第17話
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門からさらにゆっくりと進んだ馬車が広い庭を通り抜けて停車する。
「それでは行きましょう」
リーナが最初に降りて二人を促す。
目の前に建つのはハルキが元の世界でもネットやテレビでしか見たことのない、神殿の様な建物だった。
「凄い建物ですね、流石領主様の城です、ドーラさんは来た事あるんですか?」
「昔はな。私も久しぶりだ」
「それでは案内します」
リーナが先導して建物に入る。ここからはバニラも一緒だ。そんなに数多くではないが所々に置かれている美術品や調度品はハルキが見ても立派な物だとわかる程だ。だが決して下品な印象は受けない。
「こちらの部屋で一旦お待ちください」
応接室の様な部屋に案内されたハルキ達。すぐに召使いが紅茶を持ってやってくる。バニラにはミルクが。
では後程、と部屋を去るリーナ。
「ドーラさん、紅茶も美味しいですね、さすがに」
「そりゃあな」
「そうだ、ドーラさん。今の召使いの人見て思い出したんですが、ドーラさんの家ってメイドさん二人いますよね?」
「ああ、結構長く働いてもらってるよ、二人とも」
「エミリー達に言われたんですけど、風呂ありの家に住みたかったらメイドさんか奴隷がいないと厳しいって。やっぱりそうなんですか?」
「まあ、普通はそうだな。毎日魔力でお湯を沸かせるなら、その魔力で稼いでメイドを雇った方が割も良いからな」
「あー、そう言う考え方になるんですね」
「水を汲んで薪を用意してお湯を温めて入る、なんて事を依頼終わってからやってたら時間がどれだけあっても足りなくなるだろ」
「うーん、やっぱりそうなんですか。メイドさんってどの位払えばいけますかね?」
「それはピンキリだが週一休みで掃除と風呂、食事まで作れる人間だと30万くらいからかな。高いのはいくらでも高くなるが」
「そっか〜。うーん、悩むな〜」
「ハルキ、家の話は帰ってからにしよう。今日はまずこの場を乗り切る事が一番だ。余計な事を言わない様にな。とりあえず私と同じ様にしておけ」
「わかりました、ドーラさん」
それからしばらくしてドアが開く。
「失礼します、用意が整いましたのでお越しください」
案内された先は謁見の間、という程の広さではないが高そうな絨毯の敷かれた立派な部屋だった。
部屋の中央に案内されるとドーラが膝をつき、下に視線を落としたのでハルキもそれに倣う。バニラはペタンと腰を下ろした。
足音が聞こえて複数が入ってくる。
「ドーラ殿、ハルキ殿、頭をお上げください」
リーナの声だ。二人が視線を上げるとリーナとソータに挟まれて一人の美少女が立っていた。ハルキより少し若そうに見える。
「初めまして。サノ領主ピーター・サノの第二子、レイナ・サノです。
ハルキ様、ドーラ様、本日はようこそおいで頂きました」
「初めまして、ハルキです。本日はお招きありがとうございます」
「レイナ姫、本日はお招き頂きありがとうございます。ご存知かとは思いますがハルキは先日辺峡から出てきたばかりの身故、失礼がありましても何程ご容赦願います」
「失礼など、そんな心配は無用です。楽になさってください。
先にやる事を終わらせてしまいましょう。
ハルキ様、後そちらの従魔達、先日は危ない所を助けて頂きました。有り難く思います。お礼とポーションの代価として、金貨二十枚をお渡しします。リーナ。こちらへ」
リーナが袋を乗せたお盆を持ちハルキの前に進みでる。
「どうぞ、お受け取りください」
一礼して受け取るハルキ。こんなに貰って良いものか思うが、口にはしない。
「さぁ、固い話はこれで終わりです。後は食事をしながらにしましょうか」
こうして貴族との食事会が始まった。




