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アラフィフになったキョロ充、異世界に行く  作者: アカピロ
第三章 キョロ充、冒険者に就職する
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第42話

 食材の片付けを終えたハルキとミーユは休憩してから風呂の準備にとりかかった。


「ミーユも身体を洗うだけでまだお風呂は沸かしてないんだよね?」


「ご主人様がまだなのに奴隷が入る訳にはいきませんので。湯船はまだ使っておりません」


 洗い場はハルキも使ったが、湯船は初めてである。敷地内の井戸は近いが水を運ぶだけでも重労働だ。更に薪で温めなければならない。


「ミーユはお風呂沸かした事は?」


「こちらに来る前に奴隷商のアンディ様の所で何度かは」


「ここのお風呂は湯沸かし場と湯船が別になっているからね。

 お湯を沸かせるタンクと水を貯めるタンク、両方をまず満タンにして。

 明日から一人でやってもらわなきゃいけないから、なるべく俺は見るだけにしておくよ。スライム達に手伝ってもらって」


「はい、ご主人様。それじゃ、水汲みから皆手伝って」


 スライム達は伸びたり縮んだりしながら数匹で滑車を回し井戸の水を汲む。

 残りがバケツリレーをしながらタンクの前に運び順番に入れていった。


「ご主人様、私が何もしないうちに水汲みが」


「うん、ミーユも上手くスライム達をを使えてるね。このまま薪の準備をさせてみて」


「はい、ご主人様。じゃあ皆、薪をお願い」


 小屋から薪を持ってきたスライム達は手頃な大きさに自分達で割り、それを釜に並べていく。


「ミーユ、火も着けて貰って。多分出来るはずだから」


「スライムが火を?出来るんですか?」


「みんな良く育ってるからね。生活魔法位なら余裕だよ」


「わかりました。じゃあ火もお願いね」


 スライム達が先を争い押し合いながら釜の前を奪い合う。今日の勝者らしき一匹がその場を占領して小さな火球を薪に飛ばした。

 通常の火球と違い、その場で長く燃え続ける様だ。二分程で薪に火が移り、湯を沸かし始める。


「じゃあ、後は時々薪を足してもらえば良いね。タンクのお湯が沸いたらミーユがある程度湯船に移して、スライムには水を足してもらって。

 三回位で湯船はいっぱいになりそうだから、最後にタンクのお湯をもう一度沸かして終わりだね」


「ご、ご主人様。私は何もしていないのですが」


「してるじゃん。従魔のした事はテイマーのした事なんだから。

 これならミーユ一人でも明日から出来そうだね。大丈夫そうかい?」


「は、はい。ご主人様。ですがスライム達も元はご主人様の従魔ですし」


「良いんだよ。ミーユがいないとやってくれないし。

 それにそもそもお風呂の準備が大変だって聞いたからミーユを買って、その手伝いの為に実家からスライム達を連れてきたんだから。

 ドーラさんにもハルキはメイドだとまずいかもって言われたのもあるけど」


「ご主人様のなさる事は色々と普通ではございません。契約魔法の無いメイドだと確かにまずいかもしれません。

 ですが私も出来る事を精一杯やらせていただくのは変わりありません。

 お風呂の事は甘えさせて頂きますが、他でもっと尽くさせて頂きます」


「うん。でも先は長いんだから無理はしないで。ボチボチやっていこう。なんせ十年あるんだからね」


「はい、ご主人様」


 スライム達が湯沸かしをしている内にハルキとミーユは夕食の準備に取り掛かった。


「ミーユ、そういえば聞いた事無いけど好き嫌いはあるの?」


「嫌いなものは特にありません。お金がなかったので贅沢は出来ませんでしたが、母が料理上手で何でも美味しく作ってくれましたので」


「ミーユが料理上手なのはお母さん仕込みか。確かに優しくて毎日食べたくなる様な料理だったよ。

 でも今日は俺の作る男料理だ。

 ガッツリ肉を食べる。ミーユもね。

 付け合わせとかも準備出来て、後は焼くだけってなる頃にはお風呂も沸いてるでしょ。バニラ達のご飯も用意しないとだしね」


「はい、ご主人様」


 ハルキはすぐに筋切りを終わらせて、今日揃えたばかりの調味料の味を見ながら、肉用のソースや野菜用のドレッシングなど器用に合わせて作っていく。


「ミーユ、これとこれ、皮剥いてくれる」


「はい、ご主人様。それにしてもご主人様は料理も信じられないくらい手際が良いです。

 申し訳ありません。ご主人様よりも手の遅い奴隷など…」


「そんなの気にしないで。昔結構やってただけたからさ。出来る範囲でやってくれたら良いんだよ」


 風呂が沸き上がった時には予定通り後は肉を焼く、という所まで終わっていた。


「じゃあ、先にお風呂にするよ」


「かしこまりました、ご主人様」


 ハルキが脱衣所に行き、服を脱ぎかけると当然の様にミーユが手伝い始める。今から風呂に入るのだ。当然全裸になる。

 ハルキの服がすべて脱がされ風呂に向かった時ミーユは自分の服をスッと脱ぎ出した。


「すぐに参ります」


 ハルキはこうなるとわかっていた。だがハルキは前のハルキとは違った。この世界で生きていくと覚悟を決めた男だった。


「う、うん」


 まだ少し挙動不審だが。

 ハルキが洗い場に座るとミーユが入って来る。透き通る様な白い肌に目を奪われるハルキ。


「失礼します」


 ミーユがハルキの身体を洗い始める。しばらくしてハルキが聞く。


「ミーユ、緊張してる?」


 触れる手から震えを感じたハルキが聞く。


「はい、緊張してます。ですが少しでもご主人様のお役にたてると思う喜びの方が勝ってます」


「そうか、ありがとう、ミーユ」


 ハルキがミーユの身体を優しく抱きしめる。


「ミーユのおかげで少しだけど成長する事ができた。感謝してるよ。

 これからもっと成長する。いくつかやりたい事も決まった。とりあえず十年、着いてきてもらうからね」


「奴隷に感謝などするものではございません、ご主人様。まだ何もさせて頂いてませんのに。ですが、奴隷になってこの様な言葉を掛けて頂けるとは思ってもいませんでした。

 ご主人様に買って頂いた事、心より感謝しています」

 

 二人の唇が重なり、ミーユもハルキの身体にその細い腕を回し、二人が絡み合う。ミーユの身体がピクリと動く。


「ミーユ」


「ご主人様」


「ワン」


「「……」」


「ワン」


 二人が目をやると風呂の入口にはバニラとライムがいた。その後ろにはミーユのスライム達が列をなしている。一番後ろにはクラウドとムーンも並んでいた。

 二人は目を合わせ笑う。

 そして順番に従魔達を洗い、最後に綺麗なお湯を張り直して二人は一緒に湯船に浸かった。


 ハルキが腕を奮った肉だらけの男料理を堪能した後、ハルキはバニラ達を入れずにミーユと二人だけで寝室に入り、本当の意味で一夜を共にした。



 読んで頂きありがとうございます。更新バラバラ、話も中々進みませんがよろしくお願いします。

 PV数、ブックマーク、評価など全て励みになります。是非お願いします。感謝。

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