第12話
「テイムはしてない、か」
ドーラがゆっくりと息を吐いた。
「ハルキの事だからもうそのくらいでは驚かないが、改めて考えるともの凄いな。テイムしてもハルキとバニラ程の関係には中々なれるものじゃない」
「すみません、黙ってて。元々小さい時に拾って、そのままテイムもせずに一緒にいたものですから」
「まぁ、テイムしてなくてもこの様子なら特には問題ないよ。問題なのはバニラがエンペラーウルフだと言う事だ」
「あの、ドーラさん。私達は聞いても問題無い話でしょうか? 聞かない方が良いなら席を外しますが」
「そうなのです。ちょっとその辺散歩でもしてくるです」
エミリー達がドーラに言う。
「バニラの角が伸びればバニラがエンペラーウルフだという事は知れ渡るだろうから一緒に聞けば良い。お前らはもう一緒のパーティーみたいなもんだしな」
「わかりました」
「それならここで聞くです」
「ハルキ、エンペラーウルフは特別な魔物だと言ったな。何故だと思う?」
「全く見当もつきません」
「エミリー達も知らないだろう。
エンペラーウルフはその名の通り、狼の皇帝だ。狼系の魔物の頂点にいる。
そして他の魔物や獣を従えるんだ」
ハルキはバニラを見る。
「クーン」
バニラは特にそんな事してないよ、とハルキを見る。
だがハルキは思い出した。バニラはかつてレイナ姫を襲った狼達を配下にしていた。
「バニラ、あの狼達は配下にしたよな?」
「ワン」
したけどたまたまだよ、とバニラは返事をする。
「ハルキ、バニラは狼を配下にしているのか」
「前にレイナ姫を助けた時の狼です」
ハルキはドーラに説明する。
実家に帰ったら狼の群れがスライム達と一緒に暮らしていた事。
その狼は多分レイナ姫を襲った狼である事。
スライムと共に開墾などをしていた事。
「ハルキ、バニラが配下を持つ事自体も特に問題はないんだ。
問題なのはエンペラーウルフとその群れ、それに配下の魔物や獣が育ってからだ」
「育ってから、とは?」
「エンペラーウルフの群れが大きくなるとその配下の魔物達もどんどん増えていく。
群れも魔物も獣も育ち、全体としてどんどん力を持つ。
そしてある時になるとそのほぼ全てを率いて挑むんだ…
ドラゴンに…」
ハルキは目が点になった。
驚きバニラを見るがバニラも不思議な顔をしている。
「つまり、このままバニラを育てるといつかドラゴンに特攻かける事になる、って事ですか?」
「必ずそうなるかはわからない。だがエンペラーウルフがドラゴンに挑み、倒した記録はある。
そして、かつてエンペラーウルフをテイムした二人はそのエンペラーウルフの群れと共にドラゴンを倒している。
一人はかつて隣国を興した王、ノブナガ。そしてもう一人はこの国の英雄、アニャ様だ。
そして二人は共に星の民だった」
ドーラの言葉にハルキは完全に固まっていた。
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