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第5話
その日ハルキは元の世界の夢をみた。
ハルキがまだ小学生だった頃の…
本が読んでいると近所の子が誘いに来る。近くの空き地で野球をする。三振ばかりだけど楽しい。
家に帰って家族みんなでご飯を食べる。兄とお風呂に入って遊ぶ。
寝て起きて朝ご飯を食べる。集団登校で学校に行く。
学校の授業は簡単だ。テストは百点ばっかりだ。先生の言っている事は一度聞けばわかる。休み時間にするサッカーはうまくないけど楽しい。
家に帰る。本を読む。
宿題は面倒だ。算数は見たらわかるからすぐに終わるけど、漢字を何度も書くのが面倒だ。書けるのに何度も書くのは面倒だ。字はあまりうまくないけど、習った漢字はかける。
母ちゃんが優しく言う。
「一生懸命にやりや〜、あんたはやったら出来るんやから〜」
宿題は面倒だ…
ハルキは目を覚ます。
何故か涙が流れている。
「なんでこんな夢見たのかなぁ〜、ホームシックかなぁ、バニラ」
バニラの頭を撫でながらハルキは呟く。一瞬目を開けて気持ちよさそうな顔をするバニラ。バニラの頭の下から少し伸びてハルキにくっつくライム。
「まだ暗いね、もう少し寝て、起きたら今日も頑張ろう」
そう言って再び目を閉じるハルキ。その日はもう、夢は見なかった。




