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アラフィフになったキョロ充、異世界に行く  作者: アカピロ
第四章 キョロ充、男になり目標を目指す
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第7話

「俺はこのままトレーニングに行くよ。その後寝るから。ミーユは寝てで良いよ。多分エミリー達も昼くらい迄は起きないだろうから」


「ですがご主人様」


「バニラ達に怒られるからね。ちゃんとトレーニングはするけどそのまま寝るからさ。エミリー達が起きてきてミーユも起きてたらアイツらの家の事しに行ってあげて」


「かしこまりました、ご主人様」


 ハルキは朝日の中を走り出す。バニラ達も一緒だ。


「それにしてもアイツらしつこかったな〜、バニラ」


「ワン」


 ハルキが押しに弱いだけだろうとバニラが吠える。


「それにしても眠いな〜 バニラ達は元気だね」


 当然だとばかりにライムと他のスライムが跳ね回る。


 いつもより少し遅い時間なので朝早い人が動き出している。

 ヒョイヒョイと避けながら街を駆け抜ける一行。


 ハルキは走りながらワイバーンの事を考えていた。ソータからの返事を思い出す。


『見るくらいなら多分大丈夫だとは思うが、レイナ姫からピーター様へ頼んで頂く必要がある。

 数日以内にはっきりした返事ができると思うのでしばらく待ってほしい』


 わかりました、連絡お待ちしてますと最後に返事を返した。流石にソータが決めれる事ではないと思っていたし、領主のピーターまで話が行くのも想定内だった。

 一旦ワイバーンを側で見ればどの程度の人数と装備が必要か自分でも感覚が掴めるだろう。ドーラが教えてくれた人数で野生のワイバーンをテイム出来る時間が作れるかどうか。

 後はドラゴンの鱗の献上だ。多分自分が直接行かなくてはならないだろう。

 まともな服は一着しかない。前と同じはまずそうだから流石にもう一着位は買う必要がある。


「バニラ、結構物入りだよ。桁が違うってドーラさんが言ってたけどワイバーンとかどの位の値段つくのかな」


「ワオーーン」


 いくらでも良いから頑張って稼げと言いたげだ。


 徹夜のままなんとかいつものルートを走り終えたハルキはバニラ達を相手に模擬戦を行う。


「バニラ、ワイバーンって俺達じゃまだ無理だと思う?」


「ワン」


 バニラは負ける気は無さそうだ。ハルキは大きさを考えてまだ無理だと思っていた。隙を見て一撃で倒すなんて事はひょっとしたら可能かも知れないが、殺さずに殺されずにテイムするとなると難易度がグンと上がる。

 雲切隼ですら、相当な技がないと普通は殺さずに捕まえる事など出来ないのだ。

 攻撃力の強い相手に近づき、時間を作る。

 ハルキはバニラやスライムを相手にイメージを落とし込みながら訓練していた。


「もう限界、終わりにしよう」


 ハルキはクタクタになり風呂へ向かう。スライム達が少しのお湯を沸かしてくれていたので身体を洗うくらいはいけそうだ。

 ミーユやエミリー達はまだ寝ている。うるさくならない様に気を使いながら汗を流し、裸のままベッドに倒れ込んだ。


 すぐに睡魔が襲い、ハルキは夢の世界へ旅立った。



 ハルキは元の世界の夢を見た。


 仕事をやめて帰ってきた地元で友人に勧められた建築現場の仕事。

 最初は怖かった足場の上はすぐに慣れた。荒っぽい人が多かったが皆良くしてくれた。

 毎晩の様に飲み歩き、二日酔いで仕事に行く。

 それでもまだ若かったからか、行ってしまえばどうにかなった。

 休憩時間に軍手のままタバコに火を付ける。こんな生活も悪くないと思っていたが、結局は一年程でやめた。

 

「何かやりたい仕事があるのか?」


 最後に社長が優しく言った。


「はい」


 本当は飽きただけだった。だが社長はそんなハルキに優しかった。


「ハルキはどんな仕事でもきっと出来るよ。やりたい事をやりな。

 困ったら帰ってくれば良い」


 やりたい事をやれ。この人も俺にそう言ってくれていた。

 夢は少しずつ途切れ、ハルキは深く眠った。

 


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