第41話
午後からハルキはミーユを連れて買い物に向かった。主に食材を買いに出たのだが、別にも欲しい物があった。
「これからはミーユ一人で来てもらうとして、マジックバッグがあった方が良いよね。でも小さいのって持ってないからな〜」
「ご主人様、私は自分で荷物くらいは持てますのでお気遣いなく。重ければ何度も往復すれば良いだけですので」
「いや、やっぱりあった方が良いと思うんだよなぁ〜。ちょっとドーラさんに聞いてみるか。クラウド、降りてきて」
スッとクラウドがハルキの肩に降りてくる。
「これをドーラさんに届けてくれる」
メモ書きした紙をクラウドに持たせるハルキ。クラウドはすぐに飛び立った。
「ご主人様、何を?」
「ああ、今クラウドに持たせてるのもマジックバッグなんだ。ドーラさんに貰ったんだけど、どこで売ってるのか聞こうと思って」
すぐにクラウドが戻り、ハルキは返事を読む。
「どうやら結構近くにあるみたい。行こう、こっちだ。鞄屋さんとかじゃなくて魔道具屋にあるんだってさ。紹介状もつけてくれたよ」
ハルキはこの世界に来てまだ魔道具屋に行った事はなかった。
魔道具とは魔石や魔法陣が組み込まれた道具で、コンロやライトなんかがそれだ。マジックバッグなどは素材を染め上げるのに魔石を使って作った塗料が使われたりしている。
「ですがその様な高価な物を奴隷に持たせるのは危険では?」
「だから一応小さめのにしておくつもりだよ。まぁミーユが街で行動する時はスライムを二、三匹連れてれば襲われても滅多な事にはならないだろうしね。
それにミーユから俺に連絡してもらう時にムーンがマジックバッグ無しだと困るからね。送ってもらいたい物とか出てくるかも知れないから」
こうしてハルキ達は魔道具屋にたどり着いた。
「いらっしゃいませ」
若い女店員がハルキ達の対応をしに来た。ハルキはさっきドーラから貰った紹介状を渡す。
「お客様はドーラ様からのご紹介でしたか。ようこそ当店へお越しくださいました」
「なるべく小さなマジックバッグをいくつか見せて欲しいんですけど。後は置いてある魔道具の使い方なんかを知りたいです」
「かしこまりました。マジックバッグはこちらにあるのが全部そうですね。一番小さな物で三〇万からになります」
「これで三〇万ですか」
ドーラがくれた物と同じ大きさの物である。ドーラは簡単にその値段の物をハルキとドーラの父のドランに渡していた。
「このサイズだといくらになります?容量は?」
ハルキが聞いたのは普通の買い物鞄より少し小さ目の物だった。
「こちらでしたら一〇〇万になります。容量は大体ニメートル四方になりますね」
これで一〇〇万かとハルキは思う。ギルドの人達は驚かなかったが、あのワイバーンを入れたマジックバッグだといくらするんだろうか。
だか元の世界でもこれが一〇〇万かと思うブランド品のバッグなどいくらでも存在した。
マジックバッグだと考えれば特に高いとは思えない。
「でしたらその二つをお願い出来ますか?でも大きい方は持ち合わせが足りないので取り置きしたいんですが、いけます?」
「ドーラ様からの紹介状に後払いでも保証すると書かれておりましたので、全て後払いでも結構ですよ。ギルドの清算が終われば店ごと買い取っても全く問題ないとの事です」
ハルキの懐具合を知っているドーラが念の為一筆添えてくれた様だ。それにしても流石ドラゴンにワイバーン。店ごと買える値段がつく様だ。
「ご主人様、私やムーンには高級すぎるかと」
ミーユがハルキを止める。
「これは俺達の暮らしに必要な物だからね。ミーユは値段の事は忘れて上手く使って俺達の生活に役立ててくれれば良いよ。おねーさん、じゃあそれでお願いします。近いうちに払いに来るので」
「かしこまりました。他の道具は如何でしょうか?」
それからハルキ達は説明を聞きながら物色する。最終的にコンロと冷凍庫付き冷蔵庫を買う事にした。
「お客様、こちらの商品はかなり魔力を必要としますが大丈夫でしょうか?」
どれも魔石の魔力が抜けると使えなくなる様だ。結構な頻度で魔力を補充するか、魔石を交換しなくてはならない。
「あっ、その辺は大丈夫なんで」
マジックバッグが二つとコンロと冷蔵庫で合わせて三百万を超える出費になった。掃除機はミーユが無くても良いというので今回は買わずに終わった。
買ったばかりのマジックバッグに他の商品を入れ、ミーユに持たせて店を後にする。
「ご主人様、これだけの金額の物を持ち歩くのは緊張します」
「だから慣れてもらおうと思ってね。まぁ、気にせず行こう」
その後食材を買い漁りハルキ達は自宅へ戻った。
「とりあえず冷蔵庫とかに魔力を補充しないとね。ミーユのスライムにやらせてみて。
元々実家でもずっと結界の魔石に魔力貯めてたからやれるはずだから」
「結界の魔石って物凄い話なんですが…わかりました、やってみます」
スライム達はすぐに魔石の色を限界まで濃くした。
「よし、それじゃあ食材の下拵えして順番に片付けていこうか」
かつてバーを経営していた事もあるハルキは手際良く食材を処理していくのだった。
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