第31話
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次の日、朝早くに家を出たハルキ達はサバンナへ向かう。
「ここがドラゴンの鱗があった場所です」
途中、ハルキはドーラにドラゴンの鱗や牙、ワイバーンの死体のあった場所を教えた。
「ここがそうか。空中戦だろうが思ったよりも近いな。ここまで来ていたとは…」
場所だけ確認してそのまままた森を走る。
「ドーラさん、もうすぐサバンナに着きます。見渡せる場所に着くので、そこで休憩しましょう」
「わかった」
サバンナを見渡せる丘の上に着くとドーラはその下に広がる光景を眺めて呟いた。
「なんというか…想像してた以上だな」
「まだ見える所の手前までしか行ってません。休憩したら降りましょうか。バニラ、斥候に出てる狼達は? 半分位戻すか?」
「ワン。
ワォーーン」
バニラが遠吠えをして合図を送った様だ。
ミーユが食事を準備する間にドーラとハルキは今後について話し合う。
「ハルキ、この広さで更に先が見えないとなると広まれば相当な数の冒険者が集まるだろう」
「そうですか。たまたまですけどこの場所が割と安全そうなんで、ここを広げて道を作るのが良いかと思ったんですが」
「ああ。村を作るならここが良さそうだ。だが、道を作るとなると相当な期間がいるだろう。
どうにかなると思うか?」
「そうですね。結構大きな魔物なんかもいるので、片っ端からテイムしてスライム達と道作りしてもらうかですね。
誰か住める様になれば自分が受け渡していけば数は増やせそうですが」
「そうだな。馬車まで通れなくても馬やランラプトルが通れれば良いならその方法でなんとかなるか」
ドーラとハルキの話しているうちにミーユは準備を終えた。
「ドーラさん、食べましょう」
食事を済ませると三人は丘を降りてサバンナに入った。そこに数頭のスライムを乗せた狼が帰ってきた。
「ワンッ」
バニラに報告をする狼達。バニラはハルキとドーラの顔を見た。
「どうするか聞いているのか?」
「ワン」
「ドーラさん、どうします? 狩りをするか、先の方を見に行くか? それか早速大物のテイムから始めますか?」
「そうだな、とりあえず先が見たい。行けるところまで行って、帰りに出来るならテイムしながら帰る。それでいけるか、バニラ?」
「ワン」
どうやら問題無さそうだ。
「ドーラさん、ならそれで行きましょう。バニラ、行きは魔物の少ない所を通って。珍しそうなのがいたら教えて」
「ワオーン」
バニラの号令に斥候の狼達が先行してサバンナを行く。少し離れてバニラを先頭にハルキ達が続く。
ハルキ達が通る場所には魔物達の姿は無い。斥候達が追いやっている様だ。
昨日ハルキが来た場所を通り過ぎてしばらく走った所に一頭の狼が戻って来てバニラの前に止まる。
「ワン」
バニラはハルキ達について来いと促し再び走り出した。
「ドーラさん、何かいた様です」
「ああ、油断するなよ。ミーユも気をつけろ。ハルキの後ろから出るなよ」
「はい、ドーラ様」
前方から狼達の吠え立てる声が聞こえて来た。
ハルキ達が辿り着くとそこには昨日から出している斥候の狼達が巨大な生き物の群れを崖側に追い立てていた。
「あれはゾウ、ですか?」
ハルキがドーラに聞く。
「ああ。この国にはいないと思っていたが…いずれにしても魔物では無いからテイムは無理だ。
素材としては相当な物だが、どうする? 狩るか?」
「ワンッ!!」
ハルキとドーラの前にバニラが出て二人を止めた。
「ん? バニラ? どうする気だ?」
「ワン」
見てろと返事をしたバニラはライムを乗せたままゾウの群れの中へ突っ込んで行く。
「ガルルルー ワオーーン!!」
「デレデレン」
群れのボスらしきゾウに襲いかかったバニラとライムはあっという間に横倒しにして上に乗る。
ゾウの耳元でバニラが一吠えすると群れ全体がその場に座り込んだ。
「ワォーン」
バニラの勝鬨に周りの狼達も吠え立てる。
スッと上から降りたバニラに立ち上がり鼻を擦り付けるボス。
「バニラ、それってもう配下にしたのか?」
「ワンッ」
当たり前だと返事をするバニラ。
狩るのを止めたのはその為だと言う顔でハルキ達を見る。
「ハルキ、バニラはやはりエンペラーウルフだな。ゾウの群れまであっさり配下にするとはな」
ハルキは元の世界を思い出していた。
テレビで見ただけだが、元の世界でもインド象は山で使役されていた。アフリカ象は気性が荒くて無理だと聞いた気がする。
「バニラ、そのゾウ達に道作りを手伝ってもらえるか?」
「ワン」
最初からそのつもりだよと返事をするバニラ。
「そうか。じゃあ、ゾウ達の管理はバニラに任せるよ。人を襲ったりしない様にだけ、ちゃんと言い聞かせてね」
「ワオーン」
バニラの声にゾウ達はゾロゾロと歩き出した。ハルキ達の降りて来た丘の方へ向かった様だ。
「ワン」
先に行こうとバニラがハルキ達を促す。また斥候の狼がサバンナの先に一目散に走り出した。
「ドーラさん、行きますか」
こうしてハルキ達はどんどんサバンナを進んで行った。




