第23話
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ハルキは真剣に奴隷を見ていた。
ドーラが言う様に確かに一緒にいる時間が長くなるなら疲れる相手では厳しい。基本的には何でも言う事を聞くといっても、相手だって感情のある人間だ。
ハルキは元の世界でバイトを雇っていた時の事を思い出す。確かに仕事が出来るかどうかと仕事が楽しく出来るかは違った。
とはいえ結局見た目だけで選んでいるので本当にただの好みではあるが。
「ハルキ様、ここにいる奴隷達は最低が五年、長い者は二十年の契約になります。ですがドーラ様がおっしゃる様に一旦何も気にせず選んでみてください」
ハルキはそもそも女好きである。一人一人をじっくり見て、そのうちの一人に目が止まった。
「あの、彼女はどんな感じですかね?」
細身でスタイルの良い、整った顔の若い子を選んで聞いてみる。
「ミーユ、こちらへ」
アンディにミーユと呼ばれた奴隷がハルキの前までくる。
「ハルキ様に自己紹介を」
「は、はい。ミーユと申します。年は15になります。家事全般と簡単な生活魔法は使えますが戦ったりした事はありません。これといった特技もありません」
「ハルキ様、ミーユは普通の娘です。特技が無い分高くはありませんがお気に召されましたか?」
「見た目が好みで中身は普通そうな人を選んだつもりですが、正直ちょっと良くわかりません。ただ、アピールされる感じが少ない方が自分と合う様な気がして」
「ハルキ、そういう感覚を大事にするのは良いと思うぞ」
ドーラが後押しする。
「ハルキ様、ちなみにミーユは十年です。おいくらだと思われますか?」
「うーん、よくわからないですけど七百万位ですかね」
「惜しいですね。この娘は八百万でございます。ですがドーラ様が連れて来られた方です。これからの付き合いもご検討頂ければと思いますので、私共には七百万でも結構です。給与は年八十万のままになりますが。
ハルキ様は私共の稼ぎ方はご存知ですか?」
ハルキが知らないと答えるとアンディが説明をする。
金を必要とする者が奴隷商にその金額を伝える。奴隷商がその者を見定めて年数を提示して、合意すれば買い取る。
通常はその金額の倍程度の額で売られ、その時の差額が奴隷商の儲けとなる。
ミーユは必要だった金額が四百万で、アンディは若い女と言うこともあり十年で買い取った。これがもう少し魔力が強かったりすると五年や七年で買い取りする事になる。
例えばかなり強い魔法使いが急に一千万欲しいとなると、奴隷商では二千万で売られて、一年の給与が二千万、結局主人になる者は一年で四千万払うと言う様な事もあり得る。
給与は最初の合意に含められているので、奴隷の合意無しに値引く事は出来ない。
また、奴隷にはその者に買われる事を拒む権利もあるが契約期間は売られてからになる。
「こういった形になりますので、例えば奴隷商が一年程育てて高く売る事もございます。その場合は一年分は我々奴隷商が持つ事になります」
なんとなくだが理解したハルキは断られたら凹むなという顔でミーユを見ながらドーラに聞く。
「ドーラさん、どう思いますか?金額的にはなんとか払えるレベルです。まだ家の事もありますけど」
「ハルキの奴隷だ、ハルキが気に入った者を選ぶべきだ。多分ハルキの場合はすぐに一人では足りなくなるだろうしな。
だが長く付き合える奴隷に出会うのはお前が思っているより難しい事だよ、きっと」
「わかりました。アンディさん、この子を買わせてもらいます」
「失礼、ハルキ様。先程申し上げた通り奴隷には断る権利がございます。ご本人の前では言えない者もおりますので通常は別の部屋で私が聞く事になっております。
ですが今回は問題ないでしょう。ミーユ、ハルキ殿に全てを捧げるか?」
「は、はい。尽くさせていただきます」
「よろしい。それではハルキ様、契約魔法をとり行いますのであちらの部屋へ」
こうしてハルキは初めての奴隷を持つ事になった。
その時バニラとライムは宿でゴロゴロしていた。




