第2話
東門から出た先は穀倉地帯が広がる。この辺りにも小さい害獣などがいて、その辺を狙っている低ランクの冒険者もチラホラ見かける。
ハルキは邪魔をしない様な場所で、バニラとライムに倒させて尻尾などの討伐部位を集めながら進む。
最初からこちらの依頼をやっても良かったのだが、とりあえずは様子を見てからにするつもりで採集にしていた。
まだ十代前半に見える冒険者のパーティーが、追い込みながら捕獲していたりする。ハルキの能力で獲り過ぎたりすると彼等の稼ぎが無くなるかも知れない。
そう考えたハルキは、そこからは彼らにとって多少危険性のある、少し大き目のイノシシや毒蛇だけを狩りながら進んだ。
森が見えて入口に近づいて行くとまた冒険者が何組か見える。ハルキと同じ狙いのようだ。ハルキがざっと見渡して鑑定すると確かにその辺に所々生えている。
だがハルキはそのまま森の奥へ進んで行った。
どんどん森が深くなり、ランク的にはDランクのパーティーが討伐しているエリアに来た。
「じゃあ集めようか」
ここまで来ると流石に低ランクだと危険が多い。だが低ランクの集めるような野草などはこちらの方が多い。ここに来れる冒険者はもっと割の良い討伐や採集をするからだ。
「バニラ、ライム、よろしく。何かあったらすぐに戻って来て」
駆け出すバニラとライム。しばらくしたらすぐにライムが運べるだけ運ぶ。時折倒したのか魔物なども持って来る。
これ以上採集するとマジックバッグが無いと不自然に思われそうな量になったところで、バニラとライムを呼び戻す。
「今日はこの位にして、ご飯食べて帰ろう」
さっき狩ったイノシシをマジックバッグから取り出し捌く。すぐに内蔵や骨に口を伸ばすバニラとライム。ハルキはその辺の香草で味付けして焼き上げる。
その時バニラが
「ワン」
と吠えた。人が近づいて来ている様だ。木の隙間から姿が見え出した。
いきなり弓とか放たれたらたまらない。ハルキは立ち上がって
「すみませーん、ここに狼とスライムがいますが自分の従魔なんで襲わないでくださいね〜」
と声をかける。
パッと見ではDかEランク位に見える三人組がびっくりした様にこちらを見る。
数分後
「それにしても本当に食べて良いのか?」
「どうぞどうぞ、どうせ持ちきれないんで」
男一人と女二人のパーティーでランクはDとEが二人。この辺に生えている高級なキノコを採集しに来たが、半日で一本しか採れず、諦めて帰ろうとしたらなんか良い匂いがしたから近づいて来たとの事。
「それにしても君、こんな奥までGランク一人で危なくなかった?」
「昨日冒険者登録したばっかりなんでランクはGですけど、田舎だともっと森の深い所に行ってたんです」
「あぁ、だからGなんだ。余裕でご飯食べてるから最初はCランクとかの人かと思ってた」
「うんうん」
「それでさっき言ってたキノコなんですけど、見せてもらえませんか?自分の従魔なら探せるかもなんで」
「ああ、これだ」
「バニラ、ライム。探してみてくれる?」
「ワン」
仕方ないな〜という顔をして駆け出すバニラ。背中に乗るライム。
十五分後、食べ終わった一同の前に二十本程のキノコを乗せたライムがバニラの上で嬉しそうに帰ってきた。
「それじゃ、これ差し上げますので」
「いや、それは流石に申し訳ない。君が採った物だし、我々は何もしていない」
「じゃあ、運んでもらう代わりに買取り額の半分を頂きます。初日からやり過ぎて目立つのも嫌なんで」
三人は顔を見合わせたが他に落とし所も無いし、貰えるならありがたいと判断したのかそれ以上は断らずに素直に受け取った。
「ギルドでも自分達で採った事にしてくださいね、普段はその位採れる時もあるんでしょう?」
「まぁ、最高で15本とかだったが、変には思われないだろう」
話がまとまり、一行は街へ帰ることにした。
ちょうどその頃。
南門では狼とスライムを連れたハルキという青年が街に入ったかと貴族の使いが来て記録を調べていた。




