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アラフィフになったキョロ充、異世界に行く  作者: アカピロ
第四章 キョロ充、男になり目標を目指す
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第20話

いつもありがとうございます。

 ギルドを出たハルキは前にツケで買い物をした魔道具の店、『ワコー商会』に向かった。


「すみません、遅くなりました」


 支払いを済ましたハルキは店内をまた見て回る。ハルキはまとまったお金を手にした事で家以外の事も考えていた。


「すみません、ここにある魔道具はどこで作られてますか?」


「サノの街の工房で作られている物もありますが、王都や他の国からの輸入品もありますね。

 サノの街は素材は集まり易いですが王都の方が職人は多いので」


「この前買った冷蔵庫なんかはサノでも作られてますか?」


「あの商品はサノの工房ですね。結構腕は良い工房です。でもどうしたんですか?」


「いや、ちょっと商品開発というか。こんな機能の魔道具が欲しいってのがあるんですが作れるか相談したくて」


「うーん、物にもよりますが相談位は出来るかと思います。ハルキ様はドーラ様のご紹介ですし、うちから工房を紹介しても構いません。

 ですが、もし良い品が出来るならうちの店に優先的に取り扱わせて頂きたいですね。差し支えなければどういった物をお考えか教えて頂けますか?」


「えーっと、空調機器なんですけど」


 ハルキが考えていたのはエアコンだった。もう夏だ。我慢できない程ではないが次の家に住む時にはエアコンをつけたかった。技術的にも冷蔵庫や冷凍庫があるのなら不可能では無さそうだと思ったのだ。


「空調機器、ですか。風を送ったりするという事でしょうか? それなら今は在庫はございませんが、仕入れる事は出来ますが」


「いえ、ちょっと違いますね。大きな冷蔵庫を付けて部屋全体を冷やしたり暖めたりする感じです」


「部屋全体ですか…昔そういった商品を作る試みはあったようですが、一般には出回る事はありませんでしたね」


「何故ですか?」


「部屋を冷やす程の魔力を継続して供給するのが厳しいという事でした。風を出すだけでもかなりの魔力が必要ですので」


 確かにハルキの買った冷蔵庫などもスライム達が魔力の供給をして温度を保っている。普通の家になど中々維持出来る物ではなかった。


「魔力の供給の当てはあるので工房を紹介して頂けませんか? 今度引っ越す時には出来れば家に付けたいんです」


「わかりました。今紹介状と地図を用意します。南西エリアにある『カミーノ工房』です。ワコー商会のワコからと言えば伝わりますので」


「ありがとうございます。それじゃすぐに行ってみます」


「はい、良い品が出来れば是非うちに取り扱わせてください」


 ワコー商会を後にしたハルキは馬車を乗り継ぎ南西エリアの職人街へと向かう。


 武器や防具、日用品などを作る工房が立ち並ぶエリアの奥にその工房はあった。見た目は古いがしっかりとした作りの小さな工房だ。

 入口に小さな看板がある。扉を開けて中へ入るとカウンターに呼び鈴の様な物が置いてある。ハルキはそれを鳴らしてみた。


「はーい」


 奥から現れたのは年季の入った作業服を着た若い女性だった。年齢は二十台半ばといったところだ。


「すみません、ワコー商会のワコさんから紹介されて来たんですが」


 ハルキは紹介状を手渡した。


「ワコから? 珍しいわね」


 受け取った紹介状を開き中身を読む女性。


「へー、ワコに紹介したドーラってあの蒼飛竜のドーラだよね。そんな人の紹介なんだ。

 まぁいいわ。私がカミーノ工房のカミーノ。今は一人でやってる。

 で、何を作りたいの?」


「部屋全体を冷やしたり、暖めたりする空調機器なんですが、作れますか?」


「冷蔵室とか冷凍室、って事?」


「いえ、普通の居住空間です」


「理論的には出来なくはないわよ。実際冷凍室とか冷蔵室はこの街にもあるから。小さいけどね。

 でも、普通の家だとすると建てる時に断熱とか色々仕込まないと駄目ね。それでも締切じゃないから運用に必要な魔力が桁違いになるわね。

 うちの工房だけで作れる様な物じゃないから他所にも仕事頼まないと駄目だし。あんまり現実的じゃないなぁ」


「魔力の供給はなんとかなると思います。家はこれから買うか建てるかするつもりなんで、手は加えられます」


「そうなってくると後は魔石の確保かなぁ。かなりの大きさか数が無いと魔力を貯めるにしてもすぐに無くなっちゃうから。

 でも、それだけの魔石なんて売ってたとしてもとんでもない金額になると思うよ」


 ハルキは手持ちの魔石を思い出すが大した物は持っていない。あのワイバーンには魔石は残っていなかったのだ。


「一つだとどの位の大きさが必要だと思います?」


「うーん、握りこぶし位かな。小さいのを集めるんだったらその数倍は要ると思うわよ。

 それだけの数、なんとか出来るの?」


 普通に猪系などの魔物から取れる物だと握りこぶし一つでも百ではきかない。だがハルキは何とかなると思っていた。


「それも何とかします。なので設計だけでも取り掛かってもらえませんか?」


「ワコの紹介だからそれ位はやるけど、前金としてそれなりの金額を頂くわよ。二百万って所かしらね。

 そんな大物の設計やってるとその間仕事出来ないから。

 それに魔石が準備出来なくなっても返金は無し。

 それでも良い?」


「構いません。で、作るとなるとざっとどの位かかりそうですか?」


「魔石持ち込みで処理はこっちだとして…他の建築系の業者とかはざっくりだけど三千万位は見ておいて欲しいかな。あくまでもざっくりだけど」


「わかりました。二百は今支払います。魔石を集めるのに多分一月位はかかると思うので、それまでにある程度進めてもらえますか」


「わかった。今入っている仕事が後数日はかかるから、それが終わったらかからせて貰うわ。それで良い?」


「はい。後、送風機みたいな物は在庫はありますか?」


「うん、今出して来るよ」


 カミーノが送風機をハルキの前に差し出した。


「これ、改造して冷たい風が出る様になりませんか?」


 冷風機をイメージしながらハルキが説明する。ふむふむと聞くカミーノは頭の中で作っている様だ。


「それなら割と簡単に出来そうだわ。魔力はいるけど冷蔵庫程度で済みそうだし」


「これも同時進行でお願い出来ますか。魔石は手持ちのを出しますので」


「先にこちらをかからせて貰うわよ。十日後に一度来てくれるかしら」


「はい。それじゃ宜しくお願いします」


 ハルキは二百万と手持ちの魔石をある程度渡す。なるべく大きめのを三十個程だが、まだ握りこぶし半分弱だ。


「この大きさなら空調機器にも使えるかと思うけど、後十倍位欲しいわね。頑張って」


 ハルキは数千万の投資でエアコン作りに取り掛かっていった。



 





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