか?」
「はい、ご主人様」
「よし、じゃあバニラ、俺達が着く頃に丘に配下を集めておいてくれ。
今日は道作りの準備だけにする」
「ワンッ」
それから数日間、ハルキ達はサバンナを探索して従魔や配下を増やし続けた。
その間にも丘からの道は少しずつ切り拓かれていく。このままいけばウワノ村の側で街道に出る事になる。
ハルキがサノの街へ帰る日にはサバンナいるハルキ達の従魔とバニラの配下は合わせて数千にも及んでいた。




