第21話
ハルキはカミーノ工房を後にして周辺を散策した。工房や武器屋などが集まるこの地域では冒険者や商人らしき人達が忙しそうに行き来している。
「ここで良いか」
ハルキは昼食を取ろうと一軒の食堂に入った。初めての店、混雑する昼時なのでバニラ達は表で待機している。
店員は忙しそうにしていたが並ぶ事はなく最後の空いたテーブルにハルキは座りメニューを見る。
「結局日替わり頼んじゃうよな〜。すみません〜、日替わり一つ」
「あいよー」
混雑する店内は冒険者らしき者、工房で働く者、商人らしき者が同じくらいの割合で座り、時間を惜しんで食事をしている。
「お客さん、相席良いかい?」
店の女将らしき女性がハルキに声をかけて来た。
「構いませんよ」
ハルキが答えると女将は入口の客を招き入れる。
「すみませーん、相席失礼します〜って! ハルキ君じゃない」
「あれ、南門の」
ハルキの前に座った二人の女性のうち、一人は初対面だったがもう一人はハルキがサノの街に来た時に会った門番の女性だった。ハルキとは街で会ったら飲みに行こうと軽い約束をしていた。
「ついに会ったね〜、昼間だけど」
「そうですね。そう言えば俺、おねーさんの名前も知らないです。よくこの辺に来るんですか? 自分は滅多に来なくて、この店も初めてなんですよ」
「私名前言ってなかったっけ? 私はサヤ、そしてこの子はシオリ。この辺は割と家が近いからたまに来るよ。でも今日はこの子の付き合いなの」
「サヤさんとシオリさんですね。初めまして、シオリさん。ハルキと言います。冒険者です」
「あ、シオリです。よろしく」
「ハルキ君、タメ口で良いしさん付けやめて〜。年も殆ど変わらないし。それよりちょうど良かった。この子今から冒険者になろうとしてるんだけど、食べたら相談に乗ってくれない?」
「相談? まぁ俺でわかる事なら」
サヤとシオリも日替わりを注文して、とりあえず食事をしながら話す三人。
「シオリは冒険者目指してサノに来たんだけど、この子はヒーラー系が得意なの。まだギルドに登録もしてないんだけど、一人だと依頼こなすの大変そうなのよね。
どう思う、ハルキ君?」
「うーん…確かにヒーラー系だと誰かと組まないとしんどいかも。簡単な依頼でも何かしらの攻撃手段が無いと、狩りは出来ないし。
採集にしても身は守らないと駄目だし。
それに最初にギルドで実技試験あるけど、攻撃手段が無くても通るもんなのかな」
「ち、違うよ、ハルキ君。私は得意なのがヒーラー系ってだけで、剣も攻撃魔法も多少は使えるの。
でも、ランク上げていこうと思ったら一人じゃ無理なのかな、って」
「うーん、どうなんだろう。パーティーとしてのランクってどんな扱いなのか俺もわかってないんだよね。
俺の場合は従魔と纏めてだと一つ上がる扱いだとは言われたけど」
「ハルキ君も冒険者になってまだ二ヶ月くらいだよね? ランクは上がった?」
「俺は今はCランクだよ」
「「えーー!?」」
「そんなに早く上がる人滅多にいないよ」
「いや、俺の場合は元から田舎で結構狩りとかしてたから。それに従魔達が優秀な上に、上のランクの依頼も組んだ二人と結構こなしたからね」
「ハルキ君、それならシオリも一緒に組んでやってくれない? お試しとかでも良いからさ」
サヤがここぞとばかりにハルキに振る。
「是非お願いします」
シオリも乗っかって頭を下げてきた。
「ちょ、ちょっと待って。今一緒にやってる二人もランクはDだし、話もせずに勝手に決めれないよ。
それに今日からしばらくは依頼を受ける予定も無いんだ」
「「そこをなんとか!!」」
相変わらず人に頼まれるとノーと言えないキョロ充日本人のハルキが陥落するのは食事の後のスイーツのお店の中だった。
読んで頂きありがとうございます。
更新バラバラ、話も中々進みませんが、何卒よろしくお願いします。




