第19話
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従魔とエミリー達が風呂から出て来た時にはすっかり食事の用意は終わっていた。いつもと違うのはそれが食堂ではなく庭だという所だ。
「ハルキ、わざわざ外で食べるですか?」
庭に置いたテーブルに四角い七輪の様なコンロ。網の下にはには炭が燃えている。
「中でも良いんだけど、今日は外の方が美味しそうな気がしたからさ。依頼の途中とかいつも外で食べてるけど、高級肉でするバーベキューは別もんなんだよ」
「なんかよくわからないですけど、ハルキがそう言うならそれで良いのです〜〜」
「わーい、高級肉だ〜〜」
「じゃあ焼いていくよ〜〜、ミーユ、ビール頂戴」
「はい、ご主人様」
「はい、じゃあみんな領主の依頼完了という事で、カンパーイ」
「「カンパーイ」」
そこからハルキが肉を順番に焼いていく。
「まずはタン。塩胡椒してあるから、そこのネギ乗せて食べて。ネギにはレモン絞ってあるから」
この世界ではあまりメジャーな食べ方ではないのか不思議そうな顔をして口に入れるグウェン。
「お、美味しいのです。エミリーも食べてみるのです」
「ホント? いただきまーす!
う、美味い〜〜!」
どうやら二人とも口に合った様だ。
「ほら、ミーユも食べな。俺の好みも覚えてもらいたいし」
「はい。頂きます、ご主人様」
ミーユも口に入れてすぐに美味しい顔をしている。
「次はホルモン、タレ揉んであるからそのままで」
「これも美味しいのです〜、ビールが進むのです〜〜」
ハルキは自分の好みで順番を決めて出していく。元の世界にいた頃も焼肉は割と決まった順番で食べていたハルキ。
タン塩からのホルモン、ハツとミノ、そしてカルビとロース。
一巡してからは好きな順番で食べる。野菜も時折混ぜながら、次々と焼いていくハルキ。
「ハルキはホントに料理が上手いのです〜〜」
「私達もお肉を焼いて食べるけど、なんか色々違う…」
「ご主人様の料理は本当に美味しいです。私にこの真似が出来るか不安になります」
「大丈夫だよ、ミーユ。タレの作り方覚えたら後は大差無いよ。
それに焼肉は何人かでパーっと食べると美味しくなるから」
皆が満足いくだけ食べ終わり、全員で片付けを始める。
「エミリー、グウェン、段取り教えるから頑張って」
ハルキの指示の元それなりに片付けを手伝うエミリー達。
「何かハルキに言われてやると片付けしても失敗しないんだよな〜」
「そうなのです。ハルキに言われるといつもとやってる事は変わらないのに何故かちゃんと出来るですよ」
片付けを終わらせて室内でそのまま飲み直すハルキ達。
「ハルキ、明日から休みだし、引っ越しを本格的に始めようと思う。それで、ミーユちゃんとマジックバッグを借りたいんだけど」
「そうだよな。マジックバッグがあるのと無いのじゃ全然違うよな。
ミーユがいないととてもじゃないが終わる気もしないし。使ってないマジックバッグがあるからそれを渡しておくよ。
ミーユ、ミーユは二人の家で要らない物は全部捨てて来てくれ。
むしろ服以外は全部捨ててきても良いよ」
「かしこまりました、ご主人様」
そして次の日、ハルキはいつもの様にトレーニングから戻り朝風呂を済ませ朝食を取る。そしてバニラ達を連れてギルドへ向かった。
「おはようございます、ドーラさん」
「おはよう、ハルキ。ちょっと今バタバタしてるからしばらく待ってくれるか」
「わかりました」
食堂でお茶を飲みながら待つハルキ。朝のギルドは相変わらず忙しくしている。
しばらくのんびりと待っているとドーラがやってきた。
「ハルキ待たせたな。応接室へ来てくれ」
ハルキがドーラに連れられて応接室へ行くとそこにはアートの姿があった。
「ハルキ、査定に時間がかかって申し訳なかった。これが明細だ」
アートはハルキに一枚の紙を手渡す。ハルキが受け取りその数字を数える。
「イチジュウヒャク………
アートさん、二億四千万ジェニーになってるんですけど!?」
「ああ、そこにも書いてある様に、ワイバーンの素材が一億五千万、ドラゴンの鱗が一枚三千万で三枚。後の二枚のうち一枚は領主へ献上してもらう事になっているから入ってない。
もう一枚はワイバーンの一部と合わせてハルキ達の防具類になる。
今回はドラゴンの牙は入ってないからな。ハルキが思っていたより低いとするとそのせいだ」
「いや、逆です。こんなに貰って良いものなんですか? 桁が違うとは聞いてましたけど、もう一桁違いました」
「そうか。一応これが適正な買取り額だと思う。ワイバーンは完全な状態だと最低二億からだ。今回は背中の一部が抉られていたのでな。
ドラゴンの素材はそもそもほぼ出回る事がない。これでも安いという者もいるだろう。ドラゴンの鱗が使われた盾など、市場に出れば数千万クラスだからな。
当然ドラゴンの素材を扱える様な職人は少ないし、その取り分もかなりの割合にはなるが」
「そうなんですね。それにしてもあまりの金額にちょっと現実味がなくなりそうです」
「ドーラがハルキは多分家を買うだろうと言っていたが、それも良いんじゃないか。エミリー達と暮らすんだとか」
「一緒に暮らすから家を買おうとした訳ではないんですがね。でも、これだけあればかなり立派な家が買えますよね」
「ああ、もちろんだ」
「ハルキ、ランラプトルを何頭従魔にしても大丈夫な所が買えるさ」
こうしてハルキの元には億単位の金が転がり込んだ。とりあえずの支払い様に一千万だけ受け取り、後はギルドに預ける。
「アートさん、ドーラさん、ありがとうございました。また家を探すのお願いしますね、ドーラさん」
「ああ、任せてくれ。今日からしばらく休むと言っていたがどうするつもりだ?」
「とりあえずエミリー達も引っ越し終わったら田舎に帰るらしいので、俺もあの家にもう一度帰ろうかと思ってます。その、バニラの配下の事もあるので」
「ああ、大牙狼だったな。ハルキ、その時に私も一度行って良いか? 場所は知っているが村の掟であまり近寄った事もないんだ。
アニャ様の家を一度見たくてな」
「構いませんよ。往復も含めて数日になるかと思いますが、大丈夫ですか?」
「アートがいるから問題ない。なぁ、アート」
何か言いたそうな顔を一瞬見せたアートだったが、渋々頷くだけだった。




