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アラフィフになったキョロ充、異世界に行く  作者: アカピロ
第二章 キョロ充、街に行く
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第8話

「ハルキ、待たせたな」


食堂でコーヒーの様な飲み物を飲んでいたらドーラがやってきた。


「それにしてもハルキ、よくコールなんて頼んだな、久しぶりに見たよ」


「へっ?あのおめでとうってやつですか、みんなじゃないんですか?あれやられるの?頼んでなんかいませんよ、あんなの」


「あー、じゃああの子が必ずやるもんだって勘違いしたのかもね、まだ見習いだし。まぁ許してやってくれよ、私からも言っとくからさ」


もう終わった事とはいえ、腑に落ちないハルキだったが、諦めて頷く。


「でも、ちょっとギルドの中にいるの恥ずかしいんで話するのはどっか場所変えてもらっても良いですかね?」


「まぁ別に構わないが、どこが良いかな、ハルキはどこに住んでるんだ?」


そう言われて登録が終わったら受付で斡旋してもらおうと思っていた事を思い出す。あの恥ずかしさの中で完全に抜け落ちてたようだ。


「宿を取るつもりだったんですがすっかり忘れていました、良さそうな所教えてもらえませんか?」


「それならすぐ近くに冒険者御用達の(水月荘)があるから案内する、行くぞ」


ギルドを出て歩く事数分、水月荘に付いた二人は受付を済ませて、宿に併設された食堂兼酒場に腰を下ろす。バニラは足元に伏せる。

ビールとツマミをドーラが頼んで口をつけてから


「今日の分は私のおごりだ、それで話とは?」


「あっ、これです」


鞄からウワノ村で預かった荷物と手紙を出して並べる。


「ん?これは父からの手紙?ハルキ、ウワノ村に行ったのか」


「ええ、それでサノの街に行くならと預かって来ました」


「ちょっと先に読ませてもらうぞ」


読み始めてすぐに真剣な目つきに変わったドーラは途中で少しずつ表情を緩め、読み終わる頃には元に戻っていた。すぐに立ち上がって店員に何か伝えると席に戻りビールを煽った。


「俺の事なんか書いてありましたか?」


「ああ、出来る事があれば手伝ってやれってさ」


「そうですか、でも宿も紹介して貰ったし、ギルドにも入れたんで大丈夫ですよ」


「そうかも知れんが、もし住まいを探すなりする時は必ず声をかけてくれ」


そこからの話はウワノ村とは関係のない話ばかりで、街を出るとどの森にどんな魔物がいるとか、酒を飲むならどの店が良い、服はここ、防具はここといった街の情報を教えてもらいながら程よく飲んだ。


「そう言えばドーラさん、結婚してないんですか?家とか大丈夫なんですか?」


少し酔ったハルキが余計な一言を口走る。

そこからはドーラの、ドーラによる、ドーラの為の愚痴大会が始まり、かなり面倒になった頃に側に一人の男が現れた。

「おっ、カネ〜、やっと来たか〜、ハルキ、こいつもウワノ村の出で、こっちで働いてるんだ」


「初めまして、ハルキです」


「どうも、カネだ。よろしくな、ハルキ。それよりもドーラ、かなり飲んでるな」


「うるさいなー、水飲んで酔ったならおかしいから医者行かなきゃだが酒飲んで酔ったなら水飲めば治るんだよ」


ハルキが昔バーテンダーをやってた頃に何度も聞いたセリフである。


「それよりもハルキが村から荷物持ってきてくれたってよ、お前、みんなに配っといてくれ」


「それを聞いたから慌てて来たんだよ。ハルキ、悪いが今日はもうお開きで良いか?俺がドーラを家まで送って行くから」


「そうですね、俺はドーラさんの家も知らないし、そうしてもらえると助かります」


「よし、じゃあ行くぞドーラ、立て」


「わかったから〜わかったから〜、ハルキ、おやすみのハグは〜〜?おばちゃんこんな気持ちにしたんだから、ハグは〜〜?」


「はいはーい」


軽くハグをして落ち着かせて入り口まで送るハルキ。

カネに引かれて名残惜しそうにヨロヨロと歩くドーラ。

夜道は所々に街灯の様な物があり、思ったよりも明るかった。


宿の風呂に入り部屋のベッドに横になったハルキはすぐにバニラとライムと共に眠りに落ちた。


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