第25話
いつもありがとうございます。更新バラバラですが宜しくお願いします。
南へ向かう街道を順調に走るハルキ達の乗ったランラプトル。その前を走るバニラの上にはライムが乗っている。
「ランラプトルには初めて乗りましたが思ったより揺れませんね、ご主人様」
「ああ。馬と違って従魔だから、こちらの具合を良くわかってくれてるみたいだね」
ミーユは久しぶりの街の外に目を輝かせている。
「このペースだと結構早く着きそうだ。途中でドーラさんの地元のウワノ村があるけど、今回は素通りするつもりだし。
後は山道がどの位通りやすくなってるかだね。向こうに残してあるスライム達が整備してくれてるはずだけど」
「なるべく遅れない様には致しますが、流石に山道をご主人様のスピードに合わせて走る事は私には無理です。お急ぎでしたら置いて行ってください。ムーンやスライムに案内してもらえば辿り着く事は出来ると思いますので」
「そんな事しないよ。特に急いでいる訳でも無いし。今回は魔石集めがメインで向こうにいる従魔達に手伝ってもらう為に帰ってるだけだから。
一応一月位はかかるって言ってあるし」
ハルキがカミーノ工房に伝えた、魔石を集めるのに必要な時間だ。だがハルキは一週間でなんとかするつもりだった。
スライムに狼、今は大牙狼達もいる。大物を狙う様に指示して狩れば一週間もかからず集める事が出来ると思っていた。
「ミーユ、向こうに着いたらミーユはドーラさんが来ても数日大丈夫な様に掃除とか泊まりの準備をしてね。
後、もう少しミーユのスライムを増やすつもりだから、あっちにいる育った奴をミーユに受け渡すよ。
狩りの途中である程度スライムをテイムして居残り組と一緒にする」
「かしこまりました、ご主人様」
ランラプトルはどんどん道を進み、ウワノ村を通り過ぎる。
「ワン」
バニラが吠え、道を外れて森に足を踏み入れた。
「ワオーーーン」
バニラが遠吠えし、ハルキの顔を見てからその場に腰を下ろした
「ミーユ、ここで休憩しよう」
「はい」
朝からミーユが作った弁当を広げて食事を取る。
「ご主人様、この先は歩きでしょうか?」
「うーん、どうだろう。少し行った所から先はそれなりに道にはなってるんだけど、ランラプトルが通れる程になってるかはわからないな」
「そうですか。なるべく足手まといにならない様にします」
「そんな事考えなくて良いよ。無理しちゃダメだから。
それより、食べてる間に迎えが来るから、それまではゆっくり休もう」
食事を終えてしばらくすると森を駆けてくる足音が聞こえ出す。
「ワオーン」
バニラの声に呼ばれた数十の狼が森から姿を現した。普通の狼と大牙狼、入り混じっているが半分程はスライムを乗せている。
最後尾からぴょこぴょこと一頭の大牙狼がハルキの側へやってきた。
「おー、チョコ! お前も無事に着いてたかー」
大牙狼で唯一、ハルキがテイムしている子狼、チョコがハルキの側に来て鼻を擦り寄せる。
続けて二匹のスライムがハルキの前に並ぶ。
「ん? お前らはエミリーとグウェンのスライムだよな。今日はあの二人は来てないんだよ。また今度連れて来るからさ。みんなと仲良くやってるか?」
「ピョン」
二匹のスライムはほんの少し寂しげに跳ねた。
「ワン!!」
バニラが吠え、狼達が動き出す。
バニラはハルキの方を見てそろそろ行くよと言いたげだ。
「よし、ミーユ行こうか。とりあえず乗れる所まではランラプトルに乗って行こう」
木々の間を走り出した一行はしばらくして大木の倒れている場所まで辿り着いた。
「ここも通れる様にしたんだ」
倒れた木の真ん中がくり抜かれて道が出来ていた。その先も以前より道が広くなっている。
「ミーユ、この様子だとこのまま乗って行けそうだ」
「はい、ご主人様」
「バニラ、途中でスライム増やしたいからどこか良い場所でみんなに集めさせて」
「ワン」
任せろ、とバニラが吠えた。
少し先の広くなった場所でバニラが止まり、狼達が森に散っていく。
十分程すると狼達は順番に新しいスライムを連れてハルキの前に戻って来た。
「ミーユ、このスライムは俺がテイムするよ。家に着いたら狼の上にいる子か家で留守番してる子をミーユに受け渡すね」
「かしこまりました、ご主人様」
「バニラ、もし雲切隼がいたらそれも欲しい。サヤちゃんとシオリちゃんにもテイムさせておきたいから」
「ワンッ」
どうやら最初から雲切隼とランラプトルはいれば捕まえるつもりの様だ。
ハルキは結局五〇匹程新たなスライムをテイムして家までの最後の道のりを進むのだった。




