第24話
読んで頂きありがとうございます。更新バラバラですが宜しくお願いします。評価、ブックマーク等全て励みになります。感謝。
肩を落として歩くシオリとサヤ。ハルキは同じ目に合った者として親近感を覚えていた。
「まあ、そんなに気にする事ないよ。ギルドでもすぐに忘れられるって」
ハルキはそう言ったが実際にはハルキが思っているより忘れられてはいない。今でもギルドでハルキを陰でコールの、と呼ぶ人間はいる。ハルキに面と向かって言う人間がいないだけだ。
「あんな目に合うなんて…やっぱり冒険者になんてならなきゃ良かったわ」
後悔を隠せずにサヤが呟いた。
「サヤ、ごめんね。でも私一人だったら本当に耐えれなかったかもだから、私は一緒にやってくれて助かったわよ」
傷を舐め合うサヤとシオリ。
ハルキの家に帰り着く頃には日は暮れかけていた。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
ミーユが三人を出迎える。
「ただいま、ミーユ。引っ越しの片付けは終わった?」
「一通りは終わりました。お食事になさいますか? お風呂は今エミリー様達が入られてます。そろそろ出られるとは思いますが」
「そうだな、サヤちゃん、シオリちゃん、食事は用意するけど、風呂も入って行く?」
「お風呂あるんだ。シオリ、入らせてもらおうか」
「うん、久しぶりだし、是非」
エミリー達が風呂から出ると入れ替わりにミーユの説明を受けたサヤ達が風呂へ向かった。
「ミーユ、簡単な着替えある? 無ければ買ってきて」
「ハルキ、私達のがあるですよ」
「そう、ミーユちゃんが片付けてくれたら新品の服とか結構出てきたの。全部洗濯しなおして貰ってるから、キレイだよ」
家はどんな状態だったんだかと思いながらもミーユが受け取り脱衣所へ持っていく。
「ミーユ、食事はもう準備出来てるの?」
「はい、ご主人様。最後の仕上げだけ残してありますが」
「そうか。じゃあ二人が出てくる前に作り終えてしまおう。俺達が風呂に入ってるうちに先に食べ始めてて良いから」
サヤ達が風呂から出る頃には料理も並び、エミリー達はもう飲み出していた。
「あー、良い湯だったー」
「ありがとう、ハルキ君」
「ああ。俺は今から入るから先に食べてて良いよ」
「サヤちゃん、シオリちゃん、食べるです〜」
「ミーユちゃんの料理は絶品だよー、食べよう」
ハルキ達が風呂から出てきた時にはエミリー達とサヤ達はは完全に打ち解けていた。
「ハルキ、サヤちゃんもシオリちゃんも良い人なのです、仲良しになったのです〜」
「そうか、それは良かった。依頼を受ける前から合わないって言い出したらどうしようかと思ってたよ」
六人揃って本格的に食事が始まり、酒も進んだ所でサヤがハルキに聞いた。
「ところで、ミーユちゃんはハルキ君の恋人なの? お風呂も一緒に入ってたし。ハルキ君と初めて会った時は次会ったら飲もうとか言っちゃってたけど、サノに来てすぐに一緒に住む仲の人ができたの?」
「サヤ様、私はご主人様の奴隷でございます。ご主人様は何でも出来る方ですので、少しお手伝いさせて頂くだけですが」
「えっ、あっ、奴隷なんだ…ごめんね、普通に仲の良い恋人かと思ってた」
「サヤちゃん、ミーユちゃんはハルキの奴隷ですが神なのです。奴隷だからって見下したらサヤちゃん達でも私が許さないのですよー」
「そーだそーだー」
「いや、見下したりしないから。ミーユちゃん、ごめんね変な事言って」
「いえ、ご主人様のお仲間になられた方です。何でも仰ってください」
「まぁ、あんまり気にしないでくれ。奴隷だけどミーユは俺の家族みたいなもんだから。
仲良くしてやってくれたら良いよ」
ハルキの一言で落ち着いた場は何故かその後エミリーとグウェンによるハルキの愚痴大会と化していった。
結局ミーユのベッドでサヤとシオリが眠り、ミーユはハルキのベッドに一緒に眠る事になった。
翌朝、ハルキが目を覚ますと既にミーユの姿は無く、朝食の準備に取り掛かっていた。
「おはよう、早いね」
「おはようございます、ご主人様。人数が多いので念の為早目に用意してました。起こしてしまいましたか?」
「いや、トレーニングの時間だし。それじゃ行ってくるよ」
ミーユに見送られて走り出すハルキとバニラ達。
「それにしてもバニラ、どうしたら良いと思う?」
「ワン?」
何の話だと言いたそうだ。
「今日から実家に帰るつもりだけど、シオリちゃんどうしよう?」
サヤはもう一日休みだと言っていた。だがサヤはそもそも仕事がある。それに比べてシオリは冒険者だけだ。そうなると普通は依頼を受けるものだ。
「ワン」
「ピヨーーン」
バニラとライムが同時に返事をした。
「とりあえず簡単な依頼をして待っててもらうか。ライムが言いたいのはあれか、従魔だよなぁ」
簡単な依頼を受けてもらうとはいえ、初心者が一人だと安心して出来るとは限らない。ましてやシオリはヒーラー系である。
「やっぱり、ミーユから育ってるの分けておいた方が良いかな、ライム?」
「ピヨーーン」
「ワン」
ライムもバニラも意見は揃っている様だ。
「よし、それじゃトレーニング終わったらミーユのスライム一匹ずつサヤちゃんとシオリちゃんにテイムして貰おう。バニラ、ライム、一匹で足りる?」
「ワン」
「ピョン」
どうやら問題は無さそうだ。
ハルキ達がトレーニングを終わらせて風呂に入った後、起き出したサヤとシオリにミーユのスライムを一匹ずつ受け渡す。
「このスライム達は結構強いから、普通の狼数頭位なら余裕で倒すよ」
「ビシッ」
ライムはもっといけると言いたげだ。
「昨日も言ったけど今日から一週間位は街を離れるからさ。その間エミリーとグウェンも実家に帰る。今回はミーユも連れて行くから、二人はその間怪我とかしない様にね。
俺はドーラさんとも合流する予定だから、何かあったらギルマスのアートさんの所へ。あの人なら俺への連絡手段を持ってるから」
「わかったよ、ハルキ君。私はどうせ仕事があるし。シオリは?」
「私はサヤと違って冒険者一本だからね。極々簡単な依頼だけ受けて待っておく事にするわ」
朝食を済ませた後サヤとシオリは自分達の家に帰り、ハルキ達は荷物を持ってギルドに向かう。ランラプトルに乗って里帰りだ。昨日のうちにミーユが二人乗りの鞍も用意していた。
ミーユもスライムを三匹連れて行くので留守番はスライムが五匹だけだが、かなりの使い手でないと侵入する事すら出来ないだろう。
「それじゃ、一応七日で帰るつもりだから。エミリー達も予定わかったらまた連絡してー」
「はーい、ハルキも気をつけてね」
「気をつけるですよ〜」
ハルキとミーユは二人乗りで南門へ。エミリーとグウェンは一頭ずつ操り西門へ。それぞれの里帰りへ出発していった。




