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アラフィフになったキョロ充、異世界に行く  作者: アカピロ
第四章 キョロ充、男になり目標を目指す
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第16話

 クラウドはすぐに風を切り戻ってきた。どうやらバニラはハルキ達を呼んでいる様だ。

 だがそんなに慌てている訳ではなさそうだ。


「エミリー、グウェン、バニラ達の所へ行こう」


 スライム達がまた道を作りその後ろを進む三人。先程のバニラの遠吠えからすると結構な距離かも知れないとハルキは考えていた。


「二人共、慌てなくて良いからね。無理せずに」


「わかってるです〜。でもハルキは私達を舐め過ぎなのです〜。

 私達はDランクの冒険者なのですよ、このくらい平気なのです、ね、エミリー」


「そうだよハルキ。私達ももう四年冒険者やってるんだから」


 そのまま三〇分程進むと木々の間の岩の上に肩にライムを乗せたバニラの姿が見えた。


「ワオーン」


 バニラが吠えてハルキ達を迎える。

 ハルキが岩の側まで駆け寄ると、バニラの足元にはには二〇頭程の狼の群れが身体を伏せていた。


「ワン」


 良くやっただろう、とバニラが吠える。


「バニラ、ひょっとしてこの群れ配下にしたの?」


「ワン」


 そうだよと返事をするバニラ。ライムは自分の配下だという動きをしている。


「ハルキ、これ大牙狼ですー」


「バニラ、配下にしちゃったんだ」


 追いついたグウェンとエミリーがびっくりした顔で言った。


「ワンッ」


 更にバニラが吠えるとスライムに囲まれて奥から三頭の大きな魔物が現れた。どうやら怪我をしているのか、足を引きずっている。


「ちょ、ちょっとランラプトルじゃないですか」


「怪我してる。バニラ、大牙狼に襲われてるの助けたの?ハルキ、ポーションつかう?」


「バニラ、このランラプトルにポーション使って良い?」


「ワン、ワオーン」


 どうやらテイムさせるつもりらしい。


「エミリー、グウェン。ポーション使って一頭ずつテイムして」


 二人共すぐにテイムする。


「ハルキ、テイムは出来たけど魔力がやばいのです」


「私もやばい。今日は私達二人も雲切隼も三羽ずつテイムしたから、ちょっと意識が飛びそう」


 ハルキは慌てて鞄から別の色のポーションを取り出す。


「これ飲んで、魔力回復用のポーション」


「そんな物まで出てくるですか?ハルキのおばあちゃんは大賢者並なのですよ〜」


「グウェン、俺は星の民だからばぁちゃんって言ってるのはアニャ様の事だ。大体合ってる」


 ゴクリと飲み干したグウェンが言う。


「うー、なんかまた聞いちゃダメな事聞いた気がするです〜」


「私は意識が無かったから聞いてない、うん、聞いてない」


 ランラプトルにもしっかりポーションは効いた様で、シャンとした足取りで周りを歩いている。


「バニラ、大牙狼はどうするつもり?」


「ワン」


 どうやらハルキの実家がある南の森に向かわせる様だ。


「そうか。大牙狼は任せるよ。

 後はランラプトル達だな、エミリー、とりあえず連れて帰るか」


「まずはドーラさんに伝えた方がいいかも。雲切隼も数取れたから預けないとだけど、こんなにテイム出来る人いるかな?

 その辺も含めて連絡した方が良いと思う」


「わかった」


 ハルキはすぐに手紙を書く。

 雲切隼が一三羽テイム出来た事。

 バニラが大牙狼を配下にした事。

 ランラプトルを三頭テイムした事。

 簡潔に手紙を書き終えるとクラウドを呼び寄せすぐに預けた。


 クラウドが行った後ハルキはバニラに問いかける。


「バニラ、こんなに配下にしてどうするつもり?」


「ワン」


 たまたまだよと返事をするバニラ。


「ワオーン」


 バニラの一吠えに大牙狼が立ち上がった。伏せているとわからなかったが相当な大きさだ。体高がハルキの胸近くまである。

 どうやらこのままハルキの実家に向かうつもりの様だ。


「ちょっと待って、バニラ。ランラプトル襲ってたならこの大牙狼達お腹空いてるでしょ。

 あと、エミリー達も。遅くなったけどご飯にしよう」


 ハルキは前に狩っていた猪を二頭マジックバッグから出して大牙狼達に与える。


「ハルキ、バニラの配下なら大丈夫かとは思うけどテイムしなくて良いの? 私達はもう無理そうだけど」


 前にバニラが配下にしたのはただの狼なのでテイムする事は出来なかった。だが今回の大牙狼は魔物だ。


「うーん、どうしよう。バニラ、どう思う?」


「ワン」


 好きにしろというバニラ、その時エミリーが提案した。


「ハルキ、一番下の子狼一頭だけでもテイムしておいたら?」


「ボスならわかるけど、子狼ってなんで?」


「狼なんかも子供が一番大事にされるからね。人質って訳じゃじゃないけど、その子狼の主だったら言う事聞きやすいかな、って。

 それにボスは一番前に出て戦ったりするから、やられる可能性も結構高いし」


「なるほどね。よし、じゃあそこの一番小さいの、こっちに来て」


 呼びかけに答えてやって来た子狼をテイムするハルキ。


「もう戻って良いよ、後はバニラとボスの言う事ちゃんと聞いてね。

 えーっと一緒にいるうちに名前つけとくね。よし、『チョコ』で」


「クーン」


 どうやら気に入った様だ。そのまま群れの中へ戻って食事をするチョコ。

  

「さぁ、俺達も食べよう。食べてる間にドーラさんから返事来ると良いんだけどね。

 ランラプトルの名前は後でみんなで考えようか」


 こうしてハルキ達はまた新たな従魔を仲間にして、バニラにも配下が増えたのだった。

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