第16話
次の日からの五日間で三種類の依頼を終わらせたハルキ達。初日程ではないが、かなりの稼ぎでエミリーもグウェンもかなり余裕が出来た様だ。
明日は休みにしようと話しているとドーラがやってきた。
「ハルキ、さっき貴族の使いの者が来た。急だが明日の昼に来て欲しいとの事だ。迎えはよこすから宿で待っていてくれとさ」
「そう言えば一週間位たちましたもんね。わかりました」
「それで、私も同行する事になってるからよろしく頼む」
「ドーラさんも来てくれるんですか、助かります。やっぱり一人だとちょっと不安で。バニラとライムはどうしましょう?そもそも助けたのはコイツらなんですけど」
「あぁ、連れて来てくれとの事だ。迎えは先に私の方に来るから一緒に水月荘に行く。この前の服を着ておいてくれ」
「はい、わかりました。それでドーラさん、家の相談もそろそろしたいんですが?」
「そうだな。とりあえず貴族の件が終わってからにしよう」
「了解です。よろしくお願いします。それじゃ明日待ってます」
ギルドを出るハルキ達。
「ハルキ、私達は折角財布に余裕が出来たから明日は一日買い物でもしてるよ」
「色々欲しい物あるです〜、家も片付けないとだし〜」
「そうだね、立て続けに依頼やってるから家の事もほんと何も出来てないね」
この世界も元の世界と同じで七日で一週間、普通の仕事は日曜日休みである。冒険者は依頼と収入のバランスをとって適度に休む。
街中の雑用などなら問題ないが、採集といえどもクタクタになるまでやるのはどうしても危険だからだ。
大半が二日か三日働いて一日休み位のペースだ。
そして翌日、ハルキが宿の食堂でお茶を飲みながら待っていると馬車が表に停まる。
「おはよう、ハルキ、準備は良いか?」
「おはようございます、ドーラさん。準備は大丈夫です。それにしてもこの前とは感じが違いますが今日も綺麗ですね」
「あ、あぁ、ありがとう。じゃあ行くか」
馬車に乗り込むと中に一人座っている。ハルキがこの前助けた女騎士だ。
「おはよう、ハルキ殿。この前は世話になった」
「おはようございます。今日はありがとうございます」
「ハルキ、彼女はレイナ姫の護衛のリーナだ。リーナ、お前の言ってたハルキはコイツで間違い無いな」
「ああ、ドーラさん。彼で間違いない。あの夜助けてくれた人だ」
ハルキが不思議そうな顔をする。
「この前ソータがハルキを探しに来ただろう。戻ったソータから話を聞いたリーナがあんな従魔を連れてGランクなはずが無い、人違いじゃないか、と思ったらしくてな」
「すまない、ドーラさん、ハルキ殿。疑った訳ではないが一応城に入る前に確認させてもらおうと思ってな」
「そうだったんですね。確かに人違いだと洒落にならなそうですし」
「リーナ、ハルキはすぐにランクを上げていく。まだ冒険者になって一週間だが、年齢もそれなりだし実力は申し分ない。今ギルマスとどこまで上げるか相談中だ」
「そうですか。私が見たのは従魔とポーションだけなのでなんとも言えませんが、ドーラさんが認めるなら相当だとはわかります」
「ハルキ、前も言ったがお前は強い。だが世界には15、16歳でSランクになる様な奴もいる。それでも勝てない魔物もな。慢心はするなよ」
「はい、ドーラさん」
馬車がゆっくり大通りを北へ向かい、その横を護衛の馬とバニラが駆ける。馬車は突当たりの門の前で一旦止まり、リーナが馬車から一旦降りて衛兵と話をする。
再び動き出した馬車は門をくぐり、ハルキはこの世界で初めて城に入っていった。




