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アラフィフになったキョロ充、異世界に行く  作者: アカピロ
第三章 キョロ充、冒険者に就職する
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第28話

読んで頂きありがとうございます。

PV、ブックマーク、評価、叱咤激励、なんでも励みになります。感謝。

 あれから五日間、ハルキ達は羊の魔物を狩りまくった。途中で見つけた猪や熊、スネークバードなどもそれなりの数になった。

 雲切隼が空から探し、バニラとライムがハルキ達の方へ追い込む。ハルキが魔法で足を折り、三人で一気にトドメを刺す。

 その繰り返しだった。

 ハルキの元には最早小さな一軒家なら買えそうな程の金が残った。

 五日目の獲物をギルドに持ち込んだ時、ハルキとエミリー、グウェンの三人はドーラに呼び出された。


「エミリー、グウェン。二人は今日からDランクだ。おめでとう。

 ハルキ、お前は今日からCランクだ。従魔を入れるとBランクの扱いになるが、個人としてはCランクだ」


「ハルキ、いきなりCって凄すぎない?」


「でもハルキ一人でBでもおかしくない位は強いです〜」


 実際ハルキは少なく見積もってもその程度の強さはある。だがハルキはまだ自分の強さのレベルがよくわかっていなかった。魔法や剣の実力が上がっているのはそれなりに実感しているが、対人の戦闘もした事もなければ、獲物を狩る時はバニラ達が殆どの事をやってくれる。

 ハルキはずっと疑問に思っていた事を聞いてみた。


「ありがとうございます、ドーラさん。ちなみになんですが、ドーラさんって冒険者の時はランクは何だったんですか?」


「えっ」「えっ」


「ハルキ知らないの?」


 エミリー達が声を上げる。


「冒険者の時はというか、一応現役でもあるんだがな。私はSランクだよ。だがアオがいたからって事もある。私だけだとSになっていたか際どい所かな」


 ハルキはびっくりした。

 強いとは思っていたがまさかSランクだったとは。ドーラ単体でもAは余裕であると言う事だ。

 だがこれで目標がリアルになった。


「ドーラさん、お願いがあります。自分と模擬戦をしてもらえませんか?稽古つけてください」


「どうしたんだハルキ、突然そんな事言い出して」


「俺、あんまり目標とか持った事なくて。でも今は強くなりたいんです。だから今はドーラさんには勝てないでしょうけど、差を知りたいんです」


「ハルキ、その言い方だと勝てる可能性はゼロではないつもりか?」


「うーん、良くわからないですけどゼロって事は中々無いかと思いますけど」


「まぁそう思うのは悪い事では無いがな。狩りでも戦闘でもどんな相手でも油断すべきではないし。

 良いだろう、相手してやろう。訓練場へ行こう」


 一同は訓練場に移動した。

 ドーラが訓練場の奥に魔石をセットする。


「これでこの訓練場の魔法陣が起動した。これでこの中で魔法は大体二十分の一の威力しか持たない。見た目はそのままだがな。

 登録されている武器も同じだ。大怪我する事はこれでないだろう。バニラとライムはどうする?一緒にかかってくるか?」


「流石にそれだと俺が有利すぎる気がするんで、自分だけで」


「そんな心配は無用だと思うがな。ハルキがそうしたいならそれで良い。いつでも良いぞ。魔法もありだからな」


 剣を構えて二人は向かい合う。軽い鎧を付けているが動きには支障は無さそうだ。


 ハルキが様子見に剣を軽く振り、ドーラの剣に当てにいく。

 次の瞬間にハルキの剣は吹っ飛びドーラの剣がハルキの首元に当てられていた。


「ほら次だ、拾え」


 呆気に取られたハルキが剣を拾い構える。


「相手の強さを測るのは実力がそれなりに均衡している時にしろ。とりあえず今は全力でこい」


 気を取り直してハルキが動く。

 今度は魔法から。陽動の火魔法を飛ばして回り込む。

 だがハルキの火魔法に水魔法を当てて止めたドーラは更にハルキの回り込んだ先に雷魔法を飛ばしていた。

 体が痺れたハルキの胸にドーラの剣先が触れて止まる。


「さあ、次だ」


 ハルキは考えていた。

 ドーラの対応が早すぎる。力やスピードそのものでここまでの差があるのか。それとも何か読まれているのか。今度は力勝負に出る事にした。少し距離をとる。


「ドーラさん、避けてくださいね」


 ハルキは土の魔力を剣に込める。先人達の本にあった技だ。

 込めた魔力は振ると礫になって飛び散る。数と威力は魔力の強さで変わる。今のハルキならその一つで猪を屠る程の威力だ。


「ハルキ、普通なら待たないけど待ってやるよ、打ってみな」


「いきます」


『ドンッッ』


 ハルキの剣の先から百を超える石礫が飛び出しドーラへ向かう。当たりはしなくとも体勢は崩せるはずとハルキが距離を詰めようとする。

 だがドーラはスッと身体を横に向けかがむ。元の世界のフェンシングの様な構えを取ると身体に当たる軌道のものだけを剣先で捌き切り、ハルキに正対する。


「中々良い魔法だ。やるじゃないかハルキ。いきなりだったら流石に剣だけでは耐えきれなかったな」


「ドーラさん、いくらなんでも強すぎです。参りました。ちょっとどの位の差があるのかもわからないレベルです」


 ハルキは手を上げて降参する。ドーラも剣を下ろした。


「そうか?私が思っていた以上の強さだぞ。多分ハルキレベルが三十人位居れば良い勝負になると思うぞ」


「さ、三十人ですか」


「なんとなくだがな。バニラとライムとセットなら五、六セットって所か」


「それでもそんなにですか」


「もちろん、こちらも手加減は出来なくなるがな」


「ドーラさん、強すぎるのです〜」


「でも見てるだけならハルキもメチャクチャ強いよね。ドーラさんがおかしいだけで」


 エミリーとグウェンがキャッキャ言いながら感想を言い合っている。


「グルルルル」


 バニラが好戦的な声を出す。ライムもドーラに向けとんがっている。


「バニラ、ライム、お前達の強さはわかってるよ。やってみるか?」


「ワンッ」


 しばらくの間バニラとライムの相手をするドーラ。何度かバニラが地に這わされた所でハルキが止める。


「ハルキ、バニラ達も私の想像以上だな。五、六セットだと危ないかも知れん。余裕を持ってやるなら三だな」


 バニラが悔しそうにハルキの元へ戻る。だがドーラはそもそも国内に数人しかいないSランクの冒険者である。まだまだ駆け出しのハルキ達はこれでも良くやった方なのだ。


 今までのハルキなら向いてないと他の事を探していただろう。だがハルキは折れなかった。

 その差すらわからない圧倒的な実力の違いに挫ける事なく、ドーラに言う。


「少しずつでも追いつきます。ありがとうございました」


 そしてその言葉通り、ハルキは着々と成長していった。

 





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